日経 6月19日

日経 6月19日


2023年6月19日(月) 

・日本メーカーの半導体がウクライナ侵攻後もロシアに流入。
 1年強で少なくとも約15億円分が取引されていた。
 大半は中国など第三国を経由しており、海外への直接輸出を規制対象にした日本の法律で歯止めをかけられない。
 迂回ルートを封じ、制裁の実効性を高める方策が求められる。
 日本は2022年3月、米国の制裁に足並みをそろえ、自国の半導体のロシアへの輸出を規制した。
 性能などに伴って段階的に実施したが「一般に使われている半導体は当初から規制の対象にした」(経済産業省貿易審査課)という。
 23年5月に広島で開催した主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)は声明で「我々の措置の回避や迂回をさらに阻止する」と強調。
 供給網(サプライチェーン)が複雑な半導体の流通への対応は日本にとっても輸出管理の試金石になる。

・教育岩盤 子どもが消える(1) 2040年、余る大学「240校」 淘汰、想定外の速さ 資質高めて革新導け
 少子化が教育界の予想を超す速さで進む。
 2022年生まれの日本人は77万747人で統計開始以来初めて80万人を割った。
 この子らが大学に入る40年の18歳人口も77万人と、中央教育審議会が18年に公表した推計を11万人下回る見通しだ。
 22年に高校(全日制・定時制)から大学・短大・専門学校に進んだのは79万1千人で、
 40年も大学などが現状規模を維持すると18歳全員が進学しても2万人足りない。
 大学進学者は進学率が中教審の予測した57%で44万人。
 留学生や進学率の大幅増がなく入学定員が現状のままだと19万人弱分、全約800校の平均定員で換算して約240校分が過剰となる。
 見切りを付ける動きは相次ぐ。
 今春以降、恵泉女学園大、神戸海星女子学院大、上智大や龍谷大の短期大学部が学生募集をやめると公表した。
 淘汰に任せるだけではじり貧になる。
 大学全体の質を高める機会ととらえ、潜在能力をデジタルや環境など成長につながる分野での革新に生かす知恵が求められる。

・ブリンケン米国務長官は6/18、中国・北京の釣魚台国賓館で秦剛国務委員兼外相と夕食会を含めおよそ7時間半会談。
 米国務省の声明によると、双方の対話を継続するため秦氏をワシントンに招き、適切な時期に相互訪問することで合意した。
 ブリンケン氏は米中間の誤解や誤算のリスクを減らすため、オープンな意思疎通チャネルを維持する重要性を強調。
 同盟・有志国と協力し、自由で開かれた、国際ルールに基づく秩序を維持する米国のビジョンを進めると訴えた。
 2021年1月に発足したバイデン政権の閣僚が訪中するのは初めて。
 6/19までの訪中で中国外交トップの王毅(ワン・イー)共産党政治局員とも会談する見通し。

・仏ガス大手のエア・リキードは2035年をメドに世界の空港で水素を供給する。
 同年には欧州エアバスが水素を燃料に使った航空機の商業運航を目指している。
 航空産業は温暖化ガス排出量を50年に実質ゼロにする目標を掲げている。
 水素航空機も有力な手段となる可能性もあり、先行してインフラを整えて需要の取り込みを狙う。
 航空輸送は世界の二酸化炭素(CO2)排出量の約3%を占めるとされる。
 脱炭素化に向けては航空各社が導入を進める再生航空燃料(SAF)もある。
 調達量の確保やコスト低減が課題になっており、
 安全面など技術的な課題を解決できれば水素にも一定の需要があると見られている。

・迫真 原発処理水、迫る放出 1 廃炉へ「一緒に前に」
 政府は原発の廃炉に向けた第一歩として、夏までに処理水の放出を決断する見通し。
 当事者たちが抱える葛藤に迫る。
 処理水を放出しない限り、敷地内のタンク容量が満杯となり、いつまでも廃炉の道筋はみえない。
 24年2~6月ごろには満杯となる。

・共同通信社が6/17、18に実施した全国電話世論調査によると、
 岸田内閣の支持率は40.8%で5/27、28の前回調査から6.2ポイント下落。
 不支持率は5.7ポイント増の41.6%となった。

・経済産業省は特許などの知的財産によって得られる所得の税優遇を税制改正で要望する。
 海外には低い法人税率をかけるといった制度があり、企業が開発拠点を選ぶ判断材料になっている。
 国内の研究開発投資は伸び悩んでいる。
 税負担を軽減し、イノベーションが生まれやすい環境を整える。
 特許やソフトウエアの知財から得る所得に軽減税率を適用する税制は「イノベーションボックス」や「パテントボックス」と呼ばれる。
 経産省は今夏にまとめる税制改正要望に盛り込む方針で、早期の導入を目指す。
 優遇の対象には知財から得るライセンス収入や、医薬品のように特許とひも付いた製品の販売収入、
 著作権のあるソフトウエアを組み込んだサービスなどを想定する。
 知財開発に関係のないマーケティング費用などが収入に含まれる場合は除外する案がある。

・制裁で凍結したロシアの資産をウクライナ支援に使う検討が欧米で進んでいる。
 他国の資産に手を付けるのは国際法の壁がある。
 50兆円を超えるといわれる復興に必要な資金の確保と法順守の両立を探る。

・バイデン米大統領は6/17、労働組合員の集会で演説し
 「私がやってきた全てのことの核心的な原則の一つは『米国で生産せよ』というものだ」と言明。
 2024年11月の大統領選へ国内雇用を重視する姿勢を重ねて鮮明にした。
 「最高のインフラなしに強力な経済にはなりえない」とも述べ、
 道路や橋、港湾、空港、高速通信網の整備に向けて投資していくと力説した。
 バイデン氏はインフラ投資法を成立させており、大統領選に向けて投資計画の実行を急ぐ。

・英BBCは6/18までに、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、ロシア兵の死者数が2万5千人を超えると報じた。
 ロシアの独立系メディア「メディアゾナ」と共同で調査実施。
 両者はこれまでにも同様の調査を実施している。
 米戦略国際問題研究所(CSIS)は2月、ロシア側の死者数が侵攻1年で6万~7万人に上ったとの推計結果を公表している。

・米証券取引委員会(SEC)と暗号資産(仮想通貨)交換業最大手バイナンスの米国法人は6/17、
 ワシントンの連邦地方裁判所の命令に基づき、同社の顧客資産の保護策を講じることで合意した。
 SEC側が求めていた顧客資産の凍結は回避し、顧客は資金の引き出しが可能になる。
 SEC幹部は今回の合意を受けた声明で
 「顧客資産を好きなように混同・流用できたことを考えれば、
 これらの禁止事項は投資家の資産を守るために不可欠だ」と訴えた。
 一方、バイナンスの米法人はツイッター上で「裁判所は不当な資産凍結を認めなかった」と強調。
 「SECの要求は我々のビジネスを事実上停止させるもので、
 事実に基づかない主張などあらゆる手段を通じて仮想通貨業界を潰そうと試みている」と非難した。

・化学大手で植物由来のアルコール「バイオエタノール」からプラスチック原料をつくる動きが広がっている。
 旭化成 <3407> [終値971.8円]2027年をめどに1万~2万トン規模の国内生産を始める。
 住友化学 <4005> [終値434.1円]も25年ごろに量産する計画。
 二酸化炭素(CO2)排出の削減が国内外で求められる中、
 環境負荷の少ない植物由来のプラスチックの製造技術確立を急ぐ。
 樹脂の種類にもよるが、バイオマスプラスチックは石油化学品由来より1.5倍から5倍高いとされる。
 「価格が普及の壁となっている。利用を後押しする政策が必要だ」(三菱ケミカル <4188> [終値828.5円])との声も。
 家電や車メーカーとの連携による用途拡大の取り組みが重要になる。

・航空機の長期需要が増加している。
 米ボーイングと欧州エアバスは6/18までに、今後20年間の航空機長期需要予測を発表。
 両社ともに2022年時点の長期需要予測から上方修正。
 アジアでの需要増がけん引する。
 航空機の脱炭素への要請が強まっていることを受け、燃費の良い最新世代の機体に置き換わる需要が増えることも寄与する。

・イスラエルのネタニヤフ首相は6/18、
 半導体世界大手の米インテルがイスラエルに250億ドル(約3兆5500億円)を投資して半導体工場を建設すると述べた。
 同国への国外からの投資としては過去最大になるとしている。

・AGC <5201> [終値5258円]社内向けに生成人工知能(AI)を開発。
 論文や特許などの情報収集などにまず活用する。
 今後、社内の実験データや生産現場の記録などを学習させ、素材開発や営業活動にも活用できるようにする。
 業務を効率化し、社員が研究開発や営業活動に注力しやすい環境につなげる。
 米マイクロソフトの基盤を活用し社内向けに生成AIを使える環境を整えた。
 社内情報が外部に漏れない仕組みにし、データの検査や監視も受けない。

・人口が1億人を割る2056年の日本は、3750万人が65歳以上になる。
 成人の18歳から64歳までは5046万人で、1.3人の現役が1人の高齢者を支える未曽有の高齢化社会がやってくる。
 介護が必要な人は50年度に941万人に膨らみ、介護をする人は4割も足りない。
 今よりさらに「老々家族介護」の時代がくる。
 団塊ジュニア。バブル経済が崩壊したころに社会に出て、デフレの25年間に働き続けたこの世代の老後は厳しい。
 日本では85歳以上の高齢者のうち6割は介護が必要と認定されている。
 団塊ジュニアの多くが80代となる30年後に介護をしてくれる人は、少ない。
 56年の1億人社会には65~74歳が1276万人いる。
 高齢者も支える側に回らなければ、乗り切れない。
 老々家族介護、ロボットやIT(情報技術)の導入・外国人が頼みとなる。

・米民主党バイデン大統領(80)6/17、東部ペンシルベニア州フィラデルフィアでの労働組合主催の集会で演説、
 2024年大統領選に向けた活動を本格的に始動。
 国内産業と労働者の保護に取り組み、雇用創出と輸出拡大につなげる政策「バイデノミクス」実行していくことを表明。

・ブリンケン米国務長官と中国秦剛国務委員兼外相の会談は約5時間半に及ぶ。
 米中関係の改善に向けた前進だが、両国の対立は幅広い分野で先鋭化し、期待される米中関係の「雪解け」につながるかは見通せず。
 米意思疎通に重点、中国強硬姿勢貫く。


・ロシア、プーチン大統領6/16、同盟国ベラルーシにロシア戦術核兵器を配備するとした決定に関し、
 「ベラルーシに最初の核弾頭が移送された。(配備作業は)年内に完了する」と明らかに。

・米財務省6/16公表、主要貿易相手国・地域の通貨政策を分析した外国為替報告書で、通貨政策の「監視対象」から日本が除外。
 2016年以降で日本が外れたのは初めて。


・欧州連合(EU)欧州委員会6/15、第5世代(5G)移動通信システムを巡り、華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の中国大手2社を
 「ほかの通信業者より高リスク」だと名指しし、通信網から排除する方針発表。



Posted by 占い ザ・ハーミット at 13:19│Comments(0)
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