日経 12月22日

日経 12月22日


2022年12月22日(木)

・日銀 <8301> [終値26000円]大規模緩和を修正し、金融市場で一段の利上げを織り込む動きが出始めた。

 金融政策の見通しを反映しやすい2年物の国債利回りが7年ぶりにプラスに浮上、

 来春にはマイナス金利政策が終了との見方も。

 利上げが進めば利払い負担で企業収益が圧迫される一方、預金の金利収入が増え家計にはプラスに働く。

・21日の債券市場で2年物の国債利回りが7年ぶりにプラスになった。

 長期金利の指標となる10年債利回りは0.480%と日銀が20日に広げた0.5%の上限に迫った。

 黒田東彦総裁の任期末が迫り、10年間の異次元緩和の終了を本格的に見据える動きと。

・みずほリサーチ&テクノロジーズによると、長期金利が1%上がった場合、

 借り入れ負担の増加により企業収益が5%下押しされる。

 長期負債が多い運輸・郵便や不動産への影響が大きい。

 利上げで円高・ドル安が進めば自動車などの製造業の利益も減る可能性がある。

 国内総生産(GDP)も0.3%程度下押しされるとする。

 マイナス金利政策による収益悪化に苦しんできた金融機関にはプラスの影響も出そう。

 長期金利が0.25%上昇した場合、大手銀行・大手地銀ともに収益にはプラスに働くと試算も。

 もっとも地銀を中心に保有する国債の含み損が拡大する懸念もある。 

 長期的な資金運用が求められる年金基金は債券の運用利回りが改善するため、運用資産のリスクを下げることができるとも。

・米政府は21日、バイデン大統領が同日にホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー大統領と会談すると発表。

 ロシアがウクライナ侵攻を始めた2/24以降、ゼレンスキー氏が外国を訪れるのは初めて。

 ゼレンスキー氏は、長距離の地対空ミサイル「パトリオット」を含む追加の軍事支援を伝える。

 軍事・経済支援への謝意を示し、超党派による継続を呼びかける見通し。

・ロシアのプーチン大統領は21日、戦略核の強化を進める方針を示した。

 複数の核弾頭を搭載でき、米本土なども攻撃可能な次世代の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマト」について、

 「近い将来に初めて実戦配備される」と述べた。

・サイバー戦争 日本の危機(3) ウクライナ「IT軍」30万人 日本、民間登用の不毛地帯 

 日本政府は高度な技術者に高給は出せない。国会法の規定で年2300万円ほどを超える給与を払えない。

 民間との人材獲得競争で歯が立たない。

 自衛隊のサイバー専門部隊は890人。同様の組織に中国は17万5000人、北朝鮮は7000人を配置する。

 政府は2027年度までに4000人にする計画だが質の高い人材をとれるのか。

 巨大IT企業もない日本は人材が質・量ともに不足する「不毛地帯」だ。

・厚生労働省は21日、新型コロナウイルスの重症化率や致死率の最新値を公表。

 7~8月の感染者のうち重症化した人の割合は60歳未満で0.01%、60~70代は0.26%、80歳以上が1.86%、

 インフルの重症化率は60歳未満が0.03%、60~70代は0.37%、80歳以上は2.17%だった。

 新型コロナの致死率は60~70代が0.18%、80歳以上が1.69%、いずれもインフルの0.19%、1.73%と大きな差はなかった。

 政府が検討する感染症法上の分類見直しの判断材料になる。

 ・東京都は都内で新築する戸建て住宅に対し、2025年4月から太陽光パネル設置を義務付ける。

 脱炭素を実現する目玉政策と位置づけるが、住宅価格上昇や将来の「廃パネル」の大量発生など課題も多い。

 「家に屋根が付いているのが当たり前であるように『屋根が発電するのが当たり前』という機運を醸成していきたい」。

 小池百合子知事は義務化の意義をそう強調。25年度の施行に向けた準備が本格化する。

 義務化の対象は戸建てを販売する住宅メーカーで、供給棟数の多い上位50社程度を想定している。

 都内では年間4万~5万戸の新築戸建てが供給されており、試算では半数強が対象となる。

 「屋根発電」の拡大で都内の発電能力は毎年4万キロワットずつ増強される見通し。

・厚生労働省は21日、マイナンバーカードと健康保険証をひも付けたマイナ保険証を使わず、

 従来の保険証のままの患者負担を引き上げる方針を示した。

・政府のGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議が22日に取りまとめる基本方針案が21日、判明。

 再生可能エネルギーや原子力など「脱炭素効果の高い電源を最大限活用する」と明記。

 原子力発電所の建て替えや運転期間延長も盛り込んだ。

 リスクが高い脱炭素投資に債務保証する仕組みも設ける。

 化石燃料を輸入する石油元売りなどへの賦課金は28年度、電力部門を対象にした排出量取引の排出枠の有償化は33年度に導入へ。

・日銀 <8301> [終値26000円]10年続いた大規模な金融緩和政策の修正に動いた。

 止まらぬ円安に政府の危機感が強まり、政策変更を見越した投機筋の債券売りも膨らむなか、

 10年債利回りの上限金利の引き上げという「事実上の利上げ」に追い込まれた。

 20日の金融政策決定会合後の記者会見。

 これまで金融引き締めにあたるとして上限金利の引き上げに否定的だった黒田氏は、

 今回の決定と過去の発言との整合性を厳しく問われた。

 「期待と違うことが出て裏切られた気持ちという方もいるが、

 市場や経済・物価の動向が変わればそれに応じたことをやるのは当然」と黒田氏は開き直るしかなかった。

・日銀 <8301> [終値26000円]今回の政策変更で金融政策は正常化に向けて一歩踏み出した。

 ある関係者は「黒田氏の決断。退任前の置き土産だ」との見方を示す。

 ただ、緩和からの出口に向けた市場との攻防戦が本格化するのはむしろこれからで、

 来年春に就任する新総裁は重い課題を背負い込むことになる。

・日本政府観光局(JNTO)が21日、11月の訪日客数は93万4500人。

 新型コロナウイルス禍前の2019年同月比で4割弱の水準に戻った。

 国際線の予約は上向きつつあり、ホテルの宿泊料も高騰。

 旺盛なインバウンド消費が国内景気を下支えする一方、深刻化する人手不足への対応などが課題となる。

 11月の訪日客数は10月(約49万人)の約1.9倍で、コロナの影響が出始めた20年2月(約108万人)に迫る規模になった。

・百貨店は三越伊勢丹 <3099> [終値円1331]など大手5社の11月の既存店売上高(速報値)が全社前年同月を上回る。

 免税売上高は19年同月比で5~9割の水準まで回復。

 高級バッグや腕時計などの高額品がけん引し、「12月はコロナ前の実績を超える見込み」(松屋銀座)。

・全日本空輸 <9202> [終値2823.5円]と日本航空 <9201> [終値2673円]は21日、

 2022年度の年末年始の国内線の予約数が21年度比11%増の197万人になったと発表。

 帰省や観光の需要が戻っている。

 新型コロナウイルスの感染拡大前の19年度比で8割強まで回復。

 国際線も4.5倍の27万人に増えたがコロナ前の5割にとどまり回復は遅れている。

・政府は人工知能(AI)を使った画像診断ソフトなどを早期承認する新制度を検討。

 5年前後かかる臨床試験(治験)を省いたり簡略化したりして、開発から1年以内に販売できる仕組みを目指す。

 X線や内視鏡の画像診断支援ソフトなどの開発で、日本は米欧企業に遅れている。

 AIの活用で医療の質を高め、関連産業を育成する。

 医師の診察を手助けするAIのソフトは「プログラム医療機器(SaMD)」と呼ばれる。

 X線画像から疾患が疑われる影や病巣を自動検出したり内視鏡による大腸内の画像から、

 がんなどの病気の有無を予測したりするものがある。

 SaMDの市場規模が2027年に世界で865億ドル(約11兆4000億円)になるとの民間予測もある。

・政府は人工知能(AI)を使った画像診断ソフトなどを早期承認する新制度を検討。

 日本でソフトを販売するには、医薬品や医療機器と同じ医薬品医療機器法に基づく承認手続きが必要で、

 治験や長い審査に5年以上かかることもある。

 内閣府によると国内の承認件数はこれまで30件程度で、米国や中国、韓国と比べると大幅に少ない。

 政府が検討する新制度では、AIを使うソフトは安全性など最低限の審査でいったん販売を認め、

 使用後のデータをみて国が改めて認める「2段階承認制度」をつくる方向。

 企業はまず安全性、有効性に関するデータを集め、国に提出。

 政府は1年以内をめどに承認し、医療保険を使えるようにする。

 AIソフトは医師の診察を補助する位置づけで、診断の質は下がらない。

 早期承認は政府の規制改革推進会議が厚生労働省に検討を求め、共同で調整している。

 早ければ23年度中に詳細を固め、導入する。

 AIソフトが普及すれば、熟練医師のいない地域でも質の高い医療を受けられる可能性がある。

・政府のデジタル臨時行政調査会(臨調)は21日、人による目視や常駐などを義務付ける「アナログ規制」撤廃の工程表をまとめた。

 2024年6月までに法律や政省令の9669条項を改正する。

 それぞれの条項について改定の手続きや時期を示した。

 川やダムの点検は23年3月までにドローンや水中ロボットを活用、従来は河川法に基づき目視が原則だった。

・政府は過去最大の一般会計総額114兆円台となる2023年度予算案の最終調整へ。

 21日の閣僚折衝では、企業の脱炭素を後押しする「GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債」を

 最大1.6兆円発行することで合意。

 社会保障費の伸びを実質4100億円程度とした。23日にも閣議決定する。

 政府は2050年までに温暖化ガスの排出を実質ゼロにする目標をかかげる。

 実現には今後10年で、官民で150兆円以上の脱炭素投資が必要とみる。

 うち20兆円規模は政府支出で企業を支援し、民間投資の呼び水とする。

 財源をGX移行債の発行で調達する。

・原子力規制委員会は21日、原子力発電所の運転期間の延長に対応するための安全規制の制度案の概要を了承。

 稼働から30年目以降、10年以内ごとに認可を繰り返す。

 政府は、11年の東日本大震災による原発事故後に導入した原則40年、最長60年の運転期間の上限を見直す。

・経済産業省は燃やしても二酸化炭素(CO2)を出さない水素やアンモニアの普及に向け、新法を制定する検討へ。

 生産や供給を担う企業に支援策を講じて利用拡大を促す。

 生産過程でもCO2を排出しない水素やアンモニアへの絞り込みを狙った規制の導入も見すえ、化石燃料からの転換を進める。

 2023年度の国会への法案提出をめざす。

・日銀 <8301> [終値26000円]長期金利の変動上限を0.25%から0.5%に引き上げたのに伴い、金融市場では21日も混乱。

 円相場は一時、1ドル=130円58銭と約5カ月ぶりの高水準を付けた。

 日銀の政策修正を「事実上の利上げ」と判断した投資家が円買い、日本国債売りへと動いたことで、マネーの逆流が発生。

 住宅ローン金利への関心も高まっている。

 住宅ローン金利は、長期金利に連動する固定金利が上昇していく可能性がある。

・エネルギーの脱炭素化進める欧州連合(EU)で、リチウムの採掘ブームが起きている。

 リチウムは電気自動車(EV)のバッテリー生産に欠かせず、「白い金」とも呼ばれる。

 EUは自主開発により、中国依存からの脱却を目指している。

 フランス中部の山間地が、欧州で「新たなエルドラド(黄金郷)」として注目浴びている。

 国際エネルギー機関(IEA)、リチウムの世界需要は40年には、20年比約13倍と見込む。

 EUのリチウム需要は50年には30倍とも。域内開発は重要課題となった。



Posted by 占い ザ・ハーミット at 13:14│Comments(0)
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