日経 7月18日

日経 7月18日


2023年7月18日(火) 

・日経新聞社がまとめた2023年夏のボーナス調査最終集計(6/30時点)は、
 全産業の平均支給額が前年比2.60%増の89万4285円。
 2年連続で過去最高を更新したが、伸び率は鈍化した。
 物価高が長引いて実質賃金のマイナスは続く見込みで、消費回復には不透明感もある。

・中国国家統計局が7/17発表した2023年4~6月の国内総生産(GDP)は、
 物価の変動を調整した実質で前年同期比6.3%増えた。
 1~3月の4.5%増より伸びが拡大したが、昨春に上海がロックダウン(都市封鎖)した反動が大きい。
 足元の景気は不動産市場の低迷などで失速感が目立っている。
 4~6月の前年同期比増加率は、日経新聞社と日経QUICKニュースが調べた市場予想の平均(6.9%)を下回った。
 都市封鎖の反動要因を取り除くため21年同時期と比べると、年平均3.3%伸びた。

・中国、百貨店、スーパーの売り上げやインターネット販売を合計した1~6月の社会消費品小売総額(小売売上高)は前年同期比8.2%増加。
 外食などサービス消費が堅調な一方、家電や家具、自動車など耐久財の販売が振るわなかった。
 工場の建設などを示す1~6月の固定資産投資は前年同期より3.8%多かった。
 1~3月の5.1%増から伸び率は縮小している。
 インフラ投資は7.2%増えたが、民間企業の投資が0.2%減少した。
 不動産市場の低迷も影響が大きい。
 1~6月の開発投資は7.9%減少した。新築住宅の販売面積が2.8%の減少に転じた。
 在庫の消化に時間がかかり、新たなマンション開発が増えるまでには時間がかかりそうだ。

・中国政府は「5%前後」の経済成長を23年の目標に掲げている。
 ただ民間企業の収益や雇用の改善が遅れ、先行き不安は根強い。
 金融市場では、成長を安定軌道に戻す景気対策への関心が高まっている。

・政府が2025年に開く国際博覧会(大阪・関西万博)で導入するキャッシュレス決済アプリの概要がわかった。
 独自の電子マネーやポイントに加え、偽造できない電子チケットの役割を果たす非代替性トークン(NFT)を保有できるのが特徴。
 万博会場外でも割引券などの用途で使えるようにして経済効果を広げる。
 関西万博は万博として初めて全面キャッシュレスにする。
 転売防止の目的に加え、ファンとの関係性強化の狙いがある。万博が日本のデジタル資産の普及に弾みがつくきっかけとなる可能性がある。
 NFTや暗号資産(仮想通貨)を保有できるスマートフォンの電子財布を、
 次世代インターネットのWeb(ウェブ)3の名前から「ウェブ3ウォレット」と呼ぶ。

・ロシアのペスコフ大統領報道官は7/17、
 同日が期限だったウクライナなどとの黒海穀物合意について「停止する」と述べ、延長に応じない考えを示した。
 合意を仲介したトルコ、国連にも7/18からの停止を通告した。
 2022年7月に成立した穀物合意は、ロシアが封鎖した黒海で穀物船は例外的にウクライナの港を出入りできるようにする仕組み。
 7/17のシカゴ市場の小麦先物価格は一時、4%を超えて上昇した。

・岸田文雄首相は7/17、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビでムハンマド大統領と会談。
 これに先立ち7/16に首脳会談を開いたサウジアラビアと同様に、水素やアンモニアなどを活用した脱炭素技術の提供で合意した。
 中東に関与する中国を意識する。
 サウジとUAEは石油依存の経済からの脱却をめざす。
 首相は今回の中東訪問で脱炭素の技術支援に焦点を当てる。

・5月の主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)の共同宣言は日本が主導するかたちで
 「国の状況を考慮して、多様かつ現実的な道筋を通じた移行を支援する」と明記した。
 中東やアジアの国々に配慮し米欧との橋渡し役となる戦略だ。
 アンモニアは既存の火力発電所を利用できる。
 火力発電を一気に廃止しなくても段階的に脱炭素を進める技術として日本が開発をリードする。
 
・日本が中東を重視する背景には、中東への中国の関わりがある。
 米国の中東での影響力低下も中国が近づく要因。
 米国はサウジの人権問題を問題視し、外交関係もぎくしゃくする。
 「シェール革命」で世界最大の産油国になり、エネルギー政策上の中東の重要度が下がった。

・ロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島とロシアを結ぶクリミア橋が7/17日未明(日本時間同日午前)、
 爆発による損傷で通行止めになった。タス通信などが伝えた。
 ロシア当局はウクライナ軍の水上無人艇による「テロ攻撃」があったと非難した。
 ウクライナ軍の報道官は同日、爆発への関与を否定した。
 ただ、同国の複数のメディアは関係筋の話として、ウクライナ保安局と海軍の共同作戦により橋が攻撃されたと報じた。

・中国経済が失速している。
 国家統計局が7/17発表した4~6月の実質国内総生産(GDP)は
 季節要因をならした増減率が前期比0.8%増と、1~3月の2.2%増から縮小した。
 産業の裾野が広い不動産市場が低迷。
 収益や雇用の改善が遅れ、企業や家計には先行き不安が根強い。
 中国の景気は1月の「ゼロコロナ」政策終了で持ち直していたが、春以降は回復力に陰りが目立っている。
 不動産市場が低迷した影響が大きい。
 中国共産党は7月末に中央政治局会議を開き、最近の経済情勢を分析する見通しだ。
 新たな景気対策を打ち出すかどうかに関心が集まる。

・中国景気にただよう減速感はマンションの販売や開発の低迷が一因。
 「住宅価格はずっと右肩上がりだ」と誰もが疑わなかったが、中古市場では大都市でも値下がりが止まらない。
 中国のマンション価格は下落している。
 主要70都市の単純平均でみると、6月の中古物件は前月比0.4%低下。
 21年夏からの値下がりは「ゼロコロナ」政策終了後の2月に止まったが、5月から再び下落局面に入った。
 北京で不動産仲介業を営む女性は「立地条件にもよるが、実際の値下がり幅は統計データよりも大きい」と語る。
 「価格は上がり続ける」という住宅神話は大都市でも崩れつつある。
 投資も含めた住宅購入意欲が弱まれば、不動産市場の構造的な調整が長引く恐れもある。
 厳しい移動制限の撤廃で経済活動が正常化に向かい、売り時を探っていた家主が一斉に売り出した側面もある。

・20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が7/17、インドで開幕。
 初日はロシアのウクライナ侵攻や米欧の利上げ継続による世界経済のリスクへの対応を議論した。
 会合では経済の下振れを懸念する声が多くあがった。
 財務省の神田真人財務官は会合後、記者団に対し、ウクライナ情勢と金融の引き締めの影響、
 インフレの継続に伴う経済の下振れリスクについて「心配している国は少なくなかった」と述べた。
 世界経済の動向を巡っては植田氏が7/16、記者団に「非常に不確実性が強い」と語った。
 金融引き締めを続ける米国を念頭に、インフレ率の推移とそれに対する中央銀行の対応が
 「今後に関する最大の決定要因のひとつ」とも述べた。
 7/17は気候変動への対策を金融面から後押しする「サステナブル・ファイナンス」やインフラ投資も議論した。
 感染症のパンデミック(世界的大流行)などの際に機動的に対応できる財政のあり方も話し合った。

・日本とインドの両政府は半導体や水素・アンモニアといった先端分野で新たな政策対話を設ける。
 半導体では安定供給に欠かせない水や電気などのインフラ面で日本からインドへの支援を視野に入れる。
 補助金や規制を擦り合わせ、民間企業の連携強化を後押しする。
 西村康稔経済産業相は7/19からインドの訪問を予定している。
 インドのバイシュナウ電子・情報技術相、シン電力相兼新・再生可能エネルギー相と相次いで会談し、
 政策対話を盛り込んだ覚書に署名する見通しだ。

・インド準備銀行(中央銀行)が2カ月に1度発表している消費者信頼感指数によると、
 5月の現状指数は88.5と新型コロナウイルス禍が本格化する前の水準を回復した。
 旅行や高額消費の復活で企業業績も改善し、株価も上昇する好循環が久しぶりに生まれつつある。
 新型コロナ禍で金利を過去最低水準に据え置いてきたインド中銀は、22年5月の緊急会合から6会合連続で利上げに踏み切った。
 4月と6月は「小休止」として金利を据え置いており、足元でインフレは鈍化傾向を示す。
 消費者物価指数(CPI)上昇率は5月が4.31%、6月に4.81%とインド中銀が目標とする4%に向けた許容上限内でおさまっている。

・中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は7/17、北京の釣魚台国賓館でフィリピンのドゥテルテ前大統領と会談。
 安全保障面などで米国との協力を強めるフィリピンのマルコス現政権をけん制する狙いとみられる。
 中国は台湾有事になった際、台湾に地理的に近いフィリピンと米国の軍事協力を警戒している。

・米大統領選挙のスイングステート(揺れる州)として有名な米南部フロリダ州を、共和党のカラーである赤に染めたロン・デサンティス知事。
 40年ぶりの大差で歴史的な勝利となった2022年11月の州知事選は、2年後の大統領選をうかがう有力候補の存在を広く知らしめた。
 支持基盤を固めた22年からはトランプ前大統領のお株を奪う形で、保守的な法案に次々と署名した。
 小学校で性的指向や性自認の議論を禁止し、政策に懸念を表明した米ウォルト・ディズニーには「自治権」の廃止で対抗した。
 23年に入ってからはESG(環境・社会・企業統治)投資を制限する法律や、他州と比べても厳しい中絶禁止の法律にも署名した。
 ただ分断のはざまに産み落とされた44歳の候補は、巧みな弁舌や政治的な駆け引きの技術を磨き上げてきたわけではない。
 熱狂を生み出す前大統領の前ではかすんでいるのが現状だ。
 支持率は3月の30%から5月の出馬表明を経て7月はじめには20%まで低下した。
 50%を超えて上り調子の前大統領は「彼には個性がない。
 世論調査の大暴落が証拠だ」と突き落としにかかっている。
 自らのルーツである「草の根」に立ち続け、その不満を背負いきれるか。
 1年後に候補指名を勝ち取れるかどうかの分かれ目となる。

・韓国で豪雨による土砂崩れや浸水の被害が相次いだ。
 7/17時点で全国の死者数は40人に達し、9人が行方不明となっている。

・2023年夏のボーナスは製造業の停滞が鮮明となった。
 平均支給額は17業種中8業種が前年比でマイナスだった。
 原料高の価格転嫁への先行き不透明感などが高まっている。
 堅調な設備投資に支えられ、半導体関連は高水準を維持した。
 調査では、製造業が従業員数で全体の約7割を占めており、影響度が高い。
 多くの企業が原料などのコスト高に直面する製造業は0.82%増と伸び悩み、全体の伸び率停滞につながった。
 業種別で最大のマイナスとなったのが繊維の9.41%減で、前年から13.61ポイント低下した。
 化学も4.22%減で、前年から11.42ポイント下がった。
 鉄鋼は4.73%減に転落。
 製造業の中でも半導体関連は引き続き好調、精密機械は10.01%増。
 造船も9.01%増と好調だった。

・2023年夏のボーナス、東洋紡 <3101> [終値1035.0円]は17.07%減の57万5364円。
 住友化 <4005> [終値430.0円]16.65%減。JFEスチール <5411> [終値2010.5円]21.71%減の77万5000円。
 ディスコ <6146> [終値23325円]3.04%増の377万3654円
 東京エレクトロンデバイス <2760> [終値10090円]46.52%増の208万9069円と大幅に伸ばした。
 シスメックス <6869> [終値9247円]27.68%増の121万5150円
 富士フイルム <4901> [終値8149円]6.27%増の118万5000円。
 IHI <7013> [終値3641円]25.99%増の101万2936円だった。

・2023年夏のボーナス支給額ランキング、
 1位ディスコ <6146> [終値23325円]税込み支給額377万3654円 2022年夏比増減率3.04% 平均年齢38.2歳
 2位スター精密 <7718> [終値1733円]211万5161円 20.06% 40.5歳
 3位東京エレクトロンデバイス <2760> [終値10090円]208万9069円 46.52% 43.8歳
 4位積水ハウス <1928> [終値2855.0円]178万2000円 8.79% 37.4歳
 5位MARUWA <5344> [終値22190円]162万円 0.24% 非公表
 7位ジューテックHD <3157> [終値1164円]152万3309円 33.16% 非公表
 9位立花エレテック <8159> [終値2691円]148万円 34.05% 43.6歳

・乳業大手が牛乳の輸出拡大に動いている。
 雪印メグミルク <2270> [終値1909円]賞味期限が通常の6倍の牛乳のタイへの輸出を始める。
 全体の輸出量を2023年度は前年度より2割増やす。
 よつ葉乳業(北海道河東郡音更町)も富裕層を狙い、シンガポールへの輸出額を毎年2割伸ばす計画。
 国内では8月に各社が一斉に値上げし、需要減も懸念される。輸出に活路を見いだす。
 北海道で作った国内流通品を船で運ぶ。常温保存できるため冷蔵で輸送する必要がない。
 シンガポールでは1リットルで1本500~600円ほど。
 香港やシンガポールなどでは「北海道」ブランドの認知度が高い。
 200~300円という現地メーカーの牛乳より価格が高いが消費者に支持されている。

・米マイクロソフトは7/16、買収を進める米アクティビジョン・ブリザードの人気ソフト「コール・オブ・デューティ」について、
 ソニーグループ <6758> [終値12870円]に提供を継続する契約を結んだと発表。
 買収承認に向け規制当局と交渉を続けており、
 買収完了後も人気ソフトを囲い込まないという意思を明確にして独占の批判をかわし、承認を目指す。

・メキシコ国境から米国へ不法入国する中国籍の移民が急増。
 今年に入ってすでに1万件を超えた。
 中国の新型コロナウイルス対策で仕事を失ったり、人権侵害や宗教上の迫害を受けたりしたことなどが理由。

・産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)7/15、16、」合同世論調査実施。
 岸田文雄内閣支持率は前回調査(6/17,18)比4.8ポイント減の41.3%に。
 下落は3ヶ月連続。不支持率は前回比5.2ポイント増の54.4%で、先月に続き支持率を上回った。

・中国訪問中のケリー米大統領特使(気候変動問題担当)7/17、
 中国の気候変動問題担当特使である解振華(カイシンカ)氏と北京で会談。
 米高官、訪中相次ぐ。

・りそなHD <8308> [終値703.4円]中国のカード大手、銀聯国際と提携し、
 同HD傘下の3銀行のキャッシュレス決済端末でのクレジットカード「銀聯(ユニオンペイ)カード」の利用始める。
 新型コロナウイルス禍後のインバウンド(訪日外国人)回復を見据え、中国人客らを取り込みたい店舗側のニーズを獲得する狙い。

・日銀 <8301> [終値29300円]7/27-28に開催する金融政策決定会合で、2023年度の物価上昇率の見通しを上方修正する公算。
 原材料の高騰を受けた企業の価格転嫁の動きが進み、消費者物価指数の上昇率が日銀の想定を上回って推移しているため。
 23年度の物価上昇率見通しを従来の1.8%から、2%に引き上げる可能性が高い。

・日本、インド両政府が半導体のサプライチェーン(供給網)構築に向けた協定交わす方向で最終調整。
 7/19から訪印する西村康稔経済産業相がバイシュナブ印電子情報技術相と会談し、覚書に署名する見通し。

・宇宙航空研究開発機構(JAXA)7/14、開発中の小型個体燃料ロケット「イプシロンS」の2段目ロケットを
 地上で燃焼させる試験を秋田県能代ロケット実験場で行ったが、爆発。
 けが人はいなかった。
 エンジンを覆う圧力容器が壊れた可能性があると説明。

・円相場が対ドルで上昇。
 7/14の東京外国為替市場では一時1ドル=137円27銭まで上がり、5月中旬以来2ヶ月ぶりの円高ドル安水準となった。
 6/30には145円台まで円安が進んだが、急反転し、2週間で約7円も円高に振れた。



Posted by 占い ザ・ハーミット at 12:43│Comments(0)
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