日経 6月22日
2023年06月22日
2023年6月22日(木)
・岸田文雄首相は6/21の記者会見で政権の優先課題を説明。
物価高に備え「構造的な賃上げを実現する」と表明した。
成長の加速に向けて国内投資の支援計画やデジタル技術を活用した行財政改革に意欲を示した。
賛否が割れやすい少子化対策などの財源には言及しなかった。
5年間で43兆円を計画する防衛予算についても増税時期は明確になっていない。
・岸田文雄首相6/21の記者会見、秋の臨時国会に向けた補正予算編成の判断を問われ
「経済対策の効果などを見極めながら必要か判断する」と答えた。
憲法は自民党総裁としての任期が満了する24年9月までに改正を目指す姿勢を改めて示した。
外交面では日中首脳会談に関し「私自身も含め、あらゆるレベルで緊密に意思疎通を図る」と話した。
「その中で私の訪中も考えていく」と唱えた。
北朝鮮による日本人拉致問題には「首脳会談を実現すべく私直轄のハイレベルで協議したい」と明言した。
・空き時間に様々な仕事を担う「スポットワーカー」が急増している。
企業の副業解禁や柔軟な働き方を求めるフリーランスが増えているためで、
働き手と企業を仲介する大手事業者の会員登録数の合計は半年で約3割増え、1千万人を超えた。
新型コロナウイルス禍の収束に伴い、人手不足が深刻な飲食業などで重要な戦力となりつつある。
課題もある。仲介業者は新規参入も多く、募集条件と異なる危険な仕事に従事させられる例もある。
主要仲介業者は22年、スポットワーク協会を発足。
違法求人の排除など自主ルールの策定を目指す。
スポットワーカーが安全に働ける環境整備も必要だ。
・岸田文雄首相は6/21日、2024年秋に予定する現行の保険証の廃止について
「国民の不安を払拭する措置の完了が大前提だ」と表明。
「従来の方針のもとに取り組みを進める」とも語り、基本方針は変更しない考えを示した。
政府は同日、首相官邸で「マイナンバー情報総点検本部」の初会合を開いた。
首相は相次ぐマイナンバーのトラブルを受け関連する全てのデータの点検を今秋までに完了するよう指示。
誤った情報のひも付けを防ぐ対策づくりも求めた。
・米西海岸の映画の都ハリウッドで脚本家たちのストライキに収束のめどが立たない。
7月には俳優陣が加わる可能性もあり、映画やドラマの製作の遅れで30億ドル(約4200億円)の経済損失が見込まれる。
長引くストの背景には、動画配信サービスがコンテンツ産業にもたらした地殻変動への反発がある。
2007年の前回のストは精緻な脚本が不要なリアリティー番組が増えるきっかけになった。
作り手と配信会社の溝が埋まらなければ、映画界が築き上げたハリウッドの地位が揺らぎかねない。
・世界経済フォーラム(WEF)が6/21発表した2023年の男女平等の度合いを示すジェンダー・ギャップ指数で、
日本は146カ国中125位と過去最低になった。
政治分野の低さが変わらず、経済分野は女性管理職比率の低さが足を引っ張る。
世界全体でも格差はなお残り、WEFはこの差を埋めるにはあと131年必要だと指摘する。
経済で多様性がイノベーションを生むのはすでに世界の共通認識だ。
投資家は組織の意思決定者に多様性を求め、取締役会が男性ばかりの日本企業にノーを突きつける。
・迫真 原発処理水、迫る放出 4 「どの道選んでも葛藤」
「原子力災害の問題は正解がない。どんな道を選んでも葛藤がある」。
県知事の内堀雅雄は記者会見などで口にする。
「国策で進んだ原発は全国的な課題のはず」。
一般社団法人代表として原発被災地を巡るツアーを企画。町議にもなった。
コミュニティーが長く失われた町の実情を発信し、理解を広めようと模索している。
・ソフトバンクグループ(SBG)<9984> [終値6937円]6/21、東京都内で定時株主総会を開いた。
孫正義会長兼社長は「守りは十分にできた。反転攻勢だ」と述べ、
傘下の英半導体設計大手アームを軸に人工知能(AI)事業を中核にすえる考えを強調。
創業以降、主力事業を変え続けてきたSBGは、現在の投資主体のビジネスから実業との両立をめざす事業構造への再転換を探る。
「この3年間、新型コロナウイルス禍で守りに徹した。手元に5兆円を超える現預金がある」
「AI革命が爆発的に大きくなる。水面下で準備しており、革命の先端を担う」
「AIの進化を加速させることが人々の不幸を減らし、より自由で楽しい社会をもたらす。
その中核企業がアームだ。爆発成長の入り口に入った」
「昨年10月に残りの人生を考えた。この程度で終わっていいのかと大泣きした。
自分は本当は人類の未来のアーキテクト(建築家)になりたかったんだと思った」
総会での孫氏の発言はほぼ全てがAIに関するものだった。
AIの製品開発を軸とする実業と、投資事業の両立という原点回帰の姿勢が浮かび上がった。
・ソフトバンクグループ(SBG)<9984> [終値6937円]「AI銘柄」として市場の評価を高めつつある。
米国上場を目指す傘下の英半導体設計アームの評価額上昇など、AIの恩恵への期待が高まり、
6/21の株価は一時前日比4%高と年初来高値を更新。
昨年末比では2割強上昇した。
同日の売買代金は東証プライム市場で首位だった。
足元のAIブームは期待先行の面が強く、市場では過熱感も指摘される。
SBGを巡っても「アーム以外では現時点で明確に(AIの恩恵を)プラス評価できる点は少なく、見極めが必要」(外資系証券)との指摘もある。
・2024年1月から始まる新しい少額投資非課税制度(NISA)の「成長投資枠」で購入できる投資信託が決まった。
第1弾として、投資信託協会が6/21に国内外の株や債券などで運用する約1000本の投信を発表。
長期の資産形成にそぐわないとして毎月分配型は除外した。
個人の税制優遇で「貯蓄から投資」を後押しする。
現行NISAは23年末まで株や投信を購入できる。それ以降は新たな買い付けはできなくなる。
投資した分はそのまま保有し続けられるため、非課税枠を目いっぱい活用したいなら、
現行NISAで長く保有したい株や投信を買っておき、24年以降に新NISAと併せて保有することも可能。
24年から新規の買い付けは新NISAに一本化される。
・米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は6/21、米連邦議会の下院金融サービス委員会で証言した。
米国の物価上昇率は鈍化傾向にあるが、パウエル氏は「インフレ圧力は依然として強く、
(目標の)2%に戻すには長い道のりがある」と強調して追加の金融引き締めの必要性を示唆した。
パウエル氏はインフレ率の低下には低い経済成長率に加えて、労働市場の「軟化」が必要だと指摘した。
・日本郵政 <6178> [終値1024.5円]6/21の定時株主総会で増田寛也社長を再任た。
4年目の増田体制は民営化で資本関係の薄れる金融子会社への依存から脱し、新たな収益源を育成する必要がある。
ゆうちょ銀行 <7182> [終値1127.5円]の株式売却で得た約1.2兆円をM&A(合併・買収)や不動産に生かせるかが試金石となる。
・日本政府観光局(JNTO)は6/21、5月の訪日客数が189万8千人だったと発表。
新型コロナウイルス流行前の2019年5月の69%まで回復した。
3月に再開した訪日クルーズ船が追い風となった。
百貨店では高級品の販売が好調で、富裕層が売り上げを押し上げた。
訪日クルーズ船の再開が需要をけん引。
清水港(静岡市)に寄港する外国船は予約船を含め23年度は69隻で、過去最多だった17年度の31隻を上回った。
欧米の訪日客から人気が高い。
中国本土発のクルーズ船も5月から日本に再び寄港し始めた。
コロナ禍以前はクルーズ船客のうち8割が中国発だった。
中国の訪日客数はコロナ前より82%減の13万4千人で回復が鈍い。クルーズ客が戻れば弾みがつく。
・英統計局が6/21発表した英国の2023年5月の消費者物価指数は前年同月比8.7%上昇。
伸び率は前月比横ばいで、鈍化しなかったのは3カ月ぶり。
賃金とサービス価格の上昇による根強いインフレへの懸念が高まっている。
エネルギーや食品などを除くコア指数の上昇率は7.1%上昇と1992年3月以来の高水準だった。
英国は賃上げを求めるストライキが頻発。
4月の平均賃金の前年同期比の伸び率は2カ月連続で上昇して6.5%となった。
・米アップルも参入し市場が拡大する後払い決済「BNPL(バイ・ナウ・ペイ・レイター)」の事業者に対し、世界で規制の動き。
後払いは審査が緩くインフレ下で消費者が多重債務を抱えるなど問題が相次ぎ、
英国やオーストラリアでは当局の認可などが必要になる。
EU(欧州連合)や米国でも議論が進んでおり、今後規制の網が世界に広がる可能性がある。
23年から24年にかけて各国でルール整備が進む可能性がある。
・米投資ファンドKKRが投資する旧日立 <6501> [終値8829円]系の
半導体製造装置メーカーのKOKUSAI ELECTRIC(東京・千代田)にカタール投資庁が5%程度出資することが分かった。
KOKUSAIは2023年内の上場を目指しており、土台の投資家として長期保有する。
中東勢の投資の勢いが日本企業にも及んできた。
日本市場でも積極的に投資先を模索している。
テクノロジー分野などで投資を拡大させたい狙いがあるようだ。
今回は5%程度で数百億円を投じるもようで、KOKUSAIが上場した後も長期で株式を保有すると見られる。
中東の政府系投資ファンドは世界で投資を増やしている。
調査会社のグローバルSWFによると、2022年は中東系のSWFが欧米に対して516億ドル(約7.3兆円)を投資。前の年に比べ倍増させている。
・中国景気の先行き不透明感が世界の金融市場に影を落としている。
低迷する不動産市況のテコ入れとして中国人民銀行(中央銀行)は10カ月ぶりの利下げに踏み切った。
市場は「予想よりも小幅だった」と受け止め、海外市場に上場する中国株が大幅に下落したほか、
中国需要への依存度が高い企業の株式や資源に売りが広がった。
中国は08年のリーマン・ショック後、
インフラ投資などを中心に4兆元(当時のレートで57兆円)の景気刺激策を打ち出し、世界景気をけん引した。
足元でも中国のリオープン需要への期待が先行していただけに、
足踏みする景気の現状は世界の金融市場の重荷になりかねない。
・代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコインがおよそ1カ月半ぶりの高値をつけた。
6/21に一時2万8500ドル前後と、15日につけた直近安値から1週間足らずで1割強上昇。
米資産運用最大手のブラックロックが6/15にビットコインの現物に投資する上場投資信託(ETF)の承認申請を
米証券取引委員会(SEC)に提出したことがきっかけだ。
売買が膨らむとの期待感が取引価格を押し上げている。
・中国政府は6/21、電気自動車(EV)など新エネルギー車に対する自動車取得税の減免措置を2027年末まで延長すると発表。
ガソリン車からEVへの移行を促して関連産業のサプライチェーン(供給網)を強化し、世界をリードするEV強国をめざす。
自動車取得税の免税措置を25年末まで継続し、26~27年は免税額を半減させる。
25年末までの免税措置の上限は3万元(約60万円)、26~27年は1万5000元が上限となる。
中国メディアによると、自動車取得税は車両価格の約10%。
中国政府はEVの普及を後押しする一環で14年に同税の免税措置を始めた。
減免対象となるのはEV、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)で、ハイブリッド車(HV)を含まない。
・出光興産 <5019> [終値2919.0円]が主導するベトナムの「ニソン製油所」が当面の稼働停止を回避する見通しになった。
11月に銀行団への債務支払いを控える中、
株主間で債務再編を巡る意見の対立が表面化していたが、資金繰りが改善したことで返済のメドがたった。
・米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は6/20、
訪米中のインドのモディ首相とニューヨークで会談した。
テスラはインド工場の建設を検討しているとされる。
マスク氏は会談後に「インド進出を確信している」と述べた。
テスラはこれまでインドに輸出し販売することを念頭に輸入関税引き下げを求めてきた。
インド側は現地生産を求めており交渉を続けていたもようだ。
5月にはテスラがインド政府に現地生産を提案したと報じられた。
・戦後復興を見据えたウクライナ復興会議が6/21、ロンドンで開幕した。
インフラの再構築などのための民間投資の促進と、汚職の撲滅をはじめとする投資環境の整備が主な議題になる。
世界38カ国の400社以上が支援を約束した。
・米連邦検察が税務をめぐる不正の容疑でバイデン大統領の息子を訴追したことが6/20、明らかになった。
弁護団は罪を認める司法取引を結んで捜査の終結を狙う。
野党・共和党は議会権限を行使して調査を緩めず、2024年の大統領選へ与野党の攻防が激しくなる。
共和党は調査を通じ、24年11月の大統領選に向けて民主党候補に指名される公算が大きいバイデン氏を揺さぶる考えだ。
ハンター氏の起訴を受け、無党派層によるバイデン氏への支持の動向が焦点になる。
・バイデン米大統領は6/20、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は「独裁者」との認識を示した。
米中が対話拡大を探るなかで、同発言を巡り中国は反発を強めている。
バイデン氏は西部カリフォルニア州で開いた資金集め会合で発言した。
バイデン政権は中国を最大の競争相手と位置づけており、
バイデン氏の発言は政権の考えから逸脱していると受け止められかねない。
・パナソニックHD <6752> [終値1668.5円]傘下のパナソニックエナジーとマツダ <7261> [終値1380.0円]は6/21、
電気自動車(EV)向け電池の供給について協議を始めたと発表。
マツダは2020年代後半に発売するEVにパナHDの電池を搭載する方針。
実現すればパナHDが国内車大手に直接供給する初のケースで、課題の米テスラ依存から脱却する一歩になる。
・三菱商事 <8058> [終値7220円]チリで銅鉱山の新規開発に参画する。
カナダの鉱山会社が実施する第三者割当増資を2000万カナダドル(約21億円)で引き受け、株式の約5%を取得する。
銅は電気自動車(EV)や洋上風力向けなどに需要拡大が見込まれる。
総合商社では丸紅がチリの銅鉱山の拡張を検討するなど、投資拡大で収益力の底上げを図っている。
・ビール大手4社の10月の価格改定が出そろった。
酒税改正でビールは減税されるにもかかわらず、値段が下がるのは缶のみ。
業務用中心の瓶とたるは原材料などの高騰を理由に逆に値上げする。
異例の対応の裏には利益改善もシェア争いも避けて通れない各社の苦悩が透けて見える。
ビール販売の減少を補ってきた割安な第三のビールは10月に増税となる。
相次ぐ食品値上げで消費マインドが冷えるなか、
コスト転嫁とシェア拡大という方程式を解かなければならないビール大手の苦悩は深い。
・エレベーター大手のフジテック <6406> [終値3780.0円]6/21、滋賀県彦根市の本社で定時株主総会を開いた。
創業家出身で前会長の内山高一氏が社外取締役8人の選任を求めて株主提案したが、否決された。
会社側が提案した取締役9人の選任議案が可決された。
総会に参加した投資家からは企業統治の改善を期待する声が聞かれた。
・トヨタ <7203> [終値2218.5円]6/21、高級ミニバン「アルファード」「ヴェルファイア」の新型車を発売。
全面改良は8年ぶり。広い室内の快適性や走行性能を高めた。
ガソリン車とハイブリッド車(HV)に加えて、今後プラグインハイブリッド車(PHV)も投入する。
日本だけでなく、東南アジアや中南米など世界販売を拡大する。
・KDDI <9433> [終値4403円]6/21、カナダでデータセンター(DC)事業を始めると発表。
現地の運営企業から事業を約1446億円で譲り受け、同国に子会社を設立する。
あらゆるモノがインターネットでつながる「IoT」や高速通信規格「5G」の普及でデータ量が増え、
世界的にDCの需要が高まっていることに対応する。
・・マイナンバーを巡るトラブルが相次いでいることを受け、政府は6/21、省庁横断の「マイナンバー情報総点検本部」設置、初会合開いた。
マイナンバーと紐付けられた、介護保険など29の個人情報の点検を今週までに完了させる。
・通常国会が6/21閉幕し、四半期報告書の廃止など盛り込んだ金融商品取引法改正案の成立が先送り。
政府・与党は来年4/1の廃止予定しており、今秋召集が見込まれる臨時国会での成立を目指す。
Posted by 占い ザ・ハーミット at 12:42│Comments(0)