日経 1月17日

日経 1月17日

2023年1月17日(火)

・政府はスマートフォンアプリで利用する海外ゲームにかかる消費税の徴収を強化する検討に入った。
 米アップルやグーグルなど、取引の間に入るプラットフォーマーに税を納める義務を課す方向。
 海外のゲーム会社は中小企業も多く、日本のユーザーから預かる消費税が日本の税務当局に納付されないケースがある。
 国境を越えた徴税の適正化を進める。

・消費税の税率や税額を請求書に正確に記載・保存するために10月に導入するインボイス制度を巡り、
 政府は事業者登録の受け付けを事実上延長する方針。
 制度開始に間に合わせるには原則3月末までに申請する必要があったが、未登録の事業者が残っており、
 事情を問わず9月末まで受け付ける。
 制度の円滑な導入につなげる。
 22年12月末時点の登録率は法人が75%、個人は34%にとどまっている。

・インボイス制度では企業などが取引をするときに、原則として「適格請求書」と呼ばれる書類を使う。
 消費税が8%と10%の複数税率となったことで、納める消費税から自社で支払った分を差し引く際に必要になった。
 国税電子申告・納税システム「e-Tax」から手続きすると3週間ほどで通知書が届く。
 仮に9月末に申請した場合、登録番号の取得は制度開始に間に合わない。
 さかのぼって取引先に番号を知らせるなどの対応をとってもらう。
 国税庁は「余裕を持って早めに対応してほしい」と呼びかける。
 納税を免除されてきた売上高1000万円以下の事業者がインボイスを発行する課税事業者になる場合、
 納税額を売上時に受け取る消費税の2割に抑える特例を設けるといった負担軽減措置なども10月に導入する。

・エーザイ <4523> [終値8270円]16日、米バイオジェンと共同開発するアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、
 厚生労働省所管の医薬品医療機器総合機構(PMDA)に承認を申請したと発表。
 米国、欧州に続く申請。エーザイは2023年中の承認を目指している。
 バイオジェンは欧米の工場でレカネマブを量産する計画で、早期に欧米やアジアなど世界へ供給する考え。

・レカネマブは認知障害が出始めた早期のアルツハイマー病患者の症状の悪化をゆるやかにする。
 病気の原因物質の一つとされるたんぱく質「アミロイドベータ」を脳内から除去する仕組みで、
 まず米国で迅速承認を取得。「レケンビ」の製品名で月内に販売する。
 米国では有効性のデータを加えた正式承認も申請している。
 レカネマブはエーザイ <4523> [終値8270円]主導で開発した薬だが、生産はバイオジェンが担う。
 バイオジェンがスイスに建設した新工場でまず薬の原料を生産し、その後に米ノースカロライナ州の工場に運び製剤化する。

・日銀 <8301> [終値25980円]16日発表した2022年の企業物価指数(速報値)114.7と前年比9.7%上昇。
 年間ベースの伸びは比較可能な1981年以来で最高。
 円安や資源高の一服で12月は10.2%上昇と前月比の伸び(0.5%)は鈍りつつあるものの、
 消費者物価指数(CPI)との開きは大きい。
 当面は物価上昇圧力が続きそう。

・22年の上昇品目をみると、電力・都市ガス・水道(36.0%)や鉱産物(27.3%)が全体を押し上げる。
 為替や資源価格の影響を受けやすい鉄鋼(26.7%)や石油・石炭製品(18.0%)、
 非鉄金属(15.2%)以外にも飲食料品(5.6%)や繊維製品(4.0%)など消費者に近い川下で値上げが広がる。
 日銀 <8301> [終値25980円「輸入物価の上昇を主因とした川上の上昇が、川中、川下へと転嫁されている」と分析する。
 足元では円安と資源高の影響は和らいでいる。

・日銀 <8301> [終値25980円]16日、2兆1148億円の国債を買い入れた。
 17~18日に開く金融政策決定会合で政策を再び修正するとの観測から国債が売られ、
 長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは一時0.51%まで上昇(債券価格は下落)。
 日銀が上限とする「0.5%程度」を2営業日連続で上回った。
 日銀と市場の攻防は激しさを増している。

・トヨタ <7203> [終値1817.5円]16日、2023年に自動車の世界生産を最大で1060万台とする方針を発表。
 半導体不足や新型コロナウイルスの感染拡大による影響が不透明なことから、「1060万台は現時点での上限」とする目安と位置づけ、
 1割程度下振れするリスクにも触れた。
 前年の同時期に部品メーカーに伝えた22年度(23年3月期)の当初計画値(1100万台)を下回るペース。
 生産を増やし受注残の削減を目指す。
 国内外合わせて単純計算で毎月の生産台数は80万台超。
 直近でデータのある22年11月は83万台を生産しており、23年には大幅な減産は見込んでいないもよう。
 同社は20年度に818万台、21年度には856万台を世界で生産。これまでの過去最高は16年度の907万台。

・宇宙開発、黄金期へ2 「10万ドルで火星へ」
 米国テキサス州、メキシコとの国境の街ブラウンズビルで火星を目指す壮大な試みが進む。
 スペースXは14年、ボカチカに宇宙基地を建設すると発表。
 創業者のイーロン・マスクは2050年までに火星に100万人が移住する構想を掲げ「スターシップ」と呼ぶ大型ロケットを開発。
 マスクは隕石(いんせき)の衝突といった地球に人類が住めなくなる事態を想定し、地球以外の惑星にも「街」が必要だと主張。
 スペースXは常識を破る「再利用できるロケット」を開発し、打ち上げ費用の価格破壊を起こした。
 米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士も同社のロケットを使う。
 企業価値は約1400億ドルともいわれる。
 NASA長官のビル・ネルソンは同社の火星計画について「技術開発で企業も役割を担う」と一目を置く。
 誰もができないと思うことをやり遂げてきたのがマスクだ。

・ロシア軍がウクライナ東部の要衝バフムトの制圧を急いでいる。
 動員兵や民間軍事会社の精鋭など多数の兵員を投入しており、
 ロシア国防省はバフムト制圧のカギとなる近郊のソレダルを制圧したと発表。
 第2次大戦後で最悪の地上戦ともされるバフムト周辺の戦闘からは、
 インフラへの攻撃に傾斜してきたロシア軍の戦略の変化が見て取れる。
 「肯定的に推移している。すべて国防省と参謀本部の計画通りだ」。
 ロシアのプーチン大統領は15日放映の国営テレビのインタビューで、ソレダル制圧などの成果を誇ってみせた。

・新型コロナウイルス感染者の国内初確認から3年が経過した。
 当初は緊急事態宣言など厳しい行動制限が続いたが、感染対策と社会経済活動の正常化の両立を目指す方針にかじを切った。
 コロナとの共存にはさらなる医療体制の整備が欠かせない。

・政府はマイナンバーを給付金支給などに迅速に活用できるよう手続きを簡素にする。
 新たな使途を追加する場合、個々に法改正が必要な現状を政省令で対処できるよう改める。
 23日に召集される通常国会に出す方針の改正案に盛り込み、マイナンバーの活用の幅を広げやすくする。

・政府は新たな防衛力整備計画で10年後に全ての自衛隊施設で防護性能や耐震基準を満たす方針を打ち出した。
 防衛省によると全国の自衛隊施設の8割近くはミサイルへの防護性能が不十分。
 全体の4割の施設は現行の耐震基準を満たしていない。

・Next World 初回はファーストリテイリング <9983> [終値72050円]の柳井正会長兼社長。
 「世界の分断が始まる」と言っている人が多い。僕は反対に世界が本当につながっていくと考えている。
 世界のあらゆる事件が即座に日本や個人に関係してくる。今までなかったことだ。
 新型コロナウイルスが感染拡大したときも毎日、テレビ会議で人に会っていた。
 今は海外の人の来日が解禁されたことで、どんどん取引先が日本に来ている。僕らも海外に行っている。
 コロナをきっかけに、人と人がつながる意義を考えられるようになった。
 日本の経営者には「日本という一つの国だけに閉じてビジネスを考えるな」と伝えたい。
 当社は米ニューヨークで「世界本部」の機能を強化していく。
 欧米のビジネスが軌道に乗り始めたことで、日本からの遠隔操作ではビジネスができないと考えたためだ。
 日本は米中の間にいて、どっちの味方だと言われても、両方とも味方だとしかいえない。
 敵をつくってはいけない。敵をつくる行為はやめてもらいたい。
 今こそ「世界大移動」を目指す。事業を通じて世界中のピンチをチャンスに変えていく。

・防衛費増額の財源を巡る自民党の特命委員会が16日に始まった。
 歳出改革や税外収入など増税以外の財源を模索する。
 国債の「60年償還ルール」見直しで財源を捻出すべきだとの案も浮上。
 償還期間を延長・廃止しても、浮いた国債費を防衛費に使えば借金は膨らむ。
 借金返済の担保が消えれば、市場の信認を失う恐れもある。

・三菱UFJFG <8306> [終値949.0円]人工知能(AI)を使ったスタートアップへの融資を国内でも始める。
 亀澤宏規社長がアジアで評価を得たファンドを逆輸入する考えを示した。
 過去の実績では融資が難しくても、データから成長性を評価できれば赤字の新興企業にも資金供給しやすくなる。
 日本の課題であるスタートアップの育成を融資で支援する。

・外貨両替大手の英トラベレックスは2024年末までに、日本国内の店舗数を100店舗と現在より4割増やす。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で20年以降に一部閉店したが、旅行需要の拡大を見据えて店舗網を広げる。
 カードや電子マネー決済は世界的に拡大しているものの、海外旅行における現金の需要は依然強いとみる。
 トラベレックスは世界で約1100店舗を運営。
 英国内が約半分を占め、オーストラリアやニュージーランド、中東にも出店している。
 アジア全体の店舗数は約130で、うち半分強の70が日本国内にある。
 日本では空港や駅のほか、商業施設や地方銀行の店舗などへの出店を検討。
 25年には国際博覧会(大阪・関西万博)が予定されている。

・仮想空間(メタバース)上の土地に投資するファンドを設立する動きが出てきた。
 投資会社のインテリジェンスクリエイターズ(東京・港)は機関投資家の資金を集め、2023年前半に運用を始める。
 1兆ドル(約130兆円)といわれるメタバース市場には世界の大企業が相次ぎ参入。
 メタバース空間での商業施設の開発や広告スペースの提供で運用利回りを高める。
 暗号資産(仮想通貨)に投資したり、次世代インターネットであるWEB(ウェブ)3企業の
 トークンに投資したりするファンドは世界で増えている。
 ただ、メタバース上の不動産やアバターに着せるウエアラブル形態の非代替性トークン(NFT)に絞って投資するファンドは珍しい。

・SBIリーシングサービス <5834> [終値2907円]は1月中旬に仏蘭航空大手エールフランスKLMと航空機リース契約。
 同契約を裏付けに計200億円規模の金融商品を組成し、小口に分けて私募形式で中小企業に販売する。
 座席数の多い「A220-300」型の5機前後をエールフランスから買い取り、エールフランスに機体を貸し出してリース料を得る。
 機体は今後も増やし、欧州域内で飛ばす。

・航海開始から15年超経過した老齢の原油タンカーの取引価格が高騰。
 船齢15年の船は1月上旬に前年同期比2.6倍となった。
 タンカー運賃の上昇に伴い船価が上がっていることに加え、
 欧米の制裁を受けたロシア産原油を輸送する「影の船団」の影響との指摘もある。
 制裁の効果をそいだり、輸送の安全が危険にさらされたりする懸念が浮上している。
 一般的にタンカーの寿命は20年程度とされ、通常ならスクラップ(解撤)されるはずの船まで買い取られている状況だ。
 背景にはウクライナ侵攻による制裁対象のロシア産原油を輸送するため組織されている
 「影の船団」の影響があると船舶・海運会社の間で指摘されている。
 欧州連合(EU)や主要7カ国(G7)は2022年12月、価格上限を上回るロシア産原油の禁輸や船舶保険の停止という措置を発効した。
 侵攻後、ロシア産を輸送する西側諸国の大手海運会社はほとんどいなくなった。
 代わりに非上場の小規模な海運会社などが隠れて輸送するために中古船を買い集めているとの見方が広がる。
 ロシアの港に入れない大型のVLCCも、海上で中型船から原油を移し替えて輸送するために使われているとの指摘もある。

・中国の通貨、人民元が反転上昇している。16日は対ドルで半年ぶり高値を付けた。
 米国の利上げペースが鈍化し、米中金利差が縮小しているためだ。
 外国人による中国のリスク資産への投資意欲の回復も人民元高を後押しする。
 1994年以来の年間下落率だった2022年から一転し、23年は先高観が強まっている。

・投機筋による円売りが縮小している。
 米商品先物取引委員会(CFTC)の10日時点のデータによると、
 投機筋の売買動向を映す「非商業部門」のドルに対する円の売越額は4422億円と約5カ月ぶりの低水準となった。
 日銀が金融政策を追加で修正するとの見方が広がり、円の売り持ちを縮小する動きがみられた。
 売越額は、円安圧力が強まった2022年10月後半の3分の1程度に縮小。
 ドル安の影響も大きい。
 米国では昨年12月の米雇用統計で平均時給の伸びが市場予想を下回るなど、インフレ圧力に鈍化の兆しがみられる。

・日銀 <8301> [終値25900円]16日、2022年12月の国内企業物価指数(2年平均・速報)前年同月比10.2%上昇、119.5に。
 エネルギーや原材料の輸入価格高騰が響き、22カ月連続で前年上回る。
 22年の年間ベース前年比9.7%上昇の114.7となり、伸び率は比較可能な1981年以降で過去最大。

・週明けの16日の国債市場で、長期金利が一時、「0.5%程度」を2営業日連続で越えた。
 日銀 <8301> [終値25900円]が近く大規模な金融緩和策を再修正するとの思惑から、
 投機筋による日本国債売りが強まり、金利上昇圧力がかかっている。

・自民党菅義偉前首相が岸田文雄首相への苦言を繰り返している。
 自身が政権運営に苦しんだ経験から表立った批判は控えてきたが、
 昨年12月に首相が防衛力強化の財源の一部として増税表明契機に姿勢が変わった。
 今後も政権に問題点があれば発言を続ける意向で、党内では「宣戦布告」との憶測も。

・抗原性鳥インフルエンザの全国的な感染拡大で、国内の養鶏業者の倒産拡大が懸念。
 ロシアによるウクライナ侵攻や円安で鶏卵生産コストの約6割を占める飼料価格は高騰、
 鶏卵の小売価格は高止まりしているが、コスト上昇分が小売価格に十分転嫁されない状況も。



Posted by 占い ザ・ハーミット at 13:26│Comments(0)
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