日経 11月15日

日経 11月15日

2023年11月15日(水) 

・小売り大手が食品など生活必需品で割安なプライベートブランド(PB)を拡充する。
 イオン <8267> [終値3137.0円]は食品PBの半分を刷新し、
 セブン&アイ・HD <3382> [終値5758円]は低価格帯PBを倍増させる。
 スーパーの食品販売額に占めるPB比率は10月に過去最高の約17%に高まり、
 店頭価格の上昇は鈍化している。
 物価押し上げの主軸はモノからサービスに移る。

・サービス価格は賃上げの影響を受けやすい。
 足元で賃上げは物価上昇を下回っており、
 実質賃金は9月まで18カ月連続でマイナスだった。
 物価を下支えするサービス価格の腰折れを防ぐには、
 消費者の財布のひもを緩める継続的な賃上げが不可欠だ。

・防衛省は民間の技術を安全保障分野に生かす研究を支援する新制度の骨格をまとめた。
 2024年度に新設する研究機関で基礎研究に資金を出す。
 最長3年で成否を判断し、失敗しても返金は求めない。
 リスクを恐れず短期で技術革新を生み出す取り組みを促す。
 新制度は米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)を参考にした。
 年40億ドル(およそ6065億円)規模の資金を投じ、
 失敗を許容しつつ短期で成否を判断するのが特徴だ。
 防衛省の新たな研究機関は民間と最新の知見を共有しながら
 先端の防衛装備の開発につなげやすくする。

・〈資産運用立国に挑む〉開国の障壁(2) 非効率な構造、参入阻む 日本株の投資会社「空洞化」
 液晶大手ジャパンディスプレイ(JDI) <6740> [終値33円]の経営再建に取り組む
 運用会社いちごアセットマネジメントは日本株に特化する独立系では最大手の一つだ。
 スコット・キャロン社長は「日本のために」をモットーとし日本に住む。
 ところが、約1兆円の資金を運用する拠点はシンガポールにある。
 陣容は東京8人、シンガポール11人、米国1人の20人に増えた。
 東京・兜町の老舗、山和証券も運用業への進出にシンガポールを選び、
 18年に山和アセットマネジメントを立ち上げた。
 シンガポールを選んだのは「グローバルプレーヤーが集まる」
 (山和アセットの工藤哲哉最高経営責任者)ため。
 運用業の集積が進み、人や情報、マネーが行き交う「産業クラスター」ができあがっている。
 日本からみると日本株の運用会社が海外に集う「空洞化」が深刻だ。
 東京都や金融庁は国際金融都市構想を掲げ、運用会社の誘致を進めてきた。
 資産運用会社の数は5年前比で約60社増え417社となったが、その間、
 シンガポールは1194社に7割弱増え背中は遠のいた。
 政情不安が強まった香港から拠点を移す動きの受け皿になったのはシンガポールだ。
 政府は巻き返しの第一歩として投資信託価格の「二重計算」を見直す。
 風穴を開けるイノベーションは始まっている。
 熊本県地盤の肥後銀行子会社の九州みらいインベストメンツは9月、わずか6人、
 数十億円でプロ向け私募投信の実質的な運用を始めた。
 可能にしたのは「運用」と「管理」の分離だ。
 九州みらいは運用の判断をするだけで、投信価格の計算を含む資産管理は外部に任せる。
 金融庁も規制緩和に乗り出す。法改正で管理を担う会社の設立を可能にし、
 運用会社が業務を任せられるようにする。
 国内に運用会社を増やし競争を高めるには、まず産業のアップデートが必要になる。

・OKI <6703> [終値948円]
 2024年3月に電気自動車(EV)充電設備の保守点検サービスに参入する。
 既存のATMや医療機器の保守点検のための拠点や人員を生かし、老朽化対策の需要も取り込む。
 充電インフラの充実や維持が進めば、脱炭素社会の実現に欠かせないEVの普及の後押しにつながる。
 ATMや医療機器の保守点検拠点を全国180カ所に置くOKI子会社がEV充電器の維持管理を担う。
 充電器の整備に必要な電気工事士の資格を持つ約200人を中心に全国で体制を整え、
 充電器の定期点検やケーブル交換、突発的な故障の修理などをする。
 まずパナソニック <6752> [終値1412.0円]のEVシェアサービスで使う普通充電器の保守や設置を代行する。

・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令請求から1カ月が過ぎ、
 政府と教団が「2段階」で争う審理の構図が浮かんできた。
 請求の法的根拠がないとする法律論と、活動実態が解散命令に当たらないという具体論だ。
 証拠類は膨大になるとみられ、専門家は裁判手続きの長期化を予想する。

・米労働省が11/14、10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が3.2%となった。
 市場予想の3.3%を下回った。
 3%台にとどまるのは5カ月連続。
 高インフレの鈍化ペースが続くかどうかが焦点となる。
 物価の瞬間風速を映す前月比では横ばいとなった。
 伸びが止まるのは2022年7月以来。ガソリンが5%下落したほか、新車・中古車も値下がりした。
 エネルギーと食品を除くコア指数の上昇率は4.0%だった。
 市場関係者は4.1%と9月から横ばいを予想していた。
 前月比の伸びも0.2%と減速し、市場予想をやや下回った。

・米連邦準備理事会(FRB)次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)を
 12/12~13に予定しており、その直前には11月分のCPIも公表される。
 金利先物市場は12月も据え置きを予想しているが、
 FRBのパウエル議長はデータを見極めたうえで必要なら追加利上げを検討する意志を強調している。

・5大銀行グループの2023年4~9月期決算が11/14、出そろった。
 合計の連結純利益は前年同期比56%増の1兆9960億円と
 05年度に3メガバンク体制になってから最高となった。
 超低金利環境の修正で低迷していた貸出金利ざやが改善。
 膨大な資産を抱える邦銀に追い風となった。
 株式時価総額も金融危機前の水準を回復したが、
 デジタル化などで先行する米欧の有力銀行との差はなお大きい。
 国内金利の上昇で日米金利差が縮小し、円高に振れれば円換算した実入りは減る。
 みずほの木原正裕社長は「為替が円高方向に振れるリスクがある」と
 円安効果がはげ落ちることへの警戒感を示した。

・5大銀グループの総資産は大規模な金融緩和が始まる前の
 13年3月期から10年間で6割増え、1000兆円を超える。
 国内総生産(GDP)の2倍近くで、わずかな金利上昇でも収益への影響は大きくなる。
 ゴールドマン・サックス証券の黒田真琴氏の試算によると、
 日本の10年物国債の利回りが0.6%、5年債で0.1%上昇すると
 メガバンクで平均19%超の純利益押し上げ効果がある。
 海外の金利上昇の恩恵が大きいものの、国内でも貸出金利ざやは反転している。

・海外の事業者が国内で販売するアプリにかかる消費税について、
 事業者ではなくIT(情報技術)大手が納税義務を負うことになる。
 海外のアプリ開発者は日本に拠点を持たない中小企業などが多い。
 日本の消費者が払う税が日本で納められるよう、
 消費者とアプリ開発業者の間に入るプラットフォーム企業に代行を求める。

・欧州連合(EU)では巨大IT企業が消費者にサービスを提供しているとみなし、
 納税義務を課す制度を導入済みだ。税逃れの一定の抑止力になっている。
 消費税法では2年前の課税売上高が1000万円以下であれば、消費税の納税が免除される。
 アプリ開発業者のなかにはアプリの販売のたびに別法人を創設して、
 納税義務を避ける事例もある。
 免税制度をどう見直すかも論点になる。

・バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は11/15、米西部カリフォルニア州で会談する。
 対面会談は1年ぶり。
 米中で途絶えている軍事対話の再開を協議する。
 首脳対話を両国関係の安定につなげ、偶発的な軍事衝突を防ぐ狙いがある。
 米国が強化している先端半導体の対中輸出規制についても意見を交わす可能性がある。
 中国国内の技術開発や産業政策に影響が出ており、中国は規制撤廃を求めてきた。

・自民党のNTT <9432> [終値174.8円]のあり方に関する
 プロジェクトチーム(PT)は月内にも策定する政府への提言原案をまとめた。
 2025年の通常国会までに2段階でNTT法を廃止すると盛り込んだ。
 政府保有株の売却方針は明記せず、政府の政策的判断に委ねた。
 提言案はNTT法廃止へ2段階の道筋を描いた。
 まず24年の通常国会で法改正し、研究成果の公開義務を撤廃する。
 現行法では事業展開の制約や先端技術の情報流出の恐れがあるとしてNTTが是正を求めていた。
 次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」や生成AI(人工知能)といった
 先端技術の開発推進につなげ、国際競争力を高める。
 アイオンには近い将来、安全保障で欠かせない技術になるとの指摘がある。
 原案は政府保有株を売却した場合の売却益の使途については例示した。
 (1)情報通信分野の研究開発
 (2)通信インフラの整備・維持
 (3)日本の情報通信産業の国際展開の支援を挙げた。
 防衛財源には触れなかった。

・政務三役の連続辞任を受けて岸田政権の危機対応に与党からも疑問符がついた。
 首相官邸が更迭を判断するまでに時間がかかり傷口を広げたり、
 人事の事前チェックが甘かったりする事例が目立つ。
 内閣支持率の急落傾向が続き、態勢を立て直せるか正念場を迎える。
 「辞任ドミノ」を招いた根底には派閥の順送りや年功序列型人事を踏襲した政権の手法もある。
 「政高党高」を掲げ、党側の事情を重視する姿勢だ。

・岸田文雄首相は11/15~17、米西海岸カリフォルニア州を訪問する。
 アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への出席に合わせ、
 スタートアップの投資を10倍にする目標など日本の産業政策を説明する。
 米国で先端技術を開発する起業家らに対日投資を呼びかける。

・岸田文雄首相首相は日本経済について30年ぶりの高水準の賃上げや過去最高の国内投資、
 国内総生産(GDP)の伸びなど「変化の兆しは生まれ始めている」と指摘する。
 首相は起業家の育成は先端技術を扱う人材が交流し、刺激し合うことが重要だとの考えを示す。
 2023年度から5年間で1000人の起業家の海外派遣をめざす。
 首相はこれまで米東海岸で金融関係の投資家らを中心に経済政策を説明する機会をつくってきた。
 デフレの完全脱却を掲げ、資産所得の拡大に加えて企業の稼ぐ力の底上げによる賃上げをめざしている。
 米国から金融分野だけでなく産業界の投資拡大も促進する。

・日本国債の保有者に占める海外投資家の割合が
 3月末に初めて邦銀を上回ったことが財務省の集計で分かった。
 発行残高の14.5%を海外勢が占め、銀行などの13.1%を超えた。
 円の調達コストの低さを背景に海外勢の売買が目立つ。
 金利上昇による利払い費の増加など財政リスクを指摘する声もある。
 邦銀の国債離れは進み、保有比率は15年前の50%弱から大幅に減った。
 背景に日銀による大規模な国債買い入れがある。
 日銀は異次元の金融緩和を始めた2013年から年50兆円、
 14年10月以降は年80兆円のペースで国債を積み増してきた。
 国債を大量に買い入れ、代金を支払うことで市場にマネーを供給するためだ。
 邦銀を中心とした国債投資家は日銀への売却に応じて国債の保有を減らした。

・日本は債務残高のGDP(国内総生産)比が
 主要7カ国(G7)で最も高く、金利上昇の脆弱性は高い。
 財務省の試算では10年債の想定金利が1.6%なら
 26年度に国債の元利払いに充てる国債費は29.8兆円で、
 1%上振れした場合には33.4兆円となった。
 オールニッポン・アセットマネジメントの森田長太郎氏は
 「海外投資家が加わることで流動性が高まる可能性もある」と話す。
 国債管理政策を担う財務省理財局も保有層が多様になれば
 国債市場も安定するとの立場で、海外投資家との関係づくりを進める。

・経済産業省が国内生産量に応じて税負担を軽減する措置について、
 半導体や蓄電池、電気自動車(EV)に加えて再生可能エネルギーなどで生産する
 「グリーンスチール」など計5分野を対象の候補としていることが分かった。
 自民・公明両党の税制調査会の議論を経て、
 12月にまとめる与党税制改正大綱で最終的な対象製品を決める。
 11/17から本格化する自民・公明両党の税制調査会で対象品目を含めた議論が進められる。

・米国が主導する新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の閣僚会合が
 11/13(日本時間11/14)、米サンフランシスコで始まった。
 初日の議題だった貿易分野は米国内の反発で
 データ流通や労働などの項目で議論がまとまらず、妥結に至らず。
 IPEFには日米や東南アジア諸国など14カ国が参加する。
 2023年5月に妥結した供給網の分野に続き、
 貿易、クリーンな経済、公正な経済の残る3分野で妥結を目指していた。
 11/14にはクリーンな経済と公正な経済を協議する。
 新興国の脱炭素に資するインフラに投資する基金創設に加え、
 経産省が23年度補正予算案に計上した1400億円のグローバルサウスと呼ばれる
 新興国・途上国向け支援をIPEF参加国に優先的に振り向けることも表明する見通し。

・最先端半導体の国内量産を目指すラピダスは11/13(日本時間11/14)、
 2023年度内に米シリコンバレーに営業拠点を設置することを表明。
 米国で開かれた半導体関連の幹部会合で明らかにした。
 27年に量産予定の半導体の顧客を開拓する。
 ラピダスの小池淳義社長は会合後に「米国は顧客となる企業が多い。
 事業をグローバルに展開したい」と狙いを語った。
 顧客の需要に応じた半導体の設計においては、カナダの設計企業テンストレントとも連携する。

・経済産業省が11/13、「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の閣僚会合に合わせて開いた。
 米エヌビディアや米ウエスタンデジタルの最高経営責任者(CEO)など、
 日米カナダの半導体関連大手の幹部8人が参加した。
 半導体の量産や生成AI(人工知能)の開発などで企業間の連携を強化することを確認した。
 エヌビディアからはAI向け半導体、米アドバンスト・マイクロ・デバイスからは
 AI開発向け計算基盤を日本に安定供給することなどが表明された。

・中古車販売店大手ビッグモーターによる保険金不正請求問題をめぐり、
 鈴木俊一金融相は11/14の閣議後会見で、
 同社の保険代理店登録を11月末に取り消す方針を表明。
 処分が決まれば、損害保険代理店での登録取り消しは初になる。
 保険金不正請求問題の焦点は、同社と親密な取引関係にあった損害保険ジャパンに移る。
 金融庁は損保ジャパンと、親会社のSOMPOHD <8630> [終値6521円]にも立ち入り検査を実施。
 損保ジャパンは40人以上の出向者を送り込むなど、他の損保会社と比べてビッグモーターとの関係が突出していた。

・第一生命HD <8750> [終値9117.0円]11/14、2023年4~9月期の連結決算は、
 純利益が前年同期比31%増の1574億円だった。
 傘下の第一生命保険で新型コロナウイルス関連の給付金の支払いが減少。
 22年に子会社化した海外生保の利益貢献が始まったことも寄与。
 本業のもうけを示すグループ基礎利益は4%増の2158億円だった。
 新たに獲得した契約から得られる保険料はグループ全体で29%増の2395億円。
 国内外の金利上昇に伴い、第一フロンティア生命保険で一時払い商品の販売が好調だった。
 保障性の商品が中心の第一生命では12%の減少だった。
 24年3月期通期の業績予想と株主還元は据え置いた。

・プライベートクレジットを手がける英投資ファンドのヘイフィン・キャピタル・マネジメントは
 日本市場に本格参入する。
 国内の機関投資家からファンドへの出資が増えており、
 東京事務所を活用して調達の拡大を狙う。
 プライベートクレジットはファンドなどノンバンクによる企業向け融資を指す。

・三菱UFJFG <8306> [終値1284.0円]11/14、4000億円を上限に自社株買いを実施すると発表。
 半期で同社として過去最大規模になる。
 三井住友FG <8316> [終値7156円]も最大1500億円の自社株買いを公表。
 3メガバンクは今年春の時点で米シリコンバレーバンクの破綻などを踏まえ、自社株買いを見送っていた。
 りそなHD <8308> [終値808.5円]も150億円を上限とする自社株買いを実施する。
 みずほFG <8411> [終値2553.5円]は年間の配当予想を5円増の100円に上げ、
 三井住友FGとりそなも増配する。
 三菱UFJなどは中核的自己資本(CET1)比率などが堅調に推移しており、
 株主への還元を進めるべきだと判断した。

・米国債市場で投機筋の存在感が高まっている。
 米連邦準備理事会(FRB)や米銀などの保有残高が減る一方、
 価格の変化により敏感なヘッジファンドなどが購入額を増やしている。
 米国債が増額され財政運営への懸念がくすぶるなか、
 長期金利(債券価格)の変動が高まりやすくなっているとの指摘もある。
 米長期金利は10月下旬に16年ぶりとなる5%台を付け、その後は一進一退で推移する。
 米景気が減速するとの見方からFRBによる利上げ打ち止め観測が高まると一転、
 金利は急速に低下する場面もあった。
 金利が乱高下する背景には、米国債の買い手に変化が生じていることが一因だ。

・大手格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは11/10、
 米国の信用格付け見通しを「ネガティブ」と従来の「安定的」から引き下げた。
 米政府のつなぎ予算は11/17に期限が迫る。政府閉鎖の懸念もくすぶり、
 市場は米国の財政運営の不透明さを懸念する。
 短期で米国債の売買を繰り返す投資家の存在感が高まるなか、
 長期金利は当面、変動が大きくなりやすいとの見方が多い。

・国際エネルギー機関(IEA)は11/14に公表した11月の石油市場リポートで、
 2023年の石油供給見通しを上方修正した。
 米国などの増産分を織り込んだ。イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘に関しては、
 「広範囲の地域紛争に発展するとの懸念は現実になっておらず、
 石油供給への重要な影響は出ていない」と指摘した。

・国際エネルギー機関(IEA)はリポートで「需要が供給を上回って
 地政学リスクの高まりに脆弱な状態が続いており、原油価格が変動する可能性がある」と言及した。
 一方、24年は供給が需要を上回るとの見方を維持している。
 供給見通しは1億340万バレル、需要見通しは1億290万バレルと
 前月からそれぞれ10万、20万バレル引き上げた。
 「新型コロナウイルス後の景気回復局面の終了や電気自動車(EV)の普及で、
 需要の伸びは鈍化する」と分析している。

・台湾電機大手の鴻海(ホンハイ)精密工業が「中国集中」のジレンマに揺れている。
 生産の約7割を同国で手掛け、米アップルのiPhoneなどの効率供給につなげてきたが、
 現地拠点が当局の税務調査を受けたと判明した。
 中国リスクが意識され、顧客から拠点分散の圧力が一段と強まりかねない。
 分散化の流れは経営の屋台骨を支えるiPhone生産にも及びつつある。
 インドではこれまで鴻海などが少量のiPhoneを生産してきたが、
 アップルは今年に入り、同国で製造・販売ともに体制を強化していく姿勢を示している。

・アジアでデング熱の感染が急増している。
 バングラデシュでは死者数が1000人を超えた。
 タイやカンボジアでも感染者数は前年比3倍のペースで推移し、台湾でも急増する。
 地球温暖化や異常気象が原因とみられ、
 新型コロナウイルス禍からの経済回復にも影響を及ぼす恐れがある。

・欧州連合(EU)の主要機関は11/13、
 レアアース(希土類)やレアメタル(希少金属)の
 自給率向上のための「重要原材料法案」で大筋合意。
 2030年までに戦略的な原材料の年間消費の10%を域内で採掘する目標を掲げた。
 自給率を高めるハードルは高いが、中国依存からの脱却をめざす。
 加盟国の代表からなる閣僚理事会と立法機関の欧州議会で政治合意に達した。
 今後、両機関の最終承認を経て施行する。

・欧州連合(EU)はレアアースなど域内の脱炭素や産業振興に不可欠な重要原材料の調達で、
 中国に大きく依存している。
 新法案ではEUがリスト化した原材料に関し、
 域内での採掘目標に加えて年間消費の25%を再利用する方針を盛り込んだ。
 全体の40%の加工を域内で手掛けられるようにする。
 第三国への依存度が65%を超えないよう、調達先を多様化させる。
 欧州企業のイノベーション(技術革新)を支援し、
 需要の低減も同時並行で進める。達成状況が不十分な場合は追加対策を検討する。
 なかでもグリーンやデジタル、防衛、宇宙といった重要分野の技術に用いるものを
 「戦略的重要原材料」と位置づけ、自給率を高める。
 アルミニウムやコバルト、銅、ガリウム、ニッケル、リチウム、マグネシウム、マンガン、磁石用レアアースなどが対象。

・域内からの調達能力を高めるだけでなく、EU外の有志国との連携も重要になる。
 すでに米国や日本とは重要資源のサプライチェーン構築で協調する方針を確認済みだ。
 アフリカなどの資源国との関係強化に改めて乗り出し、「脱中国」を加速させる。

・米国のバイデン大統領は11/13、インドネシアのジョコ大統領とワシントンで会談。
 安全保障や半導体の供給網拡充など今後の関係強化を念頭に、
 外交関係を現在の戦略的パートナーシップから「包括的戦略パートナーシップ」に引き上げることで合意した。
 重要鉱物などの分野で協力を深める。バイデン氏は同日、
 「安全で弾力性のある(半導体や重要鉱物などの)供給網を構築するため、協力を拡大する」と力を込めた。
 ジョコ大統領も「供給網の問題を含め、経済協力は優先事項だ」と応じた。
 米国が関係強化に動く背景には、中国の存在がある。
 今回の経済協力で特に「目玉」となったのが、半導体分野での連携だ。
 米国は成長余地の大きいインドネシアに対し、半導体産業の育成を支援していく計画。
 インドネシアはEV電池の主要材料であるニッケルで世界最大の産出国。
 米地質調査所によると、2022年の生産量は世界全体の5割近くを占める。

・アルゼンチン国家統計局(INDEC)が11/13
 2023年10月の消費者物価指数は、前年同月比142.7%上昇した。
 1991年8月(144.4%)以来、約32年ぶりの大きな上昇率だった。
 中央銀行が8月に実施した通貨切り下げの影響などで、
 商品やサービスの価格が軒並み上昇している。

・生成人工知能(AI)を用いて顔や声などが加工された
 「ディープフェイク」と呼ばれる偽の動画や画像が混乱をもたらしている。
 岸田文雄首相の偽動画がインターネット上で拡散。
 ゼレンスキー氏降伏声明やバイデン米大統領「第三次世界大戦」開始告げる動画が拡散。
 犯罪に使用されるケースも。社会の新たな「リスク」になりつつある。

・日本が半導体大手エヌビディアから、
 生成AIの開発に使える画像処理半導体(GPU)の供給について
 全面的な協力を取り付けたことが11/14判明。
 経済産業省は国内で生産する半導体分野の売上高について、
 20年の約5兆円から、30年には15兆円に引き上げる目標掲げる。
 欧米の最先端技術を結集させることで、
 「スピードが命」といわれる半導体の開発競争を勝ち抜く戦略。



Posted by 占い ザ・ハーミット at 13:02│Comments(0)
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