日経 2月29日
2024年02月29日
2024年2月29日(木)
・損害保険大手4社が約6.5兆円分の政策保有株を数年かけて全て売却することが2/28、わかった。
企業向けの保険料を事前調整していた問題で金融庁から売却の加速を求められていた。
信頼回復に向け、顧客企業とのもたれ合いの象徴とされた政策株をゼロにする必要があると判断。
・岸田文雄首相(自民党総裁)は2/29、
派閥の政治資金問題を巡って開く衆院政治倫理審査会に出席する。
報道機関に公開する形式で自ら説明責任を果たす考えを示した。
現職首相として初めてとなる。
安倍、二階両派の幹部5人の審査についても3月1日までの2日間、全面公開で開催する。
首相が出席するのは政倫審に関する与野党協議の不調により、
24年度予算案の審議が遅れる事態を懸念したためだ。
予算案は能登半島地震に対応する一般予備費1兆円も含む。
政府・与党は23年度内の成立が確実となる3月2日までの衆院通過をめざしている。
・ドラッグストア国内最大手のウエルシアHD <3141> [終値2843.5円]と
2位のツルハHD <3391> [終値11780円]は28日、経営統合の協議を始めると発表。
ウエルシア親会社のイオンが香港投資ファンドから約1000億円でツルハHD株を取得し、
段階的にツルハ株を買い増して統合を主導する。
2027年末までに統合を終える計画。
アジア展開も見据える巨大なドラッグストアが誕生する。
イオン <8267> [終値3531.0円]など3社は同日、札幌市で記者会見を開いた。
ツルハHDの鶴羽順社長は現状、2社計で2兆円強と
国内ドラッグ店市場の4分の1を占める売上高について
「5年後をめどに3兆円にするのが目標だ。アジア首位となる世界企業を目指す」と述べた。
イオンの吉田昭夫社長は「(海外でも)健康分野は非常に大きく広がる市場だ」と強調。
・米政府は2/28、中国など安全保障上の懸念がある国に、
米国人の個人情報を販売・移転することを禁じると発表。
ゲノム(全遺伝情報)や生体認証、資産といった個人が特定できるデータを広範に規制する。
貿易摩擦を発端とした米中の分断(デカップリング)がデータの分野にも及んだ。
米政府によると、現在は合法的な形で仲介業者などを通じ個人情報が売買されるケースがある。
こうした取引が禁止になる。
企業の米国内でのデータ保管のあり方については影響を受けない。
・米アップルが電気自動車(EV)の開発計画を中止する。
生成AI(人工知能)の登場による競争環境の激変に加え、
EVとセットで進めていた自動運転技術の開発も滞っているため、経営資源の投入先を見直す。
独メルセデス・ベンツグループも販売の鈍化でEV化の計画が遅れている。
次世代車のけん引役であるEV見直しの動きが世界に広がっている。
・調査会社マークラインズ <3901> [終値3205円]によると、
主要14カ国のハイブリッド車(HV)の販売台数は23年、
前の年から30%増え、EVなどの伸び(28%)を上回った。
中長期ではEVへのシフトは進む見通しだが、足元で成長ペースが踊り場を迎えている。
・三菱商事 <8058> [終値3216.0円]
「ケンタッキーフライドチキン」を運営する日本KFCHD <9873> [終値4200円]の
全保有株式を売却する検討に入った。
近く売却先を決めるための1次入札を実施する。
三菱商事が約35%を出資する日本KFCの中長期の成長は見込みにくい。
海外の投資家を中心に資本効率の向上を求める声が高まるなか、
事業の収益性を見極めて稼ぐ力を高める。
日本KFCは東証スタンダードに上場し、時価総額は約900億円。
三菱商事が筆頭株主で社長も出している。
全保有株を売却した場合、数百億円規模になる見通しだ。
・イオン <8267> [終値3531.0円]
傘下のドラッグストア最大手ウエルシアHD <3141> [終値2843.5円]と、
2位のツルハHD <3391> [終値11780円]の経営統合の協議入りを発表。
売上高でドラッグストア世界5位となるウエルシア・ツルハ連合が目指すのは、
高齢化が急速に進む中国・東南アジアの20億人市場。
世界大手が未開拓の市場で先手を打つ。
「様々な業態で海外に進出しているイオングループの店舗網やインフラを活用し、
アジアで存在感のある企業になる」イオンの吉田昭夫社長は統合の意義を強調。
日本のドラッグストアがアジアで受け入れられるか。
統合の真価が問われている。
・韓国統計庁は2/28、2023年の合計特殊出生率
(1人の女性が生涯に産む子どもの数、暫定値)を「0.72」と発表。
22年の「0.78」からさらに低下し、過去最低を更新した。
出生数は5年前と比べて3割減り、23万人となった。
人口問題などの研究機関、韓国保健社会研究院の李常林・人口モニタリング評価センター長は
「将来的な不安感から結婚・出産すると不幸になると思っている若年世代が急増している。
伝統的な家族観や価値観が変容し、
儒教思想、家族中心主義の呪縛から逃れたいと思っている」と説明する。
・自民党派閥の政治資金問題を巡る衆院政治倫理審査会は、
岸田文雄首相(党総裁)が出席し全面公開にする方針が決まった。
与野党交渉の行き詰まりで2024年度予算案の早期成立が危うくなり、
打開のため自ら手を挙げた。
迷走した決定過程はガバナンスが機能しない自民党の姿を映す。
・日経新聞の2月の世論調査は内閣支持率と自民党の政党支持率がともに
政権復帰後で最低の25%に落ち込んだ。
所得税減税や派閥の解散など首相が十分な根回しなく方針を打ち出す場面が目立つ。
いずれも一定の注目を集めても、支持率の上昇には結びついていない。
逆に政権の求心力が低下する悪循環に陥っている。
・経済産業省はインターネット通販で海外の電気製品などを
国内消費者向けに直接販売する事業者に、
安全管理やトラブルに対応する責任者を国内で配置するよう求める。
氏名なども公表させる。
消費者が信頼できる業者かどうかを判断する材料にもなる。
近年モバイルバッテリーの発火といった
海外製ネット通販品の事故が多発していることを踏まえた措置だ。
早ければ2025年中の実施を目指す。
今回の法改正では子ども向けの玩具を対象に誤飲やケガを防ぐための販売規制も設ける。
海外製品にも対象年齢や使用上の注意などを表示させ、消費者に注意を促す。
・国土交通省は28日、一般ドライバーが有償で送迎する「ライドシェア」のうち、
公共交通機関が乏しい地域向けの特例措置の改革案を示した。
需給に応じて価格を変えるダイナミックプライシング(変動価格制)を導入可能にする。
上限を通常料金の5割増、下限を5割減とする。
・内閣府は2/28、中国で銀行の保有する不良債権を裏付けにした
証券化商品の発行額が2023年に前年比で46%増えたとの分析を発表。
中国では不動産市場の停滞が地方政府や家計にも波及し、低成長の長期化が懸念されている。
中国経済の停滞が続き、証券化商品の債務不履行が増えれば将来的なリスクにつながる。
・米商業不動産に6Rの試練
1つが在宅勤務(remote work)。
空室率は史上最高の20%近く、細る賃料収入が物件価格を押し下げる。
2つ目が利上げ(rate hike)。
米連邦準備理事会(FRB)の果敢なインフレ退治でローン金利も急騰、物件の収益悪化に拍車をかける。
3つ目は小売店(retail shop)の閉鎖。ネット通販との競合で苦戦。
4つ目のRが地方銀行(regional bank)。
融資の7割を中小銀行が占め、金融システムを左右する大手行の割合が少ない。
規制の緩い先にリスクは集中する。
第5のR、景気後退(recession)のリスクは強まる。
単なる景気後退なら少なくとも金利は下がる。
だが中東危機による資源高などでインフレも再燃すれば、高金利も含め「5つのR」が同時進行する。
IMFは商業不動産、金融、景気の「負の連鎖」を警告した。
危機の共鳴(resonance)という第6の試練も否定できなくなってくる。
火種はくすぶり続ける。
避けたいのは、株高に浮かれて不意を突かれた金融危機の過ちの再現(repeat)だ。
・20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が2/28、
ブラジルのサンパウロで開幕した。
世界ではインフレが沈静化しつつあり、米欧中銀は利下げ時期を探っている。
日銀 <8301> [終値30300円]がマイナス金利解除に動けば、
低金利下で海外に流出した「緩和マネー」が日本に戻る可能性がある。
日銀の動向は世界のマネーフローを左右する。
・20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議、初日(2/28)は
世界経済のリスクや金融政策などを議論する。
日銀の植田和男総裁らが出席する。
イエレン米財務長官は27日、開幕に先立ってサンパウロで記者会見し
「多くの国で金融引き締め政策が実施されてきた。それが下向きリスクを生んでいる」と発言。
これまでの利上げが時間差で実体経済に与える影響を点検する考えを強調した。
・SMBC日興証券の丸山義正氏の集計によると、
世界の政策金利は2月27日時点で約7.6%となった。
利上げに踏み切った先進国の中銀の数は23年4~6月期まで4四半期連続で11だったが、
同年10~12月期は2まで減った。
日銀の金融政策は周回遅れの独自の戦いから世界に与える影響を意識したかじ取りが求められる。
・<通貨流転>ドル1強の死角(下) ビットコイン、不穏な風穴 北朝鮮・ロシア、制裁の抜け道に
2024年1月、ハッカー集団ラザルスグループが100万ドル(約1億5000万円)相当の
ビットコインを引き出して一部を送金したことが
ブロックチェーン(分散型台帳)ウオッチャーの間で話題になった。
送金には、資金経路を見えなくする暗号資産(仮想通貨)の特殊な口座
(ミキシングサービス口座)が使われた。
ビットコインをドルなどの何らかの法定通貨に換金する動きとの見方が多い。
北朝鮮だけではない。ロシアではダークウェブと呼ばれる
特殊なブラウザーがないと閲覧できない闇サイト群を舞台に、
ビットコインによる活発な取引が繰り広げられている。
盗んだ個人情報や武器を違法購入する際、決済手段にビットコインが使われることが多い。
・<通貨流転>ドル1強の死角(下) ビットコイン、不穏な風穴 北朝鮮・ロシア、制裁の抜け道に
エルサルバドルは国際通貨基金(IMF)から過去に融資を受けており、
現在は新規融資の交渉中だ。
そのせいで緊縮・デフレ予算を余儀なくされているとの意識が現政権にはある。
21年にビットコインを法定通貨に加えたのは、
ビットコインを担保にしたドル建ての「ボルケーノ債」を発行したり、
採掘事業などで外貨を獲得したりすることで、
財政政策のフリーハンドをつくる思惑があったためだ。
ボルケーノ債発行を支援するブロックストリームのアダム・バック氏は
「格付けが低い国は(ビットコインを担保にすることで
調達利回りを低く抑えられるので)使いやすい」と指摘する。
IMFは債務返済のリスクが高まるとして、ビットコイン採用の撤回を迫るが、
現政権に受け入れる気配はない。
・<通貨流転>ドル1強の死角(下) ビットコイン、不穏な風穴 北朝鮮・ロシア、制裁の抜け道に
ドル1強支配の外で広がるビットコインがドルに代わる基軸通貨となる可能性は、
その価値の不安定さなどからかなり低い。
だが、ドル支配に風穴を開け、制裁の効果を弱めたり、規制を骨抜きにしたりするリスクは消えない。
・旧村上ファンド系の投資会社でアクティビスト(物言う株主)として知られる
シティインデックスイレブンス(東京・渋谷)が、
共同保有者と合わせてあおぞら銀行 <8304> [終値2511.0円]の株式を
5.42%保有していることが2/28、わかった。
同日、関東財務局に提出した大量保有報告書で明らかになった。
報告書によると2月2日から市場内で株を買い進めていた。
保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。
・金(ゴールド)価格に供給要因による先高観が出ている。
鉱脈の先細りに世界的な人件費の上昇が重なり、生産コストは過去最高になった。
採算割れに陥った鉱山の採掘が滞るとの観測が広がる。
米長期金利が上昇するなか、利息がつかない金も高値圏を維持している。
国際指標となるニューヨーク金先物(中心限月)は2/27、1トロイオンス2044.1ドル。
前日に比べ5.2ドル(0.3%)高い。
・貴金属コンサルティング会社英メタルズ・フォーカスによると、
採掘の人件費やエネルギーコスト、鉱脈の探索費などからなる平均生産コスト(AISC)は
2023年7~9月時点で1トロイオンス1343ドル。
新型コロナウイルス流行前(19年7~9月)に比べ39%上がり、四半期ベースで過去最高となった。
足元でも上昇傾向が続いているとみられる。
コスト高の背景にあるのが、金鉱脈の先細りだ。
「カナダ・オセアナゴールドの米鉱山は低品位の鉱石を加工したため、
採掘コストが前年同期に比べ97%ほど上昇した」。
メタルズ・フォーカスは昨年12月のリポートでこう言及した。
・金はシェールオイルなど新たな鉱脈の開発が続く原油などと違い、
大規模な鉱脈は見つかりにくい。
有史以来掘り出された総量は約21万2500トン。
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、
確認できる埋蔵量は5万9000トンにとどまる。
生産量の維持には、既存の鉱山を掘り進める必要がある。
金鉱石の品質(グレード)の低下懸念が出ている。
低グレードの鉱石は、金を取り出す際の電気代や薬品代などが増える。
・鉱石から生産する金は現在、1年で3500トン前後だ。
日本貴金属マーケット協会の池水雄一代表理事は
「過去15年ほどは新たな金鉱脈も発見されていない。
金の生産量は現在をピークに、
金価格の動向次第で3000トン前後まで減少する可能性がある」と指摘する。
楽天証券経済研究所の吉田哲コモディティアナリストは
「人件費や電気代などは上昇が見込まれる」とした上で
「人権や環境に配慮した費用もかかるとみられ、生産コストは今後も上がるだろう」と分析。
当面、供給サイドから金相場を支える要因として意識されそうだ。
・2/27の米ニューヨーク市場で、
米原油指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物価格が前日比2%上昇。
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟のロシアなどでつくるOPECプラスの産油国が
自主減産を延長するとの観測が広がり、供給減による需給の引き締まりが意識された。
WTIは一時1バレル79ドルまで上昇し、1週間ぶりの高値をつけた。
2023年末からの上昇率は10%となった。
国際指標の北海ブレント原油先物も1バレル83ドル台後半と、前日比1%高で取引を終えた。
・米国の政府機関が閉鎖になるリスクに再び直面している。
現行の予算執行を可能にする「つなぎ予算」の期限が3月1日と3月8日に迫った。
バイデン米政権と野党・共和党は事態打開へ協議を急ぐが、
大統領選を控え党派対立は激化しており、先行きは不透明だ。
3月1日に失効期限を迎える予算は農業関連など小粒なものが多く、
仮に閉鎖になっても経済成長を下押しする圧力は弱い。
閉鎖が1週間以上続いてすべての予算が止まれば景気の減速につながりかねない。
・バイデン米大統領は2/27、
中西部ミシガン州の民主党予備選でアラブ票の確保に不安を残した。
イスラエル支援に反発し、多くのアラブ系有権者らが「支持者なし」に票を投じた。
11月の本選でも取りこぼせば勝利が危うい。
バイデン氏にとってアラブ票が重要になるのは、
大統領選でミシガン州は接戦になる可能性が高いからだ。
前大統領が勝利すると、バイデン政権に比べてイスラエルに肩入れする可能性がある。
トランプ前政権はイスラエルの首都としてエルサレムを承認し、
ヨルダン川西岸での入植活動を事実上容認した。
・米国のトランプ前大統領は2/27、中西部ミシガン州の共和党予備選で勝利を確実にした。
予備選で6連勝となり、11月の大統領選に向けた共和党候補への指名に一段と近づいた。
・香港政府は2/28、2024年の実質域内総生産(GDP)の伸び率(成長率)
2.5~3.5%になる見通しだと発表。
中国の景気停滞などで、ほぼ前年(3.2%)並みにとどまる。
不動産取得に絡む減税や観光客の呼び込み強化策などでてこ入れを図る方針だ。
観光客の呼び込みも強化する。
陳茂波(ポール・チャン)財政官はビクトリア湾で
花火やドローン(小型無人機)によるショーを毎月開催すると表明。
また集客のため展覧会など大型イベントの開催を強化する。
・欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は2/27、
先端材料の開発を域内で加速させるための新戦略を公表。
レアメタル(希少金属)を使用しない電気自動車(EV)向けの
「ナトリウムイオン電池」などの生産を後押しする。
脱炭素や安全保障に不可欠な製品材料の供給網を整える。
・韓国の電子商取引(EC)最大手のクーパンが2023年12月期に初めて営業黒字を達成。
赤字をいとわない先行投資で自前の物流網を整備し、盤石な顧客基盤を築いた。
23年12月には高級ブランド通販の英社買収を発表しており、
食料品や生活用品に加えて百貨店の取り扱い製品もそろえて国内流通市場の総取りをもくろむ。
事業の中核である韓国のネット通販市場は、人口が5170万人にとどまり、
今後は急速な少子高齢化を背景に先細りが避けられない。
国内で稼いだ収益を新事業への再投資や、
台湾などの海外事業の育成に充てて収益源をどこまで積み上げられるかが株価反転の条件となる。
・東電HD <9501> [終値849.6円]2/28、
福島第一原発事故でメルトダウン(炉心溶融)起こした1号機原子炉内の調査始めた。
ドローンとヘビ型ロボットを使った初の内部調査で、
得られた情報は事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出し工法の検討に活用する。
・米ミシガン州で2/27、11月の大統領選に向けた与党・民主党の候補者指名予備選が投開票。
民主側ではバイデン米大統領(81)共和側ではトランプ前大統領(77)がそれぞれ勝利。
トランプ氏は無傷の6連勝。
Posted by 占い ザ・ハーミット at 12:04│Comments(0)