日経 6月26日

日経 6月26日


2024年6月26日(水) 

・イオン <8267> [終値3466.0円]は2030年度までに4000人の
 「特定技能」外国人をグループ企業を通じて受け入れる。
 政府の拡大方針で可能になった食品スーパーでの総菜加工なども任せる。
 小売りや外食など消費の現場での人手不足は深刻になっている。
 教育や住居などの体制を整え、日本企業として最大規模に増やして他社にも紹介する。
 現在はグループで約1500人の特定技能外国人を雇用している。
 主に食品スーパーで販売する加工食品の製造工場で働いている。

・小売りや外食の人手不足は深刻となっており、特定技能への期待は大きい。
 セブン&アイ・HD <3382> [終値1964.5円]は2月に開業した
 グループ共通の総菜の加工工場で約240人の特定技能外国人を雇用した。
 中華料理店「日高屋」を展開するハイデイ日高 <7611> [終値3070円]は
 24年の特定技能外国人の採用数を26人と前年比で6.5倍に増やす。
 新卒入社社員の4分の1の規模に。
 ワタミ <7522> [終値937円]は24年3月時点の特定技能外国人が227人と前年同月比4割増。
 長期就労可能な業種に外食や食品製造が加わったことで
 「将来は店長やマネジャークラスとして働いてもらえる」と採用数を増やしていく。

・ソフトバンクグループ(SBG) <9984> [終値9938円]
 人工知能(AI)を使って個人の遺伝子情報や医療データを解析するサービスを始める方針。
 2024年7月にも米医療分野のテック企業Tempus AI(テンパスAI)と合弁会社を設立する。
 年内にも全国の病院から患者データや病理データを集め始める。
 データは匿名化したうえで分析する。
 構築したデータベースを基に日本で1~2年後のサービス提供を目指す。
 近く孫正義会長兼社長が記者会見を開き説明する。

・ソフトバンクグループ(SBG) <9984> [終値9938円]は日本人の医療データの収集も担う意向。
 国からがんゲノム医療中核拠点病院に指定された東大や京大、慶応大をはじめとした
 全国の医療機関に対して横断的な医療データの連携を呼びかける。
 日本で実用化したうえで東南アジアなど海外への展開を見込む。

・厚生労働省はパートらの短時間労働者が厚生年金に加入する際の
 企業規模の要件を撤廃する方針を固めた。
 現在は従業員101人以上の企業に限定している。
 勤め先によって不公平が生まれないようにする。
 5人以上の個人事業所も全業種に厚生年金を適用する方向だ。
 2025年の通常国会に関連法案を提出する。

・訪日客(インバウンド)が日本経済を支える柱になってきた。
 2024年1~3月期の訪日客消費は年換算で名目7.2兆円と10年で5倍に拡大した。
 主要品目の輸出額と比べると自動車に次ぐ規模になった。
 日本が海外に売り込む品目はモノからサービスにシフトしつつある。
 国内総生産(GDP)統計で訪日客の消費に相当する
 「非居住者家計の国内での直接購入」をみると、
 新型コロナウイルス禍前の19年10~12月期は年換算で4.6兆円だった。
 23年4~6月期の段階でコロナ禍前の水準を上回った後も拡大が続き、
 24年に入って7兆円の大台に乗せた。
 日本経済に占める訪日客消費の存在感は高まる。
 7.2兆円という規模を日本の品目別輸出額と比べると、
 23年に17.3兆円だった自動車の半分以下ではあるが、
 2位の半導体等電子部品(5.5兆円)や3位の鉄鋼(4.5兆円)を上回る。

・円安の進行で、割安感から消費拡大につながっている面はある。
 一方で、消費の内訳には変化がみられる。
 19年と23年で品目別にみると、買い物代が減って、
 宿泊費や飲食費、交通費などが目立って増えている。
 サービス重視がうかがえる。
 訪日客を受け入れる観光インフラが成長に追いついていないことは課題としてあげられる。
 ホテルや空港では人手不足が深刻だ。
 観光地でのオーバーツーリズムも問題視される。
 さらなる成長には地元負担を緩和する取り組みが求められる。

・香港の「一国二制度」の象徴だった英国式司法制度の基盤が揺らいでいる。
 英国籍の裁判官が民主派への有罪判決を受けて「抗議の辞任」に踏み切り、
 外国籍裁判官の減少に歯止めがかからない。
 金融都市にとって司法システムの信認低下は政治的な締め付け以上の大きな意味を持つ。
 中国本土では司法機関も中国共産党の支配下にある。
 政治の影響を受けず透明性が高い香港の司法システムは、
 国際的に開かれたビジネス都市の売りだった。
 低税率や効率的な政府など世界有数のビジネス環境はなお維持されているとの評価もあるが、
 司法制度の変質が金融都市の先行きに影を落とす。

・自民党と公明党は物価高対策の一環で、
 8~10月に電気・ガス料金への補助を再開することで一致した。
 ロシアによるウクライナ侵略が始まった当時より燃料の輸入価格は低下したものの、
 いったん実施した支援をやめる判断は難しい。
 出口がみえないまま、支援策が恒常的に続くことへの懸念はある。
 電気料金は標準世帯で月およそ1400円の負担軽減とする案を軸とする。

・中国の無人月面探査機「嫦娥(じょうが)6号」は6/25、
 月裏側の土壌サンプルの持ち帰りに世界で初めて成功。
 国営新華社が伝えた。中国は2030年までに有人着陸を実現する計画で、
 米国に先行する可能性がある。
 月の資源を巡って米中の競争が激化する。
 月の裏側は地球からの電波が届かず、探査機とは直接交信ができない。
 このため、土壌サンプルを地球に持ち帰る「サンプルリターン」は難度が高いとされる。
 中国は今回、別の中継衛星を使って月裏側の探査機を誘導し、回収に成功した。
 月の裏側には巨大な隕石(いんせき)が衝突した跡があり、
 約40億年前の土壌サンプルの採取が期待できるという。
 月には水や金属といった資源が存在する可能性がある。
 人類が宇宙で活動する新たな拠点となるほか、
 火星などのより遠い星に行く足がかりとなる。
 
・中国は今回の成功をテコに、月面開発を進める。
 26年前後には嫦娥7号を、28年前後には嫦娥8号をそれぞれ打ち上げる計画だ。
 将来の月面基地の候補地である南極域で水を含む環境探査を進める。
 月面基地の基礎となる研究ステーションを建設し、
 30年までに月面に宇宙飛行士を送り込む方針だ。
 中国の月探査プロジェクトの呉偉仁総設計師は中国メディアに対し、
 中国は月探査分野では世界トップになっているが開発を急ぐ必要があるとの考えを示した。
 月探査をテコに火星探査にも意欲を示し、
 世界で初めての火星からのサンプルリターンをめざす意向だ。

・米国は有人月探査「アルテミス計画」で、
 中国と同様に月の南極付近を有人探査の対象としている。
 同計画では25年9月に有人での月の周回、26年9月に着陸に挑む。
 同計画には日本も参加しており、28年以降に有人での月面着陸を目指している。
 有人探査にいち早く成功すれば、無人探査よりも詳細に月面を調べられるため、
 基地建設に有利な情報を得られる。
 現状では米陣営が中国より先行する計画を立てているが、
 宇宙船の開発などが遅れており、不透明な面もある。

・中国が世界で初めて持ち帰った月の裏側の土壌試料には
 地下深部に由来する物質が含まれている可能性がある。
 今後の試料分析を通じて月の起源や歴史に迫る科学的な知見が得られると期待されている。
 中国科学院国家天文台の研究チームが2023年7月に英科学誌に発表した文献によると、
 月の地質学的な進化の解明につながる手掛かりの発見を目指している。

・月の歴史を探る上でマントル由来の物質を調べることは不可欠だ。
 月の起源については、火星ほどの大きさの原始惑星が約45億年前に地球と衝突し、
 飛び散ったかけらが集まってできたとする「ジャイアント・インパクト説」が有力だ。
 月のマントルと地球のマントルの化学組成などを比較することで、この仮説を検証できる。
 採取した試料にマントル由来の物質が含まれ、地球の成分と同じであれば、
 ジャイアント・インパクト説を補強する証拠になる。
 「今回のサンプルリターンによって、
 月の成り立ちや歴史を組み立てる重要なデータが得られる可能性がある」と
 地質学者の石渡明氏(元日本地質学会会長)は期待する。

・厚生労働省の中央最低賃金審議会(厚労相の諮問機関)は6/25、
 2024年度の最低賃金引き上げに向けた議論を始めた。
 24年度の春季労使交渉で企業の賃上げ率は5%を超えている。
 最低賃金を同じく5%上げると、金額では過去最大の50円に達する。
 物価と賃金の好循環には労使合意のもとでの引き上げが欠かせない。

・総務省は6/25、ふるさと納税制度について、
 利用者にポイントを付与するサイトを通じて自治体が寄付を募ることを
 2025年10月から禁止すると発表。
 仲介サイトがポイントで集客を競う中、
 自治体が仲介サイトに払う経費が膨らむ問題が起きていた。

・厚生労働省は6/25、公的年金の将来の給付水準を示す「財政検証」の結果を
 7月3日に公表すると発表。
 5年に1度実施するもので、100年先までの人口構成や経済情勢を仮定し、
 年金の給付水準や財政の健全性を確認する。
 7月3日に開く社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の年金部会の中で、財政検証の結果を示す。

・経済産業省は6/25、2024年度にまとめる次期エネルギー基本計画に向けた
 原子力分野の議論を始めた。
 40年度の新たな電源構成の策定を見据え、原発の再稼働や次世代革新炉への新規投資、
 最終処分の実現などを課題に挙げた。
 再稼働や新規投資については、投資コストの回収やファイナンス面で問題があるとした。
 具体的には、想定外の安全対策費や廃炉費が生じて
 投資回収ができないリスクがあると例示した。

・不良債権の増加に伴って債権回収会社(サービサー)の利用が増えている。
 2023年に債権回収会社が取り扱った債権の合計額は
 前年比9%増の12兆3896億円と、2年連続で増えた。
 事業再生の需要の高まりが背景にある。
 京都FG <5844> [終値2820.0円]が10月から債権回収会社の営業を始めるなど、
 地方銀行による参入も広がっている。
 債権回収会社は金融機関が持つ債権を買い取り、資金を回収したり、
 金融機関から債権の管理回収業務を請け負ったりする。
 足元では人手不足や原材料高に加え、コロナ禍の政府支援などで借り入れた資金の返済もあり、
 経営が悪化する企業は少なくない。
 債務処理を含めた需要は高まっていくとみられる。
 地銀などの目利き力のあるサービサーが再生か、破綻処理かといった判断を早期に下し、
 次のステップへ進みやすくなれば経済の活性化にもつながりやすくなる。

・地方銀行への投資に特化したファンドを運用するありあけキャピタル(東京・中央)が
 ライフネット生命保険 <7157> [終値1636円]の株式5.04%を取得したことが6/25分かった。
 投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネージメントも
 金融庁の主要株主認可を取得したことが判明し、さらなる買い増しに動くことが可能になった。
 主導権争いが激しくなりそうだ。

・3メガバンクが保有する政策保有株は2024年3月期末時点で3兆3000億円弱(簿価ベース)となり、
 前年比で12%減少した。減少額は約4300億円と、20年3月期以来4年ぶりの高水準となった。
 これまで継続保有してきた企業の株式も売却する例もあり、
 大手損害保険会社が政策株の保有解消を掲げる中で銀行も解消を加速できるかが焦点だ。

・三菱UFJFG <8306> [終値1641.5円]三井住友FG <8316> [終値10950円]
 みずほFG <8411> [終値3265.0円]の3メガバンクが6/25までに
 関東財務局へ提出した有価証券報告書で、
 政策保有株の売却額や主要な企業の保有高を明らかにした。
 政策株を含む株式売却額は非上場企業でない企業の株式の合算で
 約1兆2500億円と、前年比75%増加した。
 取引先との関係強化が目的の政策保有株式への批判は根強く、
 メガバンク各社は売却計画を加速する。

・市場では損保各社が政策株の保有解消を進めているのを背景に、
 銀行の政策株売却への期待が大きくなっている。
 メガバンクはこれまで合計で年間数千億円規模で政策保有株の削減を進めており、
 残る銘柄は「岩盤」と呼ばれ交渉が難しい先が多いとする見方も強かった。
 損保の政策株売却による需給悪化の影響も見極めて交渉を進める。

・米大手投資会社のベインキャピタルが今後5年間で日本に5兆円投資する。
 過去5年間の2倍にあたる。
 2006年に日本に進出し、プライベートエクイティ(PE=未公開株)投資を
 けん引してきたファンドとして関与を深める。
 企業の遊休不動産を絡めた企業価値の向上に注力する方針だ。

・米大手投資会社のベインキャピタルは外資系ファンドながら
 日本法人に事業の決定権を与えており、スピードを意識した提案により成果を上げてきた。
 経営トップにあたる共同マネージングパートナーを務めるデービッド・グロス氏と
 日本代表の杉本勇次氏は06年の日本法人の設立当初から共同代表として二人三脚で
 日本市場を開拓してきた。
 グロス氏が日本代表を離れた11年以降も杉本氏は続投しており、
 経験を糧にさらなる案件の深掘りをめざす。

・三井住友海上火災保険 <8725> [終値3366.0円]2025年夏にも欧州の拠点を再編する。
 当局などの承認を前提に、欧州大陸で損害保険サービスを提供するベルギーと
 ドイツの現地法人を合併する。
 直近のトップライン(保険料収入)の合計は約3000億円となり、
 実現すれば欧州の大手保険会社に次ぐ規模になる。
 両社の顧客基盤を統合して収益拡大を図り、欧州で上位5位内に入る保険会社をめざす。
 三井住友海上は近く事業再編に向けた協議に入る。

・金(ゴールド)の長期上昇が続いている。
 2000年末以降の投資収益率は8倍強と米国株の6倍や世界債券の2倍を上回る。
 インフレや財政悪化、国際社会の分断を背景に
 基軸通貨ドルの強さが揺らぎ、金に資金が逃避している。
 実物資産としての価値があり、
 政治色のない「無国籍通貨」の側面が需要の強さにつながっている。

・東南アジアの航空大手が攻めの経営に転じている。
 タイ国際航空は年内に経営再建を完了し、保有機材を今後10年で4割増やす。
 新型コロナウイルス禍からの旅客回復に対応するが、
 人手不足や強気の市況見通しには懸念が残る。

・7月4日に投開票される英国の総選挙で、
 与党・保守党が議席を大幅に減らすとの見方が強まっている。
 インフレや経済の低迷に対する国民の不満が直撃。
 最大野党・労働党は敵失に助けられ、14年ぶりの政権復帰が現実味を帯びる。

・欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は6/25、
 米マイクロソフトの会議アプリ「Teams(チームズ)」の販売手法が
 競争法(独占禁止法)違反にあたるとの暫定的な見解を発表。
 生産性向上のための他のアプリと連携した形の提供が公正な競争を妨げていると判断した。
 マイクロソフトには反論の機会が与えられる。
 欧州委はさらなる調査やマイクロソフトの対応を踏まえ、最終的な判断を下す。
 期限は設けていない。欧州委が競争法違反を認定した場合、
 全世界の年間売上高の10%を上限とする制裁金を科せる。

・【スイスのシンクタンク、世界経済フォーラム(WEF)主催する国際会議「夏季ダボス会議」
 6/25、中国東北部遼寧省大連市で始まった。
 中国李強(リー・チャン)首相が開幕式で、中国の電気自動車(EV)が
 「中国の国内需要を満たしているだけでなく、全世界の供給を豊かにしている」と主張。
 欧米各国が提起している過剰生産問題への懸念を否定。
 「中国は解放された非常に大きな市場だ」と延べ、ビジネス環境の改善を進める方針表明。
 海外からの投資を呼びかけた。



Posted by 占い ザ・ハーミット at 12:42│Comments(0)
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