日経 2月1日

日経 2月1日

2023年2月1日(水) 

・食品の店頭価格上昇が鮮明に。
 2022年12月は主要な食品60品目のうち6割の品目で前年同月比の上昇率が5%超。
 原材料高などコスト上昇分の食品メーカーの価格転嫁は36%程度にとどまるという調査もあり、今後も値上げが続く可能性も。
 消費者の節約志向が高まるなか、賃上げが価格転嫁の動向を左右しそう。

・みずほリサーチ&テクノロジーズの試算、
 食品価格や光熱費の上昇により家計の負担は2022年度に21年度比約9万6000円、23年度に22年度比約5万円増える見通し。
 厚生労働省によると、22年11月の実質賃金は前年同月比2.5%減。
 物価上昇に見合う賃上げが実現できるかどうかが今後の焦点となる。

・世界経済への悲観が薄らいでいる。
 国際通貨基金(IMF)は30日(日本時間31日)、2023年の成長率予測を2.9%と3カ月前より0.2ポイント引き上げた。
 物価高の鈍化や中国経済の正常化への期待がある。
 戦争の激化や中国の需要回復でインフレ圧力が再燃するリスクはくすぶる。

・国際通貨基金(IMF)の今回の世界経済見通しは下振れの懸念が大きいとみている。
 例えば「戦争の激化」がリスク要因。
 中国についても「大都市圏以外では(コロナの)免疫レベルが低く、病院の収容能力が不十分」と指摘。
 こうした不安を挙げつつ成長率見通しは「底打ち」と表現。
 23年の予測は22年1月時点で3.8%だった。
 翌月のウクライナ侵攻後は3回連続の下方修正で22年10月に2.7%としていた。
 今回はウクライナ危機下で初の上方修正となる。
 主要国・地域がそろって深い景気後退に陥るような最悪のシナリオはひとまず遠のきつつある。
 それでも分断の火種を抱える世界経済の綱渡りが続くことは変わらない。

・岸田文雄首相は31日の衆院予算委員会で、
 少子化対策の一環として結婚を控えた若いカップルや子育て世帯への住宅支援を拡充する意向を示す。
 「思い切った支援が必要だ。子ども・子育て政策の一つとして住宅は重要な視点だ」と述べた。

・日産自 <7201> [終値463.3円]と仏ルノーは15%ずつを出資する新たな日仏連合を始動する。
 両社トップを務めたカルロス・ゴーン被告が去った後の経営混乱や、
 新型コロナウイルス禍対応で苦戦し世界販売は4位に落ちた。
 連合で電気自動車(EV)の競争力を上げ、インドをはじめ新興国や欧州に新戦略で挑む考えだが壁は高い。
 3つの壁「財務」「EV競争力」「新興国戦略」克服に挑む。
 調査会社のS&Pグローバルモビリティの西本真敏氏は「EVシフトを背景に規模を追う時代は終わりつつある。
 日仏連合にもソフトや関連サービス開発で利益を出す体質づくりが一層求められている」と指摘する。

・関東地方を中心に各地で相次ぐ広域強盗事件に絡み、フィリピンで拘束されている「ルフィ」とみられる人物は、
 マニラの入国管理施設からスマートフォンで日本の実行役に強盗を指示していた疑いがある。
 同国の携帯電話はほとんどがプリペイド式で、最近まで個人情報を登録せずに利用できた。
 匿名性が高く、国際犯罪の温床になっているとの指摘がある。
 通信の業界団体GSMAによると、21年2月時点で世界の8割の国がプリペイド式SIMカードに個人情報登録を義務付けている。
 遅れていたフィリピンでも昨年12月に個人情報の登録義務が始まった。
 ただ、11/28時点の登録件数は全体の16%にとどまる。
 23年4月末までに登録しなければSIMカードが無効になる。

・トヨタ <7203> [終値1896.5円]労働組合は31日、2023年の春季労使交渉の執行部要求案を決めた。
 総合職にあたる「事技職、主任職」では標準的な考課で月5860円の賃上げを求める。
 前年と比べて960円上乗せ、物価高に対応し、ベースアップ(ベア)を要求することも3年ぶりに明らかにした。

・迫真 インバウンド第2幕(2) 1泊110万円でも売れる
 木造復元天守に泊まる「キャッスルステイ(城泊)」で、宿泊料は1組1泊110万円からと高い。
 それでも3~6月は11組の予約が入り、うち2組はインバウンド(訪日外国人)。
 桜の季節にはキャンセル待ちも発生。
 これまでの訪日客需要は日本の安い物価からくる「お得感」に支えられてきた。
 賃金の上がらない日本人にとっては高額に見えるものでも、値段に見合う価値があると認めれば購入する訪日客は一定程度いる。
 そんな「高いニッポン」のニーズに対応する動きが出てきた。
 「安いニッポン」と「高いニッポン」。ふたつのニーズをどうつかむかの知恵比べが始まった。

・人手不足が日本経済の回復の壁になっている。
 2022年の就業者数は新型コロナウイルス禍前の19年の水準に戻らなかった。
 人口減少や高齢化の加速が響いている。
 補助金で雇用を守るコロナ対策が成長産業への労働移動を妨げてきたとの指摘もある。
 潜在的な労働力の有効活用に向けた政策転換が急がれる。

・総務省が31日発表した労働力調査によると、22年平均の就業者数は6723万人と前年から10万人増にとどまった。
 コロナ前の19年に比べると、なお27万人少ない。
 足元で就業者数が伸びているのは一部の分野に限られる。
 たとえば医療・福祉は22年平均で908万人とコロナ前より7%増。
 こうした産業は女性の働き手が多い。全産業の就業者数も女性に限れば3024万人と比較可能な1953年以降で最多になっている。
 今後はより幅広い分野で多様な働き手が活躍できる環境を整えていく必要がある。
 企業と働き手の双方のニーズを考慮したリスキリング(学び直し)、マッチング支援などが重要な課題になる。

・2022年10-12月期の日本経済は2四半期ぶりのプラス成長になったとみられる。
 日本経済新聞がエコノミスト10人に実質国内総生産(GDP)の予測を聞いた。
 全員がプラス成長を見込んでおり、回答は1.0%増~4.1%増と幅があった。
 10-12月期に米国は2.9%のプラス成長だった。
 中国は感染の厳格な封じ込めを狙うゼロコロナ政策が尾を引いてゼロ成長にとどまり、
 ユーロ圏も低迷するなど、国・地域によって明暗が分かれた。
 今後の国内景気について「内需は堅調に推移する一方、海外経済の減速で輸出は減少に転じる見込み」との声が聞かれる。

・中国やトルコなどの中央銀行が金(ゴールド)を大量購入している。
 2022年の純購入量は55年ぶりの高水準となった。
 ウクライナ侵攻後の経済制裁でロシアが保有する米ドルは凍結され、
 各国で制裁下でも融通が利きやすい金へのシフトが活発になったとみられる。
 中国が人民元建てでの原油輸入を増やすなど貿易や金融取引でもドル離れの動きがあり、
 基軸通貨ドルの影響力が少しずつ弱まっている。
 「中銀の金買いは、ドル一強の世界を揺るがす兆候といえる」と指摘も。
 各国がドルへの依存度を減らせば、「有事」の際に欧米による金融制裁の効果が薄れることになる。

・政府による電気・都市ガス料金の負担軽減策が始まり、2/1以降、実際の値引き額が各家庭で確認できるようになる。
 政府の対策により、家庭向けの電気代は1月使用分の料金から1キロワット時あたり7円値引きされる。
 1月分の料金は2月の検針で確定する。小売り各社は検針票や請求書を通じて値引き額を示す。

・岸田文雄首相は31日、首相官邸で北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長と会談。
 ロシアによるウクライナ侵攻を踏まえ、軍事力にサイバー攻撃や偽情報流布などを組み合わせた
 「ハイブリッド戦」への対応で協力すると確認した。
 岸田氏は22年6月のNATO首脳会議に日本の首相として初めて出席し、NATOとの関係を深めてきた。
 5月に広島で開く主要7カ国首脳会議(G7サミット)に向け、関係国・地域と考え方を擦り合わせる。

・政府の少子化対策を巡り子どもが多い世帯ほど所得税負担が軽減する「N分N乗」方式への言及が国会で相次いでいる。
 自民党の茂木敏充幹事長が25日の衆院本会議で紹介。
 日本維新の会や国民民主党が導入を訴える一方で課題もある。
 N分N乗方式は先進国の中で出生率が高いフランスが導入、茂木氏は「画期的な税制だ」と指摘した。

・「N分N乗」方式 フランスが1946年に導入。
 家族の所得を合算し家族構成に応じた除数Nで割って1人当たり所得を算出する。
 これに税率をかけた1人当たりの税額をN倍して世帯の税額を得る。
 累進税率の所得税では所得を分割した方が適用する税率は低くなる。
 子どもの数が多いほどより低い税率が適用され、税額も少なくなる。
 子どもを多く持つインセンティブ(動機づけ)になるとされる。
 フランスの場合、大人を1、子どもを0.5(第3子以降は1)として世帯の人数を計算。
 例えば夫婦と子ども2人の4人家族の場合、世帯所得を3で割った額が課税対象になり、
 個人の所得に課税する場合より低い税率が適用される。

・政府は31日、サイバー防衛の抜本的強化に向けた新たな組織を内閣官房に立ち上げた。
 防衛省や外務省など各省庁の出向者45人で構成。
 不審なアクセスなどの攻撃元を探知して事前にたたく「能動的サイバー防御」の導入に必要な法整備を進める。
 サイバー安全保障体制整備準備室を新設、小柳誠二内閣審議官が室長を務める。

・政府は31日、放置された空き家の活用促進策をまとめた。
 窓や壁の一部が壊れているといった管理不全の空き家を対象に税優遇を見直す。
 自治体からの改善勧告に対応しない場合に、住宅の固定資産税を減らす特例から外す。
 中心市街地などに限定して建築規制も緩和する。
 高齢化で住宅の相続が増えることを見据え、所有者に適切な管理や活用を求める。
 管理強化や優遇見直しで危険な空き家をへらしつつ、中古住宅市場の活性化で空き家を生かす対応が重要になる。
 
・欧州連合(EU)統計局が31日発表した2022年10-12月期のユーロ圏の実質域内総生産(GDP)速報値は前期比0.1%増。
 成長率は年率換算で0.5%と、インフレの加速や利上げが重荷で前期の1.2%から鈍化。
 市場はマイナス成長を予想していた。
 各国が家計支援などの財政措置に動いたことで転落を回避した。

・老朽化が深刻な高速道路の更新・修繕費用が膨らんでいる。
 東日本高速道路(NEXCO東日本)などNEXCO3社は31日、橋梁などの更新にかかる追加費用が約1兆円になると発表。
 首都高速・阪神高速を含め約1.5兆円が新たに必要になる。
 政府は財源確保のため有料期間を最長50年延長する方針だが、利用者負担の増大に丁寧な説明が求められる。

・経済産業省は31日、再生可能エネルギーの普及を後押しする固定価格買い取り制度(FIT)に
 2024年度から新しい区分を設けると明らかにした。
 企業が工場や倉庫の屋根に置いた太陽光発電パネルでつくる電気を1キロワット時あたり12円で買い取る。
 足元の電気代が高騰する中、平地より2~3割ほど高くして企業の導入意欲を高める。

・内閣府31日、1月の消費動向調査、消費者心理をあらわす消費者態度指数は2カ月連続で改善し31.0に。
 2022年12月から0.7ポイント上昇した。
 調査期間は1/7~20日。
 内閣府は消費者心理の基調判断を「弱い動きがみられる」と、前月までの「弱まっている」から上方修正。
 新型コロナウイルス禍から社会経済活動の正常化が進んでいるとの観測から消費者マインドが改善した。

・全国の地方銀行が行員の離職防止対策に乗り出している。
 地銀では人口減少や低金利の長期化などで経営環境が厳しいうえ、年功序列色の強い組織体制を背景に離職が増えている。
 優秀な人材の獲得へ転換を急ぐ。
 金融庁も地銀の人的資本について初の調査に乗り出した。
 人口減少や高齢化という問題を抱え、地銀の経営環境は不確実性が高い。
 人的資本の重要性を捉え、環境変化に対応できる機動的な組織になれるか。試行錯誤が始まっている。

・大手行が31日公表した2月の住宅ローン基準金利は、
 三菱UFJ銀行 <8306> [終値952.7円]とりそな銀行 <8308> [終値718.2円]が10年固定型で
 それぞれ前月比0.1%、0.06%の引き上げとなった。
 変動金利はそろって2.475%に据え置いた。
 日銀 <8301> [終値25500円]が2022年末に政策修正に動いたことで長期金利が上昇し、固定型は高水準が続く。
 返済負担の増加を警戒し、審査を厳しくする動きも出てきた。

・銀行を取り巻く環境が急激に変わっている。
 海外では急激なインフレに加え、地政学リスクにも注意を払わなくてはならなくなった。
 国内では日銀の金融政策の先行きに不透明感が増しているほか、デジタル化への対応などの課題もある。
 三井住友フィナンシャルグループ(FG) <8316> [終値5652円]の太田純社長
 世界の分断化を「構造的な変化」と分析し、地政学リスクなどに一層注意を払うと述べた。
 一方、「成長のドライバーが海外であることは確か」として、海外投資や事業拡大を続ける方針を明らかにした。
 融資の伸びが寄与し、22年4-12月期は最高益を更新。
 ただ海外経済や日銀の政策など先行き不透明感は強い。
 これまで以上に、環境変化に左右されづらい収益構造づくりが求められる。

・バイデン米政権1/30、新型コロナウイルス対策を迅速化するために宣言されている
 「国家非常事態」よ「公衆衛生上の非常事態」を5/11に解除すると議会に通知。
 経済・社会活動の正常化が進む中、政策面でもコロナ以前への回帰を進める転換点となる。

・厚生労働省31日、2022年平均有効求人倍率は前年比0.15ポイント上昇の1.28倍となり、4年ぶりに改善。
 コロナ禍で2020年平均は1.18倍まで落ち込み、21年は1.13倍。
 改善の背景は「感染拡大で苦境に立った宿泊業、飲食サービス業中心に持ち直しの動きが目立った」との分析。



Posted by 占い ザ・ハーミット at 13:24│Comments(0)
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