日経 3月20日
2023年03月20日
2023年3月20日(月)
・スイスの金融機関最大手UBSは同2位のクレディ・スイス・グループを買収する。
スイス政府とUBS、クレディ・スイスが19日発表した。
米シリコンバレーバンク(SVB)の破綻で金融システム不安が高まって
経営不振のクレディ・スイスの株価が急落し、預金や預かり資産の流出も加速していた。
SVB破綻から始まった市場の動揺は、
2000年代後半の金融危機以来となる世界的金融機関の再編に発展した。
買収交渉は市場の混乱に歯止めをかけるため、
月曜日に取引が始まる前の合意を目指して進められた。
主要市場で一番早く取引が始まる日本を含め、投資家の反応が次の焦点となる。
・日本経済新聞社が19日まとめた2024年春入社の新卒採用計画調査(1次集計)で、
大卒の採用計画は23年春の実績見込みと比べて21.6%増となった。
伸び率は2000年以降では景気拡大期だった06年(23.9%)に次いで高い。
新型コロナウイルス禍からの経済再開に加え、構造的な人手不足が重なり、企業の採用意欲は強い。
一方、世界景気の不透明感はリスク要因になる。
・経営不振が続くスイスの金融大手クレディ・スイス・グループの救済に向けて、
同じスイスの金融大手UBSが買収交渉に入った。
19日中の合意を目指して協議は大詰めを迎えた。
買収額などの条件を巡って綱引きが続いているもよう。
買収交渉が合意に至らない場合、
スイス政府がクレディ・スイスの国有化に踏み切る可能性も浮上している。
・ESG(環境・社会・企業統治)を重視する投資信託の新規設定が世界で急減。
年初からの設定本数は1年前の2割にとどまり、6年半ぶりに低いペース。
ESGを打ち出しながら内実の異なる「ウオッシュ」に対して規制強化が進んだ影響が大きい。
ファンドの乱立に歯止めがかかったものの、投信の質の向上はなお道半ば。
・迫真 満額ラッシュの裏側1 大幅賃上げ「恐怖に近い」
経団連が7月に開いた経済課題を討議する「軽井沢会合」。
首相の岸田文雄は「賃上げは次の成長への投資であり、企業の社会的責任だ」と強調。
ずらりと並んだ経団連幹部の面前で「3%以上の賃上げを実現してもらいたい」と訴えた。
「この時期に賃上げ要請とは。してやられた」。
22年の大手企業の賃上げ率2.27%を上回る賃上げを交渉が始まる半年以上前に首相自らが声高に求めた。
持続的な賃上げには成長が欠かせない。
成長を実現できる企業とそうでない企業の落差が表れてくるのはこれから。
満額ラッシュの先にある宿題は重い。
・岸田文雄首相は19日、インドを訪問するため政府専用機で羽田空港を出発した。
モディ首相と会談し、グローバルサウスと呼ばれる世界の途上国と安全保障や経済面で協力する方策を協議する。
インドを巻き込み、途上国への影響力拡大に動く中国やロシアに対応する狙いがある。
・防衛省は19日、北朝鮮が午前11時5分ごろ同国の西岸付近から日本海に向けて弾道ミサイル1発を発射したと発表。
日本の排他的経済水域(EEZ)の外側に落下したと推定した。
北朝鮮による弾道ミサイル発射は16日以来で、2023年に入って7回目となった。
・地球温暖化対策にあたって先進国が示す温暖化ガスの排出量の推計に異論が出ている。
民間が人工衛星などで解析したところ、例えば米国で化石燃料を生産・輸送する時の排出量は、
これまでの推計値よりもドイツ全体を超える規模で多かった。
20日に気候変動に関する報告書を発表する国連などの公的機関も、
新たな手法を参考にしながら推計方法を見直していく可能性がある。
気候変動に関する国際枠組み「パリ協定」の目標達成には、
今世紀の半ばまでに温暖化ガスの排出を実質ゼロにする必要がある。
排出量を正確に把握しなければ達成の道筋は描けない。
・デジタル技術を使った本人確認を企業が導入する際のガイドラインを、
NTTドコモ <9432> [終値4006円]などが参加する民間団体が主導して整備する。
通信販売やカーシェアリングなど、法令で定めのない事業者を念頭に
本人確認の手法や注意点を示し、安全性やコストを踏まえた最適な技術の活用を促す。
デジタル庁と連携して業界横断の指針を策定し、近く公表する。
作成に携わったのは民間団体のOpenIDファウンデーション・ジャパン。
本人確認サービスを手がけるトラストドック(東京・千代田)が旗振り役となり、
ドコモやソフトバンク <9434> [終値1548.5円]、JCBなどが参画、
オブザーバーとしてデジタル庁が議論に参加した。
・中国政府は2023年に過去最大の財政赤字を計上する。
少子高齢化で社会保障費の膨張が続き、赤字は3年ぶりに前年を上回る。
地方財政は不動産関連の歳入が伸び悩むが、景気テコ入れへインフラ債の発行枠は過去最大に膨らむ。
人口流出などで経済が停滞した地域では将来の破綻リスクが高まりかねない。
・タイのプラユット政権が5月に実施される予定の総選挙前に実績のかさ上げに腐心している。
3月に開いた閣議の検討案件は前月から2倍近くに増え、
農家支援や低所得者向けの金融支援などを相次ぎ決めた。
アピール材料を増やし、選挙戦を有利に進めたい考え。
・日本経済新聞社がまとめた2024年春入社の新卒採用計画調査(1次集計)では、
空運や建設など非製造業で大卒採用を拡大する動きが目立つ。
観光需要の回復や、採用が多かった世代の働き手の定年退職などを見据え、人材確保を進める。
23年春入社の採用活動で計画人数を満たせなかった企業も多く、獲得競争が一段と激しくなる。
非製造業の24年春の大卒採用計画人数の増加率は前年実績比で23.5%増と、製造業(16.9%増)を上回る。
なかでも訪日外国人の減少などで採用を絞っていた空運の人材獲得意欲は高い。
・スカイマーク <9204> [終値1243円]24年の大卒採用を4.5倍の約100人に。
大卒や大学院修了見込み者を対象にした客室乗務員の採用を4年ぶりに再開する。
エイチ・アイ・エス <9603> [終値1990円]大卒の人数は出していないが、新卒全体で約420人採用する計画。
23年の2人から一気に増やし、コロナ下の苦境からの反転攻勢を狙う。
「かっぱ寿司」などを展開するコロワイドグループ <7616> [終値1970円]47.1%増の約150人、
「とんかつ新宿さぼてん」を運営するグリーンハウス(東京・新宿)は52.3%増の670人をそれぞれ採用する計画。
大林組 <1802> [終値996円]26.9%増の424人を計画。
1989~93年に入社した従業員が、2030年以降に65歳を迎えて退職することに備える。
長谷工グループ <1808> [終値1547円]19.1%増の493人とする。
・人材獲得のため賃上げを惜しまない企業が増えている。
2023年春の大卒新入社員の初任給が前年と比較可能な1056社のうち、
約7割が初任給を引き上げると回答した。
理由(複数回答)としては「人材確保」が68.3%で最も多く、
「在籍者のベアを実施した」(48.2%)や「インフレ対応」(27.6%)を上回った。
・初任給の増額が大きかった企業をランキングしたところ、上位にはゲーム企業が入った。
コナミグループ <9766> [終値8350円]5万円(20.8%)引き上げ、29万円とする。
「社員の収入安定によるエンゲージメント向上が目的だ」としている。
三井住友銀行 <8316> [終値5258円]16年ぶりに初任給を引き上げる。
金額は5万円(24.4%)増の25万5000円とする。
全日本空輸(ANA)<9202> [終値2795.0円]、初任給を最大で2万円(9.2%)増の23万8557円とする。
・日銀総裁が4月に黒田東彦氏から植田和男氏に10年ぶりに交代する。
植田氏は未完の物価目標2%を引き継ぐが、大規模緩和を出口に導けるだろうか。
日本経済の生産性は低く、円相場に左右される弱さを抱えたまま。
政府と企業による構造改革なしに金融正常化は進まないだろう。
植田氏については金融緩和継続の妥当性を強調する一方、
その副作用にも目配りするバランス感覚を評価する声が多い。
植田次期総裁の責務は重い。
しかし日銀だけに日本経済の再生を託すのは間違い。
政府と企業もまた、日本経済の実力を高める不退転の覚悟が問われている。
・動画投稿サイトYouTube(ユーチューブ)で、10~20代前半の「Z世代」が
コンテンツの新たな消費スタイルを生み出している。
Z世代が見るユーチューブチャンネルを視聴者数でランキングすると、
「一発撮り」の音楽配信やオリコンの芸能ニュースなどが上位に入った。
目を引くのが9、10位の「切り抜き動画」。
投稿された動画の面白い部分だけを短く再編集したもので企業も無視できない潮流となっている。
・シリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻で、有力テクノロジー企業を生むエコシステム(生態系)が揺らいでいる。
創業40年の地方銀行は黒子としてベンチャーキャピタル(VC)と起業家をつなぎ、
新規株式公開(IPO)ブームとテック相場を裏側で支えてきた。
今後は未上場の成長企業「ユニコーン」創出が鈍るのは避けられない。
マネー流入が細れば、起業を通じたイノベーションの停滞を招く。
・今週の株式市場は神経質な展開か。
21~22日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。
米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを継続する姿勢を示せば、
金融システムや実体経済に悪影響を与えるとの懸念から株売りにつながる可能性がある。
・原油相場は底堅い展開か。
前週は金融システム不安が欧米で拡大し世界景気の減速懸念が台頭したことから原油を中心に幅広い商品が売られた。
ただ産油国では価格下落に対する警戒感が強く、安値圏では減産拡大が意識されやすく相場下落に歯止めがかかりそうだ。
焦点は21~22日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)。
金融システム不安を受けて利上げ幅の拡大が見送られれば、市場心理が好転する可能性もある。
・米連邦準備理事会(FRB)は、21、22日に金融政策決める
米連邦公開市場員会(FOMC)開き、主要政策金利の対応を協議する。
FRBは根強いインフレの抑制へ利上げの今日かも視野に入れていたが、米銀行の相次ぐ破綻や
スイス金融大手の経済危機を受け、市場では利上げ休止の観測も浮上。
インフレ対応と金融安定化の両立に向けたFOMCの判断を投資家は注視。
・5~11歳のスギ花粉症の発症率は、成人の6.7倍と高く。
「幼少期に発症押さえることが重要で、ポストコロナでも花粉時期のマスク着用を心がけてほしい」と。
・環境省作成した「花粉症環境保健マニュアル2022」、全国の耳鼻咽喉科医とその家族対象に2019年の鼻アレルギー全国疫学調査で
スギ花粉症の有病率は38.8%。
同調査はほぼ10年おきに3回行われているが、1998年は16.2%、2008年は26.5%と調査のたびに10ポイント程度増加。
年齢別では、10代から50代はいずれも45%以上、0~4歳は3.8%、5~9歳では30.1%。
・ポーランドのドゥダ大統領16日、自国保有の旧ソ連製ミグ29戦闘機4機を「数日中にウクライナに供与する」と発表。
同じく北大西洋条約機構(NATO)加盟国のスロバキア政府も17日、13基のミグ29京よ決定。
・日銀 <8301> [終値24800円]17日、2022年10‐12月期資金循環統計(速報)、
日銀が保有する国債(短期除く)の時価ベースでの発行残高に占める割合が12月末時点で52.02%となり、過去最大に。
Posted by 占い ザ・ハーミット at 12:50│Comments(0)