日経 3月8日
2022年03月08日
2022年3月8日(火)
・米欧がロシアによるウクライナ侵攻産原油の輸入禁止の検討に入り、世界供給が不足するとの懸念が台頭、原油価格高騰。
日本時間7日に原油の国際価格は約13年8カ月ぶりの高値を付けた。
ロシアからの原油が途絶えれば世界需要の4%に相当する規模の不足に陥りかねない。
インフレと景気停滞が併存し、世界経済の成長が減速するリスクが一段と高まっている。
・ロシアは欧州中心に「西側」向けに全体に日量500万バレル程度の石油を輸出。
国際エネルギー機関(IEA)のデータ推計、西側諸国向け輸出が3月から全て途絶えた場合、2022年の平均で日量400万バレル程度の不足。
20年の日本の石油消費(日量330万バレル)を上回る規模になる。
サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)は合計で日量300万バレル以上の増産余力があるが、両国とも追加増産には慎重。
日量150万バレル前後の輸出余力のあるイランは核開発巡る禁輸制裁が解除されていない。
米国の今年の原油生産も日量80万バレル程度の増加にとどまる見通し。
1日にはIEAが加盟国の石油備蓄の放出を決定。
1カ月にわたり日量200万バレル供給を増やせるが、ロシアからの輸出が途絶えれば補いきれない。
・ロンドン市場の北海ブレント原油先物は日本時間7日に一時、前週末比2割高い1バレル139ドル台に急伸。
08年7月の史上最高値(147.5ドル)に接近。投機資金を巻き込んで相場急伸。
原油高が新型コロナウイルス下の供給制約に伴うインフレ圧力に拍車をかける構図だが、景気減速感も強く、
各国中央銀行は金融引き締めの修正を迫られる可能性も。
・7日の東京株式市場で日経平均株価が大幅続落、前週末比764円安の2万5221円と2020年11月以来およそ1年4カ月ぶりの安値となった。
ウクライナ情勢の一段の悪化に伴う原油価格の高騰が日本経済の逆風になるとの見方が広がり、
景気動向に敏感な自動車などの銘柄を中心に売りが膨らんだ。
下げ幅は一時900円を超えた。トヨタ <7203> [終値1845.0円]7%、ファナック <6954> [終値18825円]8%下落。
・世界の航空機リース大手がロシア事業からの撤退を急いでいる。
アイルランドに拠点を置く世界最大手エアキャップが撤退方針を固めたほか、
ロシア向けの航空機リースで海外2位のSMBCアビエーションキャピタルもロシアの航空会社との契約を解除する見通し。
欧州連合(EU)が対ロ制裁として3月末までに契約を打ち切るよう要請したのに伴う措置。
ロシア民間航空機の半数の500機の運航が困難になる見通し。
・新型コロナウイルスに感染すると警鐘でも脳や心臓などに後遺症が出るという報告が相次ぐ。
英大学などは脳のわずかな縮小や認知機能の低下を確認。
オミクロン型での後遺症の調査はこれからでリスクが懸念される。
ワクチン接種や感染対策の徹底が欠かせない。
・ロシア軍は国境に配置していた兵力のほとんどをウクライナ国内に投入し、主要都市の包囲を進めている。
ウクライナ当局によると、ロシア軍は一般市民を巻き込む無差別な攻撃を実行し、死傷者数が増加。
両国は7日に3度目の対話を予定するが、停戦の実現は見通せない。
米欧は劣性のウクライナ軍を支援するため、戦闘機を供与する検討に入った。
・ロシアへの経済制裁を受け、日本企業がロシア駐在社員の帰国に動き始めた。
政府は7日、ロシア全土への渡航中止を勧告し、在留邦人に出国を検討するよう呼びかけ。
トヨタ <7203> [終値1845.0円]駐在員全員に帰国を指示。
KDDI <9433> [終値3781円]帯同家族を含めて帰国決定。
・ウクライナに侵攻したロシアへの金融制裁として、
日米欧など主要国は国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアの銀行を排除すると決めた。
発動でロシアは外国からの送金を受けられなくなり、経済的に干上がらせることができる。
だが、経済制裁の『最終兵器』と呼ばれるSWIFTを使いことで、米国が払う大きな代償がある。
米情報当局の監視の目から、ロシアの国際金融取引が見えなくなり、安全保障インテリジェンスの能力を低下する問題。
・ロシアのウクライナ侵攻に伴い金融政策運営の難度が一段と高まっている。
エネルギー価格が急騰し、物価上昇と景気減速が同時に進む「スタグレーション」の懸念が強まっているため。
欧州中央銀行(ECB)は10日に開く理事会で緩和縮小の前倒しを決めるとみられていたが、大胆には動きにくい情勢。
・日本でも2%の物価上昇が迫りつつある。
ロシアのウクライナ侵攻で原油や穀物がt歴史的な水準まで値上がりしているため。
日銀 <8301> [終値27000円]はインフレが一時的に2%を超えても、
賃上げに伴う安定的な物価上昇を達成するまで金融緩和を続ける構え。
・急激な原油高で景気不安が高まり、世界的な株安の連鎖が起きている。
日本では7日、日経平均株価が1年4カ月ぶりの安値を付け、アジアの株式相場も全面安。
欧州市場も大きく下落して始まる。原油高、車・空運に売り。
・ロシアがウクライナ侵攻を始めた2/24の前後から、小型ジェット機によるロシア出国が相次いでいる。
プーチン大統領を支えていたオリガルヒ(新興財閥)などの富裕層が、国内外の資産保全のために逃避した可能性。
米欧はオリガルヒを対象にした制裁を通じ、プーチン政権の権力基盤の弱体化を狙う。
ロシアを出国する小型ジェット機は2月上旬に1日平均24機だったが、侵攻開始翌日の2/25には1日で60機がロシアを離れた。
・中国のロシア貿易戦争が拡大。
中国税関総署が7日発表した1~2月の貿易統計、対ロ貿易総額は前年同期比38.5%増。
全世界向けの伸び率(15.9%)を大きく上回った。
輸出入とも堅調で、ウクライナへの侵攻前から孤立感を深めていたロシアを中国が経済的に支援していたとの見方もある。
・世界各国・地域の新型コロナ感染者数前日比(死者数)3/7午後4時現在、米ジョンズ・ホプキンズ大まとめ世界全体114.3万人(3951)
米国5665(184)インド4362(66)ブラジル15725(222)フランス45328(32)英国0(0)ロシア78632(729)ドイツ67466(24)
トルコ27671(170)イタリア35889(105)スペイン0(0)アルゼンチン2274(60)イラン5586(201)オランダ66799(4)
・ロシア軍の侵攻受けているウクライナの原子力規制監督局は6日、
東部ハリコフで小型研究用原子炉を持つ「物理技術研究所」が露軍の砲撃を受け、複数の施設が損壊したと発表。
露国防省は「ほぼ全てのウクライナの航空戦力を破壊した」と発表、制空権を確保したと主張。
Posted by 占い ザ・ハーミット at 13:01│Comments(0)