日経 2月27日
2024年02月27日
2024年2月27日(火)
・次世代の高速計算機、量子コンピューターの商用化に向けて
国内の産学が2024年度に新会社を立ち上げる。
産業界からは富士通 <6702> [終値22900円]や日立 <6501> [終値12710円]
NEC <6701> [終値10245円]など約10社が参画し、
30年度までに新しい方式の高性能商用機の実現をめざす。
日本が強みとする独自技術を生かし、将来の産業競争力や経済安全保障の強化につなげる。
・新会社は国の研究機関である自然科学研究機構・分子科学研究所(分子研)主導で設立する。
「冷却原子方式」と呼ばれる新しいタイプの量子コンピューターを手がける。
まず26年度に試作機をつくり、30年度までに世界に先駆けて本格的な商用機を提供する計画。
日本政策投資銀行や富士通 <6702> [終値22900円]日立 <6501> [終値12710円]
NEC <6701> [終値10245円]浜松ホトニクス <6965> [終値5460円]など約10社が参画。
各社は新会社への出資などを通じ、人材や技術の面で支援する。
・冷却原子方式は超電導方式より量子ビットの安定性が高く、
複雑な計算に対応する量子コンピューターの大規模化にも優位とされる。
一方、多くの企業が将来の活用を見据えた研究を始めている超電導方式に比べ
実用化への取り組みでは後れを取る。
超電導方式と同様、計算時に生じるエラーの克服など技術的な課題も残る。
ボストン・コンサルティング・グループは、技術が成熟する35年ごろに
量子コンピューターは最大で8500億ドル(約130兆円)の経済価値を生み出すと予測する。
米企業も30年前後に高性能の量子コンピューターの実現を掲げている。
・2/26の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、
前営業日比135円03銭(0.3%)高の3万9233円71銭で終えた。
連休前2/22に続き、過去最高値を2営業日続けて更新。
前週末にかけて米株式市場が堅調で、
リスクを取りやすくなった投資家が日本株にも買いを入れた。
米市場では半導体大手エヌビディアの好決算などを手掛かりに株が買われ、
ダウ工業株30種平均は2/22~23に計519ドル(1.3%)上げ連日で最高値を更新。
欧州やインドの株価指数も高値をつけており、日本株にも波及した。
・任天堂 <7974> [終値6549円]
ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の後継機を2025年3月にも発売する。
スイッチ同様に据え置き型と携帯型の両方の特徴を備えたゲーム機となる見通し。
業界では24年の発売を予想する声が多かったが、
転売防止対策などで後継機の初期在庫や
発売当初の有力ソフトの品ぞろえを確保することを優先した。
・金融庁は銀行の融資規律を点検する。
粉飾決算などコンプライアンス(法令順守)違反で倒産する企業が増えているためで、
審査に緩みがないか立ち入り検査を含め検証する。
マイナス金利政策解除で「金利ある世界」になれば、
ずさんな融資が不良債権化するリスクも高まる。
金融政策の転換も視野に金融システムの安定確保をめざす。
・NTTドコモ <9432> [終値182.0円]2/26、
眼鏡型の拡張現実(AR)端末を2024年半ばに発売すると発表。
軽量・薄型とすることで使い勝手を高め、仮想空間「メタバース」向け需要を掘り起こす。
スマートフォン市場が成熟する中、米アップルなどもゴーグル型端末を発売しており、
「スマホの次」を巡る争いが激しくなってきた。
端末はドコモ子会社のNTTコノキュー(東京・千代田)と
シャープ <6753> [終値891.5円]の共同出資会社が開発する。
価格は非公表だが、高価格帯スマホと同程度の10万円台が目安となる。
・総務省によると、世界のメタバース市場は
30年に9365億ドルと23年見込みの11倍に成長する見通し。
ドコモ <9432> [終値182.0円]はメタバースを産業用途で使う基盤を開発し、
設計ツールを手掛けるソフトウエア会社とも連携して幅広い企業に提供したい考えだ。
・ライバル企業の営業秘密を不正に使用したとして、
東京地裁が「かっぱ寿司」運営会社カッパ・クリエイト <7421> [終値1663円]に
罰金3000万円の判決を言い渡した。
営業秘密が持ち込まれた場合、受領側の企業が刑事責任を問われるリスクについて
改めて警鐘を鳴らした。
人材の流動性が高まるなか、受け入れ企業による対策の重要性が増している。
2/26の判決はカッパ社に対し、ゼンショーHD <7550> [終値6569円]の子会社
「はま寿司」のデータを不正使用したとする不正競争防止法違反罪で罰金刑を出した。
上場企業が他社の営業秘密を侵害したとして有罪判決を受けるのは異例だ。
・2/26の東京株式市場で日経平均株価が続伸。
前営業日にはバブル経済期以来の最高値を更新したが、買いの勢いは衰えていない。
米半導体大手エヌビディアの好決算をきっかけに
人工知能(AI)関連銘柄がけん引する世界株高が続く。
一握りの銘柄へのマネー集中は世界的に広がり、揺り戻しへの警戒感も出ている。
・米マッキンゼー・アンド・カンパニーは生成AIが世界経済に年間で
2.6兆~4.4兆ドルの価値をもたらす可能性があると分析。
英国のGDPに匹敵する大きさだ。
19世紀の米国のゴールドラッシュで一番富を得たのは「シャベルを売っていた人」とされる。
生成AIブームの初期段階である現在は、恩恵が比較的明確な半導体関連にマネーが集中する。
その一角が東京エレク <8035> [終値36000円]に代表される半導体製造に関わる装置メーカー。
感光材の塗布・現像装置で高シェアを持つ同社株は23年末からの上昇率が4割を超えた。
最先端半導体の微細加工に欠かせない極端紫外線(EUV)露光装置を
独占的に手掛けるオランダのASMLホールディング株も3割近く上昇している。
・生成AIのため膨大な計算をする場としてのデータセンター需要も拡大する。
法人向けで強みを持つマイクロソフトや米アマゾン・ドット・コム株は年初来で1割前後上昇。
日本でもクラウド大手のさくらインターネット <3778> [終値6430円]株が3倍近くに急騰。
・QUICK・ファクトセットによると
市場はエヌビディアの売上高が27年まで年平均で34%の成長が続くとみている。
米巨大テック7社のなかでも突出して高い。
急ピッチで拡大した後も、市場はエヌビディアが高成長を続けられるとみている。
仮に鈍化の兆しがあれば、株価調整のリスクはつきまとう。
・市場参加者には米ITバブル期には業績の実態を伴わない銘柄まで買い上げられ、
反動が大きくなった記憶がある。
AIブームでは関連銘柄以外に物色はあまり向かっていない。
投資家が相次ぎ「勝ち組」に乗ろうとすれば、過熱を招く。
JPモルガン証券の高田将成クオンツストラテジストの調べによると、
MSCIの米国指数において時価総額上位10銘柄が占める割合は30%。
ITバブル期を上回り、過去最大規模だ。
「私が若い頃とは比べものにならないほど市場はカジノ的な振る舞いを見せる」。
バリュー(割安)株投資で知られる米著名投資家のウォーレン・バフェット氏は
2/24公表した書簡で、米国内外の株式相場の高騰を投機的な動きだと憂えた。
限られた銘柄へのマネーの集中は「世界的な現象」(英シュローダー)でもある。
時価総額上位10銘柄への集中は欧州(ユーロ圏)で33%に達する。日本でも24%台と高水準だ。
・メキシコと接する南西部国境を越えて米国に入る不法移民のうち、
中国人は1月だけで前年の3.4倍の3700人強に上った。
単に母国での生活が苦しいという動機では米国への滞在や就労は認められない。
ニューヨーク郊外に移り住んで10カ月たつ福建省出身の女性は、
渡米の2年前に入信したキリスト教の信仰を理由に亡命を申請した。
23年4月下旬にメキシコから米南部テキサス州に入った王美恵さん(仮名、30歳)は
母国を離れたわけを「経済が原因。生活が苦しい」と説明した。
南西部国境から入った中国人の不法移民は年4万人弱。
不法移民全体では年250万人、1月単月でも前年比12%増の17万6000人余りに上った。
11月の大統領選を控え、米世論はバイデン大統領の国境政策に不満を強めている。
米メディアはバイデン政権が不法移民の亡命申請を制限する行政措置の検討に入ったと報じる。
・自民党と岸田文雄内閣の支持率は日経新聞社の2月世論調査で、
政権発足後の最低を更新。
複数の指標が2009年衆院選で大敗して下野した麻生太郎政権の末期に近づいた。
野党の支持率がなお低迷している点は当時と異なり、
「岸田おろし」が起きない一因となっている。
自民党の政党支持率は25%で、1月から6ポイント落ちた。
麻生政権で一番低かった29%を下回った。
06年から第1次安倍晋三政権、福田康夫政権と1年ごとに首相が交代して
自民党への不信が高まっていた時期よりも低い。
自民党派閥による政治資金問題で有権者の批判が岸田内閣だけでなく
自民党そのものに向かったことがわかる。
今回の調査では内閣支持率も政権発足後で最も低い25%となった。
内閣を「支持しない」割合も67%と2番目に高い。
・経済産業省は太陽光発電の普及に伴い、山間部で相次ぐ開発トラブルの解消策を打ち出す。
4月から軽度の違反でも再生可能エネルギー事業者向けの支援措置を停止できるようにする。
国が抑止力を持つことで事業者に早期是正を促し、地元住民の理解を得やすくする。
政府は2050年に国内の温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げ、
太陽光や風力といった再生エネの拡大を急ぐ。
一方で太陽光パネルを設置するために森林を過度に伐採し土砂災害などが起きる例が相次ぐ。
住民と再生エネ事業者とのトラブルも増えた。
政府は森林法や盛り土規制法など関連法に基づいて行政指導を出すものの、
従わなくても罰則はない。
改善しない事業者も少なくなく、住民の不安が解消されない状態が続く。
法令に基づく行政指導を受けた事業者向けの行政処分を新設し、
国が固定価格買い取り制度(FIT)などの交付金を一時停止できるようにする。
4月施行の改正再生可能エネルギー特措法にこの措置を盛り込んだ。
・ロシアのウクライナ侵攻から2年、
日米欧中心の民主主義陣営と中国・ロシアなどとの分断が進んでいる。
「ドル1強」の通貨の世界でも、中国が米国の覇権に挑戦し、
暗号資産(仮想通貨)取引も勢いづいてきた。
ドルを基軸とする通貨システムは果たして盤石なのか。国際金融の最前線を追った。
2/28からブラジル・サンパウロで始まる20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議。
期間中に開かれる主要7カ国(G7)会合では、
ロシアの凍結資産をウクライナ支援に転用することの是非が話し合われる見込みだ。
・金(ゴールド)への逃避も進む。
国際調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、
世界の中銀による金の純購入(購入から売却を引いた値)は
22年に約1082トンと1950年以降で最高となり、23年も約1037トンと高水準が続いた。
各国が外貨準備としてドルを持つ際、大半の運用先は米国債だ。
市場規模の大きさや流動性の高さで「替えがきかない」とされてきたが、
その安全神話も揺らいでいる。
・市場は目下、11月の米大統領選に注目する。
トランプ氏が返り咲けば、減税による財政悪化や地政学的な緊張を増幅しうる。
米コーネル大のエスワー・プラサド教授は
「外貨準備のドル離れを進めたいという各国の願望に拍車をかける」と警告する。
ドルの衰退が加速する展開も、絵空事とは言えなくなってきた。
・三井住友FG <8316> [終値8200円]社長に2023年12月就任した
中島達氏は日経新聞の取材で
「預金をどう増やすかが金利のある世界で一番大事だ」と話した。
中堅・中小企業が決済や経理の業務をデジタルで完結できる新たなサービスを開発し、
企業マネーを取り込んでいく考えを示した。
2024年3月期の連結純利益は過去最高の9200億円となる見通し。
中島社長は「来期、その次の期も最高益を更新していきたい」と話した。
26年度からの次期中計では「継続的に1兆円を計上できる基盤をつくる」という。
・債券市場で欧州各国の財政再建への期待が高まっている。
財政リスクが懸念されていたイタリアのドイツに対する上乗せ金利(スプレッド)は
メローニ政権発足後で最小に縮小した。
欧州中央銀行(ECB)の利下げによる金利の低下(債券価格は上昇)を見込んだ
投資マネーも流入しており、スプレッドの縮小は続きそうだ。
・投機筋による円売りが膨らんでいる。
米商品先物取引委員会(CFTC)の20日時点のデータによると、
ヘッジファンドなど投機筋の売買動向を示す「非商業部門」の
米ドルに対する円の売り越し幅は
12万778枚(約1兆5000億円)と23年11月中旬以来の高水準だった。
日米の金利差が開いた状態が続くとの見方から円売り・ドル買いが進んでいる。
円相場の変動率が低下していることも円売り・ドル買い圧力となっている。
・ウクライナのゼレンスキー大統領は2/25、
同国への侵攻を続けるロシア軍が「初夏か5月末に反攻を始める」との見通しを示した。
「今年は転換の年になる」とも述べ、
ロシア軍の新たな攻勢を撃退するための準備を急ぐ考えを示した。
これまでのロシア軍との戦闘による
ウクライナ軍の死者数が3万1千人にのぼることを明らかにした。
負傷者数はロシアを利する懸念があるとして公表しなかった。
・中国の商業銀行が再び不動産業界の支援に乗り出している。
主要行が明らかにした不動産プロジェクト向け融資額は1300億元(約2兆7000億円)を超えた。
不動産不況に危機感を抱く中国政府の指導が背景にある。
四大国有銀行の中国農業銀行は2/19、
「国有銀行として責任を履行する」として計400億元超の融資を認可したと明らかにした。
このうち融資額12億元の浙江省杭州市の
民営不動産開発プロジェクト向け審査は一日で手続きを終えたという。
・大阪ガス <9532> [終値2991.0円]子会社KRI(京都市)2/26、
電気自動車(EV)などに搭載するリチウムイオン電池で現在の5倍以上の寿命実現する
「長寿命蓄電池」の開発に、世界で初めてめどをつけた。
容量30KW時の電池を搭載するEVの延べ走行距離を、
現在の16万キロから80万キロ以上に伸ばすことを目指す。
・宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2/26、
日本初の月面着陸に成功した無人探査機「SLIM(スリム)」から
再びデータを受信したと明らかにした。
着陸地点は1月末から夜だったが、昼を迎えて太陽電池が発電を再開した。
極めて低い温度になる夜を乗り越える設計にはしていなかったが、性能が想定を上回った。
月は約2週間ごとに昼と夜が入れ替わる。昼の温度はセ氏110度、夜はマイナス170度にもなる。
スリムは1月20日、旧ソ連、米国、中国、インドに次ぐ世界5カ国目の月面着陸を果たした。
目標地点から半径100メートル以内を目指す「ピンポイント着陸」にも成功した。
ただ、エンジンの不具合で、機体は太陽電池が西側を向く格好で着地した。
特殊なカメラで月面の岩石を調べた。
太陽が沈んだ1月31日にいったん休眠状態にし、再稼働を目指していた。
Posted by 占い ザ・ハーミット at 12:53│Comments(0)