日経 10月18日

日経 10月18日


2022年10月18日(火)

・米中対立の激化やウクライナ危機で世界のサプライチェーン(供給網)が分断されつつある。

 一体化していた供給網が民主主義と権威主義の国家間で引き裂かれ、機能不全が進む。

 日米欧は中国を世界経済から切り離す動きを強めるが、中国を外せば、あらゆる製品のコストが大きく上がる。

 「ゼロチャイナ」なら国内生産53兆円消失、年間国内生産(GDP)の1割に匹敵。

 家電や車など主要80品目で中国から輸入を止め、国産化や他地域からの調達に切り替えた場合、年13兆7000億円のコスト増。

・ホンダ <7267> [終値3275.0円]今夏から極秘プロジェクト。

 中国製の部品を極力使わず乗用車やバイクを造れないか探る供給網の大規模な再編計画。

 ホンダも車の世界販売に占める中国比率が3割強あり、今後も収益の柱にする方針は変わらない。

 中国リスクと正面から向き合うのも、いざという場合への備えを平時から練り上げておくため。

・かつて米中蜜月を前提に設計などは米国で、生産は中国でと「米中分業」で成長してきた米アップルも脱中国に動く。

 アップルはこれまで「iPhone」などほぼ全製品を中国で生産してきたが、最新型のiPhone14をインドで生産する。

 調査会社によれば、インドの生産比率は20年の1%から22年は最大7%にまで高まる見通し。

・市場も中国リスクには敏感。

 QUICKファクトセットで世界の約1万3千社を中国の売上高比率ごとに分類し、平均株価の推移を09年末と比べた。

 中国比率が50~75%未満の企業の株価は足元で09年末より約1割安い。

 25%未満が6割上昇したのとは対照的。

・連戦時は東西の供給網がつながっておらず脱ソ連、脱中国は容易だった。

 現在は原料などの上流から製品組み立ての下流まで中国と密接に絡み合う。

 平時は中国での事業を伸ばしながら有事に備えて中国に頼らない供給網も整える。

 企業そして国家の覚悟が問われる。

・北大西洋条約機構(NATO)は17日、核抑止の演習を始めた。

 米国を含む14カ国が参加し、ウクライナ侵攻で核の脅しを続けるロシアを念頭に高度な核抑止の維持を確認する。

 ロシアも近く核演習を計画しており、緊張が高まる可能性がある。

・三井住友FG <8316> [終値4101円]米マイクロソフトと組み、アジアでフィンテック事業を本格展開する。

 クラウド技術を使い、金融サービスに手を広げたい現地のIT(情報技術)企業に、

 決済や融資といった金融の中核機能を提供する。

 米国の巨大ITプラットフォーマーとアジアの成長市場を取りに行く。

・中国共産党の習近平総書記(国家主席)は16日に開いた第20回党大会で、3期目の政権にらんだ活動報告を読み上げた。

 内容からは自らを毛沢東を超える「革命指導者」に位置付ける思惑がにじむ。

 「武力行使の放棄を約束しない」と台湾統一への強い意志も示した。

 習氏が目指すものが「毛沢東並み」ではなく「毛沢東超え」ならば、世界の混乱はさらに大きなものとなる。

・英国のハント財務相は17日、トラス政権が打ち出した年450億ポンド(約7.5兆円)の

 「大規模減税策のほぼ全てを撤回する」と表明。

 トラス首相への退任圧力も強まっている。

・ローンが組みにくいギガワーカーに対し、大手金融機関やフィンテック企業が新たな金融サービスを始める。

 企業や個人から単発の仕事を請け負うギガワーカーは収入を安定せず、伝統的な金融機関のサービスが利用しにくかった。

 米国で先行するギガワーカー向けの金融サービスが日本でも広がる可能性がある。

・低所得国が借り入れた対外公的債務の支払い額が増え続けている。

 世界銀行によると、2022年の支払額は505億ドル(約7兆5000億円、推計値)と前年比13%増え、過去最高になる見通し。

 世銀のていぎでは、低所得国は1人当たり国民総所得(GNI)が1085ドル(約16万円)以下の国家を指す。

 アフガニスタンやスーダンなど28カ国が該当する。

 こうした低所得国の債務残高は20年時点で1660億ドルと17年比約3割増えた。

・プライベートエクイティ(PE=未公開株)やベンチャーキャピタル(VC)といった

 未公開資産に投資するファンドへの資金流入が減速。

 インフレや金利上昇の影響で高いリターンを得るのが難しくなっているため。

 英調査会社プレキンは2022年のファンドの調達額が前年比9%減ると予想。

 未公開資産は長期では成長が期待されるものの、今後1~2年は厳しい環境が続きそう。

・ロシアの金融市場で、株式・通貨・国債の3資産が下落するトリプル安が起きている。

 ウクライナへの軍事侵攻は部分動員令を敷くほど泥沼化の様相を呈し、孤立深める経済も混迷が長引くとの警戒感が根強い。

 外国投資家の株式売買の制限を続けるなど統制された市場での下値模索は、

 ロシア経済のさらなる悪化に「身内」からも懸念が広がっているさまを映す。

・日本の個人が手掛けるFX(外国為替証拠金)取引の円・ドル売買額が、9月単月として初の1000兆円を超える。

 銀行間の通貨取引に匹敵する水準。日米金利差の拡大により金利差収入が増加しているため。

米アップルが中国半導体大手、長江存儲科技(YMTC)からの「iPhone(アイフォーン)」向けの部品調達計画を保留。

 米国政府が半導体を巡る中国への規制を段階的に強化しており、

 製品のサプライチェーン(供給網)への影響も大きくなっている。

・インドで半導体生産の誘致に向けた動きが進む。米中対立など地政学的変化も追い風に、新たな巨大産業を根付かせる。

 政府が2021年12月に半導体や液晶生産で7600億ルピー(約1兆3千億円)の支援策打ち出し、最近は補助対象の拡大を決定。

・中国国家統計局17日、7-9月の国内総生産(GDP)の公表を延期。

 18日予定していた。理由は明らかにしていない。

 中国経済は停滞局面が長引いている。

 GDPと同時に計画していた9月の工業生産、固定資産投資、不動産開発投資、

 社会消費品小売総額(小売売上高)の発表も日時改める。

 公表を先送りするのは極めて珍しい。

・岸田文雄首相17日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題めぐり、

 宗教法人法に基づき業務や運営に関して報告を求めたり質問する「質問権」行使した調査を行うよう指示。

 結果次第では解散命令の請求につながる可能性も。

・産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)15、16両日、合同世論調査実施。

 岸田文雄内閣支持率は前回調査(9/17、18両日)比、1.4ポイント減40.9%で、

 5カ月連続で下落し、昨年10月の政権発足後最低。

 不支持率は前回比1.9ポイント増、51.9%で、2カ月連続で支持率を上回る。

・イランでマフサ・アミニさん(22)が頭髪を覆うスカーフ「へジャブ」を

 適切に着用していないとして警察に拘束され、不審死遂げたことへの抗議デモ拡大。

 17日で1カ月迎えたデモに伴う混乱で、イスラム教シーア派の政教一致体制の正当性は傷つき、

 崩壊向けて歩み始めたとの見方も。

 治安部隊との衝突で死者は200人超とされる。



Posted by 占い ザ・ハーミット at 12:52│Comments(0)
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