日経 12月22日

日経 12月22日

2018年12月22日(土)

・トランプ米大統領20日、マティス米国防長官の来年2月末の退任決めた。
 同盟が重視する現実的な外交・安全保障政策を志向し、
 トランプ氏の独断専行に歯止めをかける最後の砦(とりで)となってきたのがマティス氏だった。
 米政権は「自国第一」を先鋭化させて通商のみならず安保でも内向きになり、国際秩序の不安定化に拍車をかける恐れも。

・世界で株安の連鎖が続く。
 来年以降の世界景気が弱気の見方が増える中で進む米利上げに対し、投資家が不安募らせている。
 欧米で高値からの下落率が2割を超え「ベア(弱気)相場」入りのサインが点灯したことも、株式持ち高の圧縮招く。
 21日の東京株式市場では日経平均株価が節目の2万円割れまであと6円67銭に迫る場面があった。
 不透明感を嫌った海外勢の売りが主導し、日経平均は連日で年初来安値を更新。4日間の下げ幅は1300円を超えた。
 ドイツ株価指数(DAX)は1月の高値比で22%安、イタリアFTSE・MIBは5月高値から24%下落。
 20日には米ナスダック総合指数も一時、2割超下落。
 中国や韓国などは軒並み2割超え下落している。
 投資マネーが株式から逃げ始めており、調査会社EPFR、先進国の株式ファンドからは5週連続で資金流出。
 流出額は累計659億ドルに上った。

・米ブルッキングス研究所によると、トランプ政権は発足後ほぼ2年の時点で高官の離職率が65%にのぼる。
 最近ではオバマ政権の24%、ブッシュ(子)政権の33%などより突出して高く、政権運営の不安定ぶりが際立つ。
 閣僚らの辞任理由は半数以上が対立や内紛。
 ジャーナリスト、クリス・ウイップル氏は「この政権で生き残るには家族との良好な関係が欠かせない」と語る。

・政府の2019年度当初予算案は19年10月の消費税率引き上げに向けた経済対策を総動員した形。
 キャッシュレス決済した消費者にポイントで増税分を上回る還元するなど2兆円規模の対策で景気の下支えを狙う。
 だが税制支出で需要を押し上げる結果、対策が終了する20年の東京五輪後には景気の急速減を招きかねない。
 追加の金融緩和余地が乏しい中、財政出動を繰り返す悪循環に陥る恐れがある。

・米司法省は先端技術を盗み出した疑いで20日に起訴した2人の中国人をハッカー集団「APT10」のメンバーだと断定。
 同集団は2016年ごろからサイバー攻撃を強め、活動拠点は中国との見方が大勢。
 米政府は中国の情報機関である国家安全省の関与を指摘し、国家主導で世界規模のハッキングを画策したとみなす。

・トランプ米政権がサイバー空間での中国包囲網づくりに動き出した。
 米国が中国人ハッカーを起訴すると同時に、日本や英国も相次いで中国を非難する声明公表。
 米中の覇権争いが激しくなる中、米政権は制裁関税に加え、同盟国や司法も使って全方向からゆさぶりかけている。

・金融庁21日、仮想通貨取引や交換業者への規制強化を求める有識者会議の報告書発表。
 不正アクセスなどによる流出リスクに備えて、
 弁済原資を確保するよう交換業者に義務付けるほか、取り扱う仮想通貨の変更を事前に当局に届け出るよう求める。
 少ない元手で多額の仮想通貨を売買できる証拠金取引も新たに規制対象に加える。
 法令上の呼称も現在の仮想通貨から「暗号資産」に変更。

・レオス・キャピタルワークス(東京・千代田)藤野英人社長は21日、新規株式公開(IPO)の延期について、
 日本経済新聞社に対し「20日の夜に主幹事のみずほ証券からの連絡で、延期を決めた」と。
 「法令違反などはなく、(みずほ証券の指摘は)納得できない」とした。
 「今は正確に話すことはできない」と言及は避けた。
 みずほ証券はこの件について「個別条件に付いてはコメント出来ない」としている。

・中国習近平指導部は21日、2019年の経済運営方針を決める「中央経済工作会議」を終えた。
 会議は「さらに大規模な減税を実施する」とし、積極財政で内需拡大する方針打ち出す。
 金融政策も緩和気味に運営する方向。景気下支えに軸足を置く姿勢鮮明にした。

・中国で3月から凍結されていたゲームの審査が再開され、新作を発売できる見通しに。
 騰訊控股(テンセント)など中国ゲーム大手や中国でゲームを販売する日本企業の事業環境が改善しそう。

・日本百貨店協会21日、衣料品の売上高が5カ月連続で前年割れに。
 市場が縮小する中で暖冬が追い打ちをかけており、アパレルと百貨店各社は苦肉の策として冬物セールを2回開く。
 勝ち組だったユニクロ <9983> [終値58840円]も苦戦目立つ。

・21日の新興市場で東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均株価はそろって年初来安値更新。
 相場急落で信用取引の追加証拠金(追い証)が発生し、個人投資家が損失を埋めるために保有株を手放していることが背景。
 個人投資家は株安時に買い向かう「逆張り」の傾向が強いが、今回は追加の買いに動けない状況が続いている。
 21日のマザーズ指数は一時、心理的節目の800を下回った。
 終値は2016年2月以来、2年10カ月ぶりの安値に沈む。
 マザーズ指数の年初来の下落率は345に達し、日経平均(11%)を大きく上回る。
 ジャスダック平均も21日は同3%安で、約1年7カ月ぶりの安値をつけた。
 個別銘柄では個人に人気の高かったIT(情報技術)関連株やバイオ株などの下げが鮮明。

・松井証券 <8628> [終値1142円]によると、
 信用取引で買った株式の含み損益示す信用評価損益率は21日時点でマイナス21.6%まで悪化。
 追い証の発生しやすいマイナス20%を超す水準。
 比較的堅調さが目立った新規株式公開(IPO)株も
 「引受証券会社による市場からの株式買い付け(シンジケートカバー取引)で支えきれず、売り圧力が加速している。」

・マティス米国防長官が20日、辞任表明に踏み切ったのは、
 米国の安全保障には「同盟重視」が必須であると考えるマティス氏が、
 孤立主義的な外交・安保政策に一層傾斜していくトランプ大統領をこれ以上支えていくことはできないと判断したため。

・マティス米国防長官による20日の辞任表明は、
 トランプ政権高官や閣僚らにも事前に知らされることのなかった突然の行動で、
 政権内部や議会では「想定外の事態」(議会関係者)として激しい衝動をもって受け止められた。
 マティス氏は、ティラーソン国務長官(3月解任)、マクスター国家安全保障問題担当大統領補佐官(同)、
 ケリー大統領首席補佐官(年末に退任予定)らとともに、
 独断専行が懸念されてきたトランプ氏の政権運営を軌道修正する「良識派」としての役割が期待されていた。



Posted by 占い ザ・ハーミット at 12:56│Comments(0)
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