日経 11月13日

日経 11月13日

2024年11月13日(水)

・厚生労働省は薬剤師や登録販売者がいないコンビニエンスストアなどの店舗でも
 市販薬(一般用医薬品)を買えるようにする。
 薬剤師とインターネット上でやりとりすれば、
 解熱鎮痛剤のロキソニンや胃腸薬のガスター10といった第1類医薬品が購入できる。
 夜間に発熱した人や、薬局が少ない地域での利便性向上につなげる。

・薬局が少ない過疎地での活用にも期待がかかる。
 薬局の無い自治体は、24年3月時点で34都道府県138町村に上る。
 薬機法では市販薬を販売できるのは薬剤師か登録販売者に限定されている。
 そのため法令上は薬剤師か登録販売者を抱える薬局が薬をコンビニの店頭に置き、
 店員から客に渡してもらう枠組みにする。
 いわば「場所貸し」だ。コンビニは薬局から手数料を受け取ることが想定される。

・石破茂首相は11/15にペルーで中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談する。
 首脳間を含むハイレベルの対話を推進し、日中の経済・人的交流を強化すると確認する。
 2025年に日本で開催予定の日中韓首脳会談をにらみ、
 懸案を抱えつつ意思疎通できる関係構築をめざす。
 首相の就任後、両首脳の会談は初めてだ。
 ペルーで11/15~16に開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に実施する。

・日本の自動車大手がトランプ前政権以降、米国でロビー活動費を大幅に増やしている。
 オバマ政権2期目と比べて年平均2割多い。
 保護主義色の強い政策や、バイデン政権による電気自動車(EV)優遇策への対応を迫られた。
 トランプ前大統領が返り咲き、ホンダ <7267> [終値1383.5円]や
 日産自 <7201> [終値415.8円]はロビー活動をより重視する意向。

・政府は太陽光パネルや自動車などのリサイクル拠点を整備する。
 2026年度以降に国内で計10カ所ほどを稼働させる。
 政府は廃パネルの再利用を義務とする施策を検討している。
 回収や保管を行う事業者向けに資金支援を行い、
 産業育成とレアメタル(希少金属)の確保など経済安全保障を進める。
 太陽光パネルや自動車、蓄電池や鉄くずといった資源になる廃棄物すべてを想定する。
 廃棄物に含まれるリチウムやニッケルには価値があり、
 海外に流出しているケースも少なくない。
 回収・解体業務は各地域にある専門会社が担うことが多く、
 事業者を集約して効率的な再利用をめざす。

・政府は25年度に調査事業に入り、回収が可能な場所の選定を進める。
 拠点整備は民間主導で行う。国内の資源循環を後押しするため、
 エネルギー対策特別会計から数百億円規模を支出し、
 回収や保管業者の投資資金にあてる。
 太陽光パネルは30年代から劣化による大量廃棄が発生し、
 リサイクル需要が高まることが予想される。
 三菱ケミカル <4188> [終値838.3円]子会社の新菱(北九州市)は23年、
 年間9万枚の処理能力を持つ工場を稼働した。

・トランプ2.0世界の行方は(5)資本主義 揺らぐ市場の盟主
 「株高はいい」と言える国へ 本社コメンテーター梶原誠
 株式市場から見ると、異質な米大統領選だった。
 ダウ工業株30種平均は、10月にかけて最高値を更新。
 だが両陣営は目立った言及を避け続けた。
 ハリス副大統領が「政策は正しかった」と誇り、
 トランプ氏が「政権交代への期待だ」と強弁する。
 そんな舌戦が盛り上がらなかったのは、
 株高から置き去りにされる人々の怒りを両陣営が恐れたからに違いない。
 米国は過半数の世帯が株を保有する「株の国」だ。
 しかし「株価にいいことは米国にもいい」とは言いにくくなった。
 背景には、歯止めがかからない株式保有の不均衡がある。
 株を保有する世帯の割合を所得別にみると、
 上位10%の世帯では96%とほぼ全世帯に株が行き渡る。
 一方、下位20%の世帯では17%の保有にとどまる。
 この結果、株高が進んでも金持ちが裕福になるだけで、それ以下の層との差は広がる。

・トランプ2.0世界の行方は(5)資本主義 揺らぐ市場の盟主
 「株高はいい」と言える国へ 本社コメンテーター梶原誠
 世帯当たりの保有株の価値を上位10%と下位20%で比べると、
 格差は1989年の3倍から2022年には75倍まで広がった。
 マネーが株式市場を通じて成長企業に流れる。
 雇用が生まれ、株主も報われて社会は豊かになる。
 資本主義の盟主、米国が築いた成長の方程式だ。
 だが格差が開くあまり国民が株高を歓迎しなくなれば、式は崩れる。
 米国で今年、2つの言葉がしばしば使われた。
 格差がもたらす「不寛容」と、その発露である「外国人への敵視」だ。

・トランプ2.0世界の行方は(5)資本主義 揺らぐ市場の盟主
 「株高はいい」と言える国へ 本社コメンテーター梶原誠
 資本主義国家の行方を決めるのは、市場とともに歩む多くの担い手だ。
 エゴを見透かされたら、瞬時に信用が地に落ちる。
 日本市場の中枢で相次いだ株のインサイダー取引など論外だ。
 資本主義を成長につなげる人々を支え、「株高はいい」と言える国に持っていけるか。
 指導者たちの新たな課題が浮かぶ。

・トランプ次期米大統領が2025年1月に発足する新政権の人事において、
 「脱・脱炭素」「反移民」の姿勢を鮮明にした。
 看板政策を担当する要職に、強硬派や自身に忠実な腹心を充てた。
 バイデン大統領の政策を転換する体制を整える。

・脱炭素に逆行する政策が実行されれば、産業界への影響は避けられない。
 バイデン政権は巨額の補助金をてこに総額2650億ドル(約41兆円)の
 脱炭素投資を日本企業を含めた国内外企業から集めたが、
 一部には撤回の動きが出てきそうだ。

・外交でも腹心を起用した。トランプ氏は11/10、
 閣僚級の国連大使に自身に近いエリス・ステファニク下院議員を指名。
 40歳の白人女性で、外交の最前線の国連で交渉に当たる。
 熱心なイスラエル支持者でトランプ氏と足並みをそろえる。
 一方、トランプ氏は9日にニッキー・ヘイリー元国連大使と
 マイク・ポンペオ元国務長官を新政権に起用しないと表明。
 両氏は前政権でトランプ氏を支えたが、同氏が大統領に返り咲けば
 「大きな混乱がつきまとう」「前を向くリーダーが必要」などと非難した。

・団塊ジュニア世代が75歳以上になる2050年に1人で暮らす高齢者が急増する。
 国の研究機関が12日公表した世帯数の将来推計によると、
 山形を除く46の都道府県で、75歳以上人口に占める一人暮らしの割合が2割を超える。
 在宅医療や介護の体制拡充など、高齢者の生活を支える仕組みづくりを急ぐ必要がある。

・街づくりも高齢化や人口をふまえた形に変える必要がある。
 一人暮らしの高齢者は強盗などの標的になりやすく、防犯対策が求められる。
 災害時には自力での避難が困難な「災害弱者」になるリスクを抱える。
 インフラの更新と並行して、人口減少が進む地域では集住を促す必要もある。

・国の研究機関である日本原子力研究開発機構(JAEA)は11/12、
 東京電力 <9501> [終値591.5円]福島第1原子力発電所2号機から回収された
 溶融燃料(デブリ)を茨城県内にある分析施設に受け入れた。
 初の分析に臨み、硬さや成分を調べる。
 大規模に取り出す技術の開発に生かし、廃炉作業に役立てる。
 政府・東電は11年12月に定めた廃炉への工程表で
 「41~51年の完了を目指す」と目標を掲げてきた。
 仮にデブリの取り出しが技術的に可能になっても、
 危険なデブリの保管場所の確保など課題は山積している。
 廃炉完了への道のりは依然険しく、長い。

・世界の温暖化対策を話し合う
 第29回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP29)で11/12、
 首脳級会合が始まった。
 日本の石破茂首相は国会日程の関係で欠席するなど、
 脱炭素の国際協調をけん引してきた主要国の欠席が目立つ。
 これまでに各国の議論のまとめ役を担ってきた面々が不在のなかでの会合で
 脱炭素の機運を高められるかが試される。

・自民党が派閥の政治資金問題の幕引きを急いでいる。
 政策活動費の廃止に加えて、収支報告書の不記載額を国庫に納付したり
 被災地に寄付したりする案が再浮上する。
 年内に「けじめ」を示して2025年夏の参院選への悪影響を避ける狙いがある。
 政治改革が滞って25年の通常国会に持ち越しになれば、
 同年夏の都議選や参院選で政治とカネが再び争点になる可能性が出てくる。
 首相は11/11に「年内決着」を目指す考えを繰り返した。

・日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)と金村龍那衆院議員は11/12、
 党代表選に立候補すると相次ぎ表明。
 2025年参院選に向けて党の立て直しをめざす。
 今回の代表選は11/17告示―12/1投開票の日程で、
 馬場伸幸代表は衆院選を受けて不出馬を発表。
 空本誠喜衆院議員と松沢成文参院議員も立候補をめざす考えを示している。

・自民、公明、国民民主の3党は11/12、国会内で政策協議の初会合を開いた。
 政府が11月中の策定をめざす経済対策について話し合った。
 目玉の一つとなるガソリン価格の引き下げを巡り、
 補助金の延長を探る与党と減税を唱える国民民主の溝が鮮明になった。
 国民民主の議員からは
 「減税は上乗せ分で1兆円程度で減税の方が効果的で、公平だ」との意見が出る。
 自民党の小野寺五典政調会長は会談終了後、記者団に税制について
 「一致点を見いだせるように努力はしていきたい」と話した。

・厚生労働省は11/12、労働基準法などの見直しに向けた報告書のたたき台を示した。
 多様な働き方を求める声の拡大を受け、在宅勤務や副業がしやすくなる改革案を盛りこんだ。
 労働政策研究・研修機構の推計によると、
 2040年時点の労働力人口は労働参加が進むシナリオで6791万人となる。
 労働参加が現状のままの場合は6002万人まで落ち込む。
 厚労省は労働政策審議会でも議論し、早ければ26年の法改正を目指す。
 人口減少による人手不足をカバーするためにも、時代に即した仕組みへの転換が欠かせない。

・東北電力 <9506> [終値1344.0円]11/12、
 中性子の計測機器の不具合で原子炉を停止した
 女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)2号機について、11/13に原子炉を再起動すると発表。
 発送電は11/19までに開始し、発電機の出力を100%の82万5000キロワットまで高めるとしている。
 営業運転については計画通り年内にも始める方針としている。

・ソフトバンクグループ(SBG) <9984> [終値9409円]11/12発表した
 2024年4~9月期の連結決算、最終損益1兆53億円の黒字(前年同期は1兆4087億円の赤字)を計上。
 傘下のビジョン・ファンド事業が9四半期ぶりに累積黒字に転換し、
 世界的な株高の恩恵を受け、過去の大型買収案件も業績に貢献した。
 4~9月期としては21年4~9月期以来3年ぶりの黒字で、
 黒字幅は20年4~9月期(1兆8832億円の黒字)以来の高水準だった。
 安定した財務基盤を受け、SBGはAI戦略を推進する。
 後藤芳光・最高財務責任者(CFO)は
 「アームを中心にAIチップ関連の様々な技術開発やビジネスモデルの発達も実現していく」。
 水面下でアームを通じてAI向け半導体を開発・製造するほか、
 データセンターやロボット、電力に事業を広げることを構想している。

・SBG <9984> [終値9409円]のビジョン・ファンド事業の
 4~9月期の投資損益は6103億円の黒字と、
 前年同期(1811億円の黒字)に続き 2年連続で黒字を維持。
 7~9月期の投資損益は6084億円の黒字と、
 4~6月期(19億円の黒字)から黒字幅が拡大した。
 2号ファンドは未公開株の評価額が相対的に高い時期に投資し、
 その後の相場低迷に見舞われていたが、後藤氏は
 「上場を目指せるレイトステージの投資先が増えている」と述べた。
 インド市場で電動二輪車大手オラ・エレクトリック・モビリティーなどが
 次々と新規株式公開(IPO)を果たしている。

・SBG <9984> [終値9409円]はファンドを通じて10月に
 対話型AI「Chat(チャット)GPT」を開発した米オープンAIに5億ドル(約770億円)を投資。
 後藤氏は「彼らからAIの世界について学ぶべき点は大きく、技術やものの見方を生かしたい」。
 事業上の相乗効果を高めれば、最新のAIに対応した半導体の開発に乗り出しやすくなる。
 SBGが狙うAIを主軸とした実業を巡っては、GAFAや米半導体大手エヌビディアを含めた
 世界のテック大手も成長市場とみて相次ぎ参入している。
 後藤氏は「AI時代に何ができるか向き合う。
 頂上に登るトップグループの1社として成長を続けたい」と述べた。
 世界の強豪に後れを取らない大型投資と技術革新の難路が続く。

・大和証券 <8601> [終値1030.5円]と岩手銀行 <8345> [終値2821円]11/12、
 包括業務提携に向けて基本合意したと発表。
 投資信託など岩手銀行の顧客の証券口座を大和証券に集約する。
 大和証券の盛岡市の拠点の個人営業機能を岩手銀に移管し、
 事実上、リテール証券事業を統合する。
 2026年4月の提携業務開始を目指す。

・信販大手のオリエントコーポレーション <8585> [終値844円]と、
 イオン <8267> [終値3839円]が共同で法人顧客を開拓する。
 2025年春にも中小企業向けに法人クレジットカードを発行するほか、
 ニーズに応じた融資も始める。法人版のイオン経済圏の確立を目指す。
 オリコとイオン金融子会社のイオンFS <1236.0> [終値1236.0円]は、
 主に仕入れに使う商取引用の法人カードを共同発行する。
 総合スーパー(GMS)などと日常的に取引する中小メーカーや卸売業者が対象。
 キャッシュレス化や紙の手形・小切手の廃止など商慣習が大きく変わるなか、
 カード会社にとって新たなビジネス機会になってきた。

・三井住友トラストグループ <8309> [終値3611.0円]11/12に発表
 2024年4~9月期決算は、連結純利益が前年同期比3倍の1328億円。
 株価下落による保有株の評価損に備えるための
 「ベア投信」の損失計上がなくなった反動が出た。
 投資家向け事業など本業も好調だった。
 本業のもうけを示す実質業務純益は2%増の1695億円。
 資産運用や資産管理が関連する投資家向け事業が43%増えた。

・企業マネーが定期預金に流入している。
 日銀 <8301> [終値27000円]11/12発表した
 10月のマネーストック(通貨供給量)速報によると、
 定期預金などの「準通貨」が2016年2月以来の増加に転じた。
 日銀の利上げで金融機関が定期預金金利を引き上げたことで、
 企業の間で金利上昇による恩恵を受けようとする動きが広がっている。
 日銀による3月のマイナス金利解除や7月の追加利上げを背景に、
 多くの金融機関が定期預金金利の引き上げに動いた。

・外国為替相場が円安に傾き、円でみた海外資産の価値を押し上げている。
 「オルカン」で知られる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の
 基準価格は11/12、7月に付けた最高値に迫った。
 米国株や金(ゴールド)の円建ての上昇率は今年、4割と高い。
 幅広い通貨に対する円安が日本の個人投資家の運用の追い風となっている。
 日本の個人が投信経由で多く投資する米S&P500種株価指数を円建てでみると、
 一足先に11/6に7月の高値を更新。
 円建ての年初来の上昇率は37%と、指数そのものの上昇率26%を上回る。
 金も歴史的高値が続き、円建て価格が大幅に上昇している。
 国際調査機関のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、
 円建ての金現物価格は11/11時点で1トロイオンス40万3679円と23年末から38%上昇した。

・海外に投資する際に為替とどう向き合うか。
 金融助言会社びとうファイナンシャルサービスの尾藤峰男代表は
 「株式は期待リターンが高く、円高になった場合でも株価の上昇で相殺しやすいため、
 海外に投資する資産として特に適している」と債券などと比較して株式が有利と指摘する。
 8月には株安と円高の二重苦となり、尻込みした投資家も多い。
 ファイナンシャルプランナー(FP)の深田晶恵氏は、外貨建て資産への一括投資は、
 円高の際に損失が大きくなりやすいとして「積み立て投資などの時間分散によって、
 為替で資産価値が変動するリスクをなるべく抑えた方がいい」と指摘する。
 資産運用を助言するガイアの中桐啓貴社長は
 「若年層の長期投資にはあまり必要ないが、高齢者がリスクを取りたくない場合は
 為替ヘッジも良い選択肢だ」と話す。
 もっとも、通貨安が過度に進むと資産価値を守れなくなる。
 日本でも円安が加速すると海外へ資金が流出するリスクをはらむ。

・暗号資産(仮想通貨)全体の時価総額が11/12、過去最大になった。
 情報サイトのコインゲッコーによると、日本時間12日午前9時時点で3.12兆ドルまで膨らみ、
 2021年11月以来およそ3年ぶりに過去最大を更新。
 代表的な仮想通貨のビットコイン価格の上昇が全体の時価総額を押し上げている。

・仮想通貨関連銘柄にも資金が流れ込んでいる。
 米仮想通貨交換業大手コインベースの株価が11/11、20%上昇したほか、
 11/11に20億ドル強のビットコインを追加購入したと発表した
 米マイクロストラテジーの株価も26%上昇。
 11/12の東京市場では仮想通貨交換業者のフィスコ <3807> [終値129円]がストップ高で
 3/5以来となる年初来高値を更新。
 交換業者を子会社に抱えるセレス <3696> [終値2268円]が一時9%高となった。

・米株式市場で、農業関連銘柄や素材株に下げ圧力がかかっている。
 大統領選で当選したトランプ前大統領がとなえる関税引き上げは
 中国などとの貿易戦争を引き起こす可能性が高い。
 報復関税が企業業績の先行き不透明感を高めるとの警戒感が強まっている。
 米国の産業保護や減税策を掲げるトランプ氏の勝利で、米国株への投資マネー集中が鮮明。
 米S&P500種株価指数は11日、終値で初めて6000を超えた。
 大統領選前の11/4比では5%上昇。
 最高値更新に沸く株式市場の一角ではトランプ氏公約の「負の影響」を吟味する動きが進む。
 相場高の流れに逆らって下げが目立つのが農機や肥料のメーカーの株価だ。
 業種別の素材はトランプ氏がアルミや鉄鋼への関税強化を打ち出した18年3月以降
 徐々に出遅れ、年間では16%安とS&P500以上に落ち込んだ。
 足元の米株市場はトランプ氏への期待が先行しているだけに、負の影響への警戒が欠かせない。

・世界のIT大手に半導体やデジタル製品を供給する
 台湾メーカー主要19社の10月の売上高合計は前年同月比で11.2%増。
 人工知能(AI)向けにサーバーや半導体の販売好調が続き、
 合計額は2013年の集計開始以来で最高となった。
 日経新聞が台湾IT関連の主要19社の売上高を調べたところ、
 10月の合計額は1兆7482億台湾ドル(約8兆3000億円)だった。
 内訳は13社が増収、6社が減収。
 合計額はこれまで22年9月の1兆7060億台湾ドルが最高だった。

・ペルーの首都リマ郊外で11/14、中国国有の海運大手が過半を出資する
 チャンカイ港が開港する。
 アジアと南米を結ぶ貿易の大幅な効率化が期待され、南米の新たなハブ港となる。
 中国の広域経済圏構想「一帯一路」の南米での要になると見られており、
 中国の影響力が増すことを米国は警戒する。

・米国などはチャンカイ港が軍事拠点としても利用される可能性を危惧する。
 中国側は貿易・経済面の機能を強調するものの、米国を中心に懐疑的な見方は少なくない。
 米通商代表部(USTR)のタイ代表はブラジルに対して、
 一帯一路への参加は慎重に判断すべきだと発言し、中国側が反発していた。
 米軍で中南米を管轄する米南方軍司令官を務めたローラ・リチャードソン氏は
 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の11/3付インタビューで
 「海軍が使用するのは間違いない。中南米だけでなく、他の地域でもみられる動きだ」と語った。

・ロシアと北朝鮮が6月に締結した「包括的戦略パートナーシップ条約」の批准手続きを済ませた。
 批准書を交換すれば発効し、ロ朝の関係が事実上の軍事同盟に格上げされる。
 条約を根拠に兵力や物資、技術面の連携が活発になる恐れがある。
 北朝鮮の後ろ盾となってきた中国は静観の姿勢だ。
 中国外務省の林剣副報道局長は12日の記者会見で「朝ロはいずれも独立主権国家だ。
 両国関係をどう発展させるかは両国自身の問題だ」と述べた。

・陸運大手3社の業績に明暗が分かれている。
 11/12に出そろった2024年7~9月期の連結決算では日本通運を傘下に持つ
 NIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD) <9147> [終値7400円]が増収増益。
 一方、ヤマトホールディングス <9064> [終値1599.5円]など宅配系2社の採算は悪化。
 物価高に伴う電子商取引(EC)需要の落ち込みが宅配便の収益力を低下させている。
 企業間物流が回復傾向のNXHDとは対照的に、より消費者に近い宅配中心の2社は業績が振るわない。
 ヤマトHDの24年7~9月期は10億円の最終赤字(前年同期は55億円の黒字)に転落。
 佐川急便を傘下に持つSGホールディングス <9143> [終値1488.0円]の
 純利益も4%減の130億円にとどまった。

・野村不動産 <3231> [終値3844円]11/12、
 職住一体の賃貸住宅「コリビング住宅」に参入すると発表。
 若者を対象に「TOMORE(トモア)」ブランドで事業展開する。
 同社は分譲マンション「プラウド」で高いブランド力を持つが、開発用地の減少が課題だった。
 トモアは狭い土地でも建設ができる。
 マンション価格や家賃の高騰に悩む顧客層に新たな選択肢を提供する。
 野村不動産がコリビング住宅を新規に開発した理由は2つ。
 その1つが単身者向け賃貸住宅の需要拡大だ。
 もう1つが、マンション用地の取得競争の激化だ。
 賃貸住宅「プラウドフラット」や高齢者向け賃貸住宅「オウカス」、
 ホテル「ノーガホテル」など商材を拡大するなかで、
 トモアは用地取得の幅を広げる役目を担う。

・12日の東京株式市場で日産自 <7201> [終値415.8円]の株が
 一時前日比76円(21%)高となる444円60銭まで上昇し、約3カ月ぶりの高値を付けた。
 日産が11/11に提出した2024年4~9月期の半期報告書で、
 大株主の項目にアクティビスト(物言う株主)の
 エフィッシモ・キャピタル・マネージメントが新たに入った。
 今後の企業統治改革に対する思惑買いが先行した。

・出光興産 <5019> [終値1000.0円]は11/12、
 農薬メーカーのアグロカネショウ <4955> [終値1389円]を買収すると発表。
 買収額は約230億円。TOB(株式公開買い付け)で全ての株式を取得する。
 TOBが成立すればアグロカネショウは上場廃止へ。
 出光も農薬の製造・販売を手がけており、両社の販路を融通するなどで収益拡大につなげる。
 買い付け価格は1株あたり1900円で、11/12の終値に37%のプレミアムを乗せた。

・電子部材メーカーのデクセリアルズ <4980> [終値2510.0円]
 欧州で車載ディスプレー向け材料の販売を増やす。
 10/1付でドイツの車内装デザイン会社のセムソテックグループに
 約800万ユーロ(約13億円)出資。
 車載向けの素材と設計を組み合わせ、自動車メーカーなど独社の顧客基盤に働きかける。

・政府は11/12、総合経済男対策の原案を与党に示した。
 日本経済・地方経済の成長、物価高の克服、国民の安心・安全の確保の3本柱を重点目標。



Posted by 占い ザ・ハーミット at 13:11│Comments(0)
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