日経 5月24日

日経 5月24日



2023年5月24日(水) 

・海に浮かぶ浮体式原子力発電所の開発プロジェクトに日本企業が参画する。
 今治造船や尾道造船(神戸市)など13社が英新興企業に約8000万ドル(約100億円)を出資。
 浮体式原発は地震の影響を受けにくく、陸上の原発に比べ建設費用も下げることができる。
 脱炭素で世界的に需要増が見込まれるなか、海外で同プロジェクトの実績を積んだうえで、日本での展開も検討する。
 浮体式原発は海上であればどこにでも設置でき、浮かんでいるために地震の影響を受けにくい。
 沖合に設置すれば津波にも耐えやすい。
 作り出した電気は陸上ヘ送るほか、水素やアンモニアなどの製造に使う。

・分断世界とG7〈中〉 グローバルサウス台頭 価値より実利の「多数派」
 主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)の招待国だったインド。
 今年は20カ国・地域(G20)と並行し、中国やロシアなどで組織する上海協力機構(SCO)でも議長国を務める。
 「広く反西側グループとみられている組織の一員としての見解は?」。
 5月初旬の外相会議の後、地元記者に問われたジャイシャンカル外相は「国益のために参加している」と答えた。
 米国や日本、オーストラリアとの枠組み「Quad(クアッド)」で連携し、
 独自のインド太平洋戦略を掲げる欧州にも接近する。
 「できることは何でもやる」。
 モディ首相はウクライナのゼレンスキー大統領に戦争解決への協力を伝えたものの、侵攻したロシアを非難はしなかった
 新興・途上国の代弁者を自任するインドの中間的な立ち位置は、国際社会で多数派を形成する「グローバルサウス」を象徴する。

・分断世界とG7〈中〉 グローバルサウス台頭 価値より実利の「多数派」
 G7は自由・人権といったこれまで普遍的としてきた価値をトーンダウンし、途上国も受け入れやすい「法の支配」を強調する。
 「上から目線」との反発を招きかねないとグローバルサウスの呼称も封印した。
 食料・燃料価格の高騰や地球温暖化など、問題の多くは先進国に責任があるのに、
 被る影響は自分たちの方が大きい、という不満がグローバルサウスにはある。
 それぞれの国益を胸に、束になって主張を強める多数派。
 中ロとの競争で「こちら側」に引き込もうとするG7の戦略は、一筋縄ではいきそうにない。

・米マイクロソフトは5/23、6月に対話型の人工知能(AI)をパソコン向け基本ソフト(OS)「ウィンドウズ11」に搭載すると発表。
 基本画面からAIに文字入力で指示し、ソフトの操作、設定変更、情報検索や要約を自動で手助けする。
 1990年代以来続くマウスで自ら業務ソフトを操作する仕事のあり方が変わりそうだ。
 6月から試験提供する新機能の「ウィンドウズ・コパイロット」は基本画面の横に対話AIとやりとりする画面を置き、
 文字で入力して一括して作業を指示したり、質問したりする。
 「プラグイン」と呼ぶ外部ソフトとの連携機能も加え、使い勝手とAIの機能を強化できる。

・米マイクロソフトは対話AI「Chat(チャット)GPT」を開発した米新興のオープンAIに数十億ドルを投資すると1月に発表。
 同社のAI技術を活用し、検索エンジンや表計算などの業務ソフト群に順次、AI機能を入れてきた。
 マイクロソフトはかつて、コマンドを入力する方式だったパソコン操作で、マウスを用いてソフトを直接クリックして使えるようにした。
 使い勝手が高まり、パソコンの爆発的な普及につなげた。
 今後はAIの自動操作にカジを切る。

・政府は少子化対策の柱である児童手当の拡充で、新たに高校生まで月1万円を支給する調整に入った。
 第3子以降は3歳から小学生までを月3万円に倍増する案がある。
 少子化対策の事業費は2024年度から3年間で年3兆円規模を想定する。
 児童手当はこのうち1兆2千億円を見込む。
 児童手当は所得制限の撤廃や、現在は中学生までの支給を高校卒業まで延長する方針。
 第3子以降への支給をさらに増やす。
 具体的な支給条件や扶養控除との兼ね合いなどを詰める。

・「日本見直し買い」いつまで 日経平均、9日ぶり反落 急ピッチな上げ警戒感 海外勢は買い越しに勢い
 5/23の東京株式市場では日経平均株価が前日比129円安で終え、9営業日ぶりに反落。
 急ピッチな上昇による過熱感から利益確定売りに押された。
 海外投資家の日本株に対する「過小評価」の修正機運はなお根強い。
 企業の収益力や資本効率の改善期待を手掛かりにした買いの持続力が焦点になる。
 5/23は上げ相場が午後に急転し、270円近く高い3万1300円台まで上げていた日経平均が250円強下げる場面があった。
 先端分野の輸出規制をめぐる日本政府の決定が伝わり半導体株が売られると、利益確定の売りを誘発した。

・「日本見直し買い」いつまで 日経平均、9日ぶり反落 急ピッチな上げ警戒感 海外勢は買い越しに勢い
 ここまで日本株を引き上げたのは海外マネーだ。
 世界で日本株の存在感は薄れていた。
 グローバルな投資家が参考にするMSCI全世界株指数をみると、
 同指数の時価総額全体に占める日本株の比率は4月末時点で5.4%と、5年前より2.6ポイント下がった。
 円安によるドル建て価値の目減りが拍車をかけ、ここ数年は銘柄の定期入れ替えで日本企業の除外が続いていた。
 そのような状況で、欧米の銀行不安や景気減速懸念が強まった。
 割安で相対的に景気が堅調な日本に注目が向きやすいタイミングだった。
 資本効率を意識した経営目標の公表や自社株買いなどが相次いだこともあり、見直しが進む。

・「日本見直し買い」いつまで 日経平均、9日ぶり反落 急ピッチな上げ警戒感 海外勢は買い越しに勢い
 海外勢の関心が続くかは不透明だ。
 アベノミクス相場下で海外勢の現物株の買越額は累積で19兆円近くまで膨らんだものの、
 デフレ脱却の遅れや成長戦略の不発などで期待は低下。
 22年には一時売り越しに転じた。
 日経平均の予想PER(株価収益率)は14倍台後半と過去10年の平均並みに上げ、日本株の割安感は後退してきた。

・富士通 <6702> [終値18565円]5/23、
 マイナンバーカードを使った証明書のコンビニ交付サービスをシステム点検のため最長6/4まで停止すると発表。
 同サービスでは他人の住民票や戸籍謄本などが誤って交付される不具合が相次いでいる。
 5/9に河野太郎デジタル相が同社にシステムの一時停止と点検を要請したことを明らかにし、
 富士通側が自治体や総務省などと調整をしていた。
 富士通は5/24に中期経営計画を公表する予定。
 オンライン説明会を開いて誤交付問題への対応を説明するとみられる。
 今後、富士通には誤交付問題について、徹底した原因究明と再発防止策が求められる。

・モノやサービスを実際にどれくらい買えるかを示す実質賃金が2023年度後半に前年度比でプラスになる見通しだ。
 物価高が落ち着く一方で30年ぶりの高水準となった賃上げが底上げする。
 賃上げが続くには、デジタル技術による生産性改善や中小企業が価格転嫁できる環境整備が欠かせない。
 適正な価格転嫁を進め、パートやアルバイトも含めて幅広く賃上げを継続できるか。
 今夏に改定の目安額が決まる最低賃金の水準を含め、政労使が一体で賃上げの好循環をつくる必要がある。

・バイデン米大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長が5/22、米連邦債務の上限引き上げを巡って会談。
 4度目の会談でも合意に至らず、歳出削減で妥協点を探るべく大詰めの交渉に入った。
 米政府が資金繰りに行き詰まる「Xデー」は早ければ6/1とされ、残り10日を切った。
 当初、無条件での上限引き上げを主張したバイデン氏と、大幅な歳出削減を求めたマッカーシー氏の主張の隔たりは大きかった。
 ここにきて双方が歩み寄る姿勢を示し、落としどころを見いだそうとしている。
 市場参加者は交渉の行方を注視、
 株式市場はいまのところ落ち着いているが「今週後半になれば神経質になり始める」との見方も。

・欧州の一般データ保護規則(GDPR)に違反したとして、
 アイルランドのデータ保護当局が米メタに12億ユーロ(約1800億円)の制裁金を科すことを決めた。
 欧州連合(EU)と米国は個人データ移転にまつわる新ルールで基本合意したが細部の調整が長引いている。
 ルールの不備が企業活動の足かせになる点を浮き彫りにした。
 同社が巨額の制裁金を回避するだけでなく、データ移転を前提とした企業活動を維持するためにも、新たな枠組みの重要性が増している。

・防衛省は2023年版の防衛白書の原案をまとめた。
 中国と台湾の軍事バランスに関して「中国側に有利な方向に急速に傾斜する形で変化」と記載した。
 22年版は「有利な方向に変化」と盛り込んでおり従来より踏み込んだ。
 防衛白書は防衛省が毎年つくる。
 23年版は22年4月から23年3月までの動向を新たに反映した。防衛省が近く公表する。

・経済産業省は給湯器メーカーを対象に温暖化ガスの排出削減目標を定める。
 給湯器からの二酸化炭素(CO2)排出量は家庭部門で最も大きな割合を占める。
 排出削減につながる具体的な数値目標と達成時期をあわせてメーカー側に示す。
 環境負荷の高い製品の販売抑制につなげる。
 5/24にも経産省が給湯器に関して削減目標を定める方針を打ち出す。
 大手のリンナイ <5947> [終値3200円]やノーリツ <5943> [終値1785円]、パロマ(名古屋市)など給湯器メーカーを対象。
 経産省は強制力が高い規制の導入も視野に、省エネルギー法の改正についても議論する。
 日本の家庭では現在、ガス給湯器が多く使われている。
 これをヒートポンプやハイブリッドに替えれば、CO2の排出削減を期待できる。
 ガス給湯器からヒートポンプに替えた場合、CO2排出量を年間で36%減らせるとの民間データもある。

・米S&Pグローバルが5/23発表した5月のユーロ圏の購買担当者景気指数(PMI、速報値)は総合で53.3と前月比0.8ポイント低下。
 好不況の分かれ目である50を5カ月連続で上回り、サービス業を中心として堅調に推移した。

・内閣府が5/12公表した最新の推計値は、新型コロナウイルス禍以降の供給見積もりが過大だったとするものだ。
 2020年4~6月期からの全四半期で国内総生産(GDP)で見た需要不足が過去の推計より縮んだ。
 22年10~12月期の需要不足は7兆円で、4兆円小さくなった。
 日本経済のデフレ圧力は以前の推計ほど大きくなかったことになる。
 成長力の強化は足元の推計ですぐに表れるものでもないが、規模だけでは経済の実力を底上げできないことも浮き彫りになった。

・経済産業省は5/23、外為法に基づく貨物等省令の改正を公布した。
 先端半導体の製造装置など23品目を輸出管理の規制対象に加える。
 2カ月の周知期間を経て、7/23に施行する見通しとなった。
 米国が先端半導体の製造装置などで中国向けの輸出を厳しく制限しており、日本も足並みをそろえる。
 日本は外為法に基づき、武器など軍事向けに転用できる民生品の輸出を管理している。
 輸出には経産相の事前の許可が必要になる。
 中国など特定国・地域を規制対象として名指ししていないものの、
 追加される23品目は友好国など42カ国・地域向けを除いて個別許可が必要になり、中国などへの輸出は事実上難しくなる。

・横浜銀行 <7186> [終値543円]や福岡銀行 <8354> [終値2644円]など39行が3月末、新しい資本規制を前倒しで導入。
 中小企業向け融資の焦げ付きリスクを現行より低く見積もることができ、融資しやすくなるのが特徴。
 約4分の1の銀行が本来の2024年3月末~25年3月末を待たずに早期導入を選び、
 財務の健全性を示す自己資本比率は地銀で平均1.5ポイント向上した。
 米利上げに伴い地銀が運用目的で保有する債券の評価損は3月末に1.8兆円と1年前の5倍に膨らんでおり、
 自己資本比率に下押し圧力がかかっているという事情もある。
 ある地銀持ち株会社の首脳は「新規制で計算上のリスク資産が小さくなる。
 自己資本比率が十分すぎるほど高いわけでなく、早めの適用を決めた」と話す。

・米銀行業界で最大手JPモルガン・チェースの「1強」状態が加速している。
 5/22に開いた投資家向け説明会で、2023年のテクノロジーなどへの投資額が
 前年比15%増の157億ドル(約2兆1700億円)にのぼると明らかにした。
 新型コロナウイルス下の金融緩和で預金は4割増加。
 米地銀の経営不安がくすぶるなか、規模で勝つ戦略を進める。

・みずほFG <8411> [終値2042.5円]が2本立てのAT1債(永久劣後債)の発行を準備。
 主幹事のみずほ証券が4/23明らかに。
 発行から5年半と10年半をめどにそれぞれ償還が可能になる債券を発行する。
 発行額は未定で、最速7月以降の条件決定を予定している。

・米地銀が破綻し金融システム不安が急浮上した2023年1-3月に著名投資家や有力ヘッジファンドはどのような米国株を売買したのか。
 米証券取引委員会(SEC)に提出した保有株の開示からは相場の先行きの不透明感が強い中、
 騰勢を強めているハイテク銘柄に傾斜する傾向が見て取れた。
 銀行株については持ち分を減らしてリスクを回避する投資家が大半だった。
 米国では総額1億ドル(約138億円)以上の株式を保有する投資家は、保有状況をSECへ四半期ごとに届け出る必要がある。
 主に米上場銘柄が対象で報告書は「フォーム13F」と呼ばれ、投資行動が垣間見える資料として注目されている。
 23年3月末時点分の開示が5月半ばまでに出そろった。
 22年12月末時点での保有銘柄と比較すると、グーグルの親会社、アルファベットなど「GAFAM」に代表される
 大型ハイテク株の持ち分を増やす傾向が目立つ。
 銀行株以外に保有銘柄の売却が話題になったのは電気自動車(EV)株。
 ソロス氏のファンドはEV大手のテスラ株を全株手放しており、同じくEVのリヴィアン・オートモーティブ株も一部売却していた。
 足元の株式相場は、おおむね著名投資家の狙い通りに進んでいる。
 アルファベットなどナスダック指数組み入れ銘柄のうち時価総額上位100銘柄で構成するナスダック100指数は5/22時点で
 22年末比27%上昇し、ダウ工業株30種平均(0.4%高)を上回る。
 米主要銀行株で構成するKBWナスダック銀行株指数は22%下落している。

・ソフトバンクグループ(SBG) <9984> [終値5180円]子会社の米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループの売却を決めた。
 人工知能(AI)関連企業に投資するビジョン・ファンドが苦戦するなか、保有資産を見直し財務の守りを固める。
 不動産や上場株など幅広い資産をそろえる「投資のデパート」化は軌道修正し、ハイテク株に専念する。
 ビジョン・ファンドの業績は悪化に歯止めがかかりつつある。
 孫氏は6月のSBGの定時株主総会には出席する予定と伝わる。
 約半年にわたる「沈黙」を経て孫氏が何を語るのか、これまで以上に注目が集まっている。

・米格付け会社のS&Pグローバルは5/23、
 ソフトバンクグループ(SBG) <9984> [終値5180円]の信用格付けを1段階引き下げたと発表。
 長期発行体格付けはダブルBフラット、劣後債の格付けはシングルBフラットとした。
 ファンド事業の業績が一段と悪化し、投資資産全体のリスクが従来の想定よりも高まっていると判断した。

・欧州債券市場で各国の財政悪化リスクへの懸念が強まっている。
 信用力の高いドイツの国債利回りに対するスプレッド(上乗せ金利)の再拡大が、英国やフランスなど幅広い国で広がっている。
 欧州中央銀行(ECB)による利上げが進む一方、
 エネルギーなど物価高に対する補助金で財政赤字が拡大し、市場は財政リスクの再評価を迫られている。

・半導体製造装置の世界大手が韓国拠点を拡充する。
 最大手の米アプライドマテリアルズ(AMAT)はソウル近郊で研究開発(R&D)拠点の新設を計画。
 オランダのASMLもサポート拠点を建設する。
 韓国ではサムスン電子が約20年間で30兆円を投じる半導体生産基地の整備計画を打ち出した。
 巨額投資が磁力となり、装置大手を引き寄せている。
 装置大手は当面、韓国と台湾を優先して拠点を拡充する動きが続きそうだ。

・ロシアのミシュスチン首相は5/23~24、中国を訪れ習近平(シー・ジンピン)国家主席や李強(リー・チャン)首相と会談する。
 中ロの抑止に動く主要7カ国(G7)に対抗するため両国の結束を確認する。
 G7が主導する対ロ制裁の回避策を探る可能性もある。
 中国はウクライナ侵攻を巡り仲介外交に乗り出しているものの「ロシア寄り」とされる立場は崩していない。
 2月にまとめた双方に停戦を促す12項目の文書はロシア軍の撤退を要求していない。

・・尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で活動する中国海警局が2021~22年に追加配備した大型船の約9割が、
 中国海軍の軍艦を改修した転用船とみられる。
 転用船は大型の76ミリ砲搭載、海警局の「第2海軍」化が加速。

・韓国視察団、福島第一原発視察。
 水産物禁輸解除に期待、処理水放出容認へ糸口。



Posted by 占い ザ・ハーミット at 13:00│Comments(0)
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